チキン調教師の朝は早い。

  • オペラオムニア疾走しました!

    久しぶりにきちんとしたブログです笑

    FFオペラオムニアに4月(かな?)にゼルが実装されたと聞いていたので、やりたくてやりたくて仕方なかったのですが、ようやく今週の頭から時間が取れたので、小話はちょっとおやすみしてゼル獲得に向けて疾走していました!
    ゼルの武器を出すところからリセマラして、(イベント中で3回で出てよかった…!)仲間になるのが7章なので、たどり着くまで、まーーーーながい戦いでした。
    家事も適度にサボり、睡眠時間を削り、仕事が終わったらずーっとやってました笑
    レべ上げ時間もケチって突っ走ってたので、最後の方はジリ貧でしたよ!
    でも今日ようやくゲットしたぜ~!やったーー!
    かわいい。とにかく、可愛い。幼い。可愛い。おめめがパッチリ!
    声は…ちょっと私がイメージしていたのとは違うのですが、まぁ、ね!慣れですよ!(のんたんは大好きです)

    ずっとゼル用に取ってたアイテム等も全部ぶっこんで、あとはレベル上げをするばかりです!
    スコールもゲットしているので、2人をパーティーに入れてプレイするとニヤニヤが止まりません…!
    あーここにサイファーも入れたいっ!これについては後でちょっと書きます!

    にしても、知ってましたけどすんごいサイゼルやった!
    事前に調べてやったので、サイファーとの絡みで出てくるのは知っていたのですが、
    「サイファーが、サイファーの、サイファーを」
    という具合で、すべての行動の動機がサイファーに帰結していてビックリしたよ!ゼルのサイファーへの矢印がすごすぎてサイゼラーは息してないんじゃないだろうか…?
    『ゼルの青春→サイファーをぶったおすぜ』
    お前の青春サイファーかい!!

    何がすごいって、シナリオライター的にはこの二人はセットで出してもOKと思うくらいには因縁があると思われているっていう事なんですよね。
    実際、劇中でサイファーと因縁あるのは、ライバルのスコール、元ガールフレンド?のリノア、魔女イデア、先生のキスティス、チキン呼びしたゼル っていう感じですよね。
    世間的に、ゼル=チキンってかなり有名だと思うんですが、サイファーとの印象がやっぱり深いんでしょうね。

    にしても原作が発売されたから10年以上たって、こんな材料ぶっこまれるとは全く思ってなかったです…!
    FFブランド強いなぁ…。ありがてぇ…!

    サイファーは3章で敵側として出てきますが、(やった方は分かると思いますが)仲間になりそうな匂いがしますよね!悪いやつじゃないけど今は目的が違うとかなんとか言われてたし。

    多分13章とかぐらいで、魔女関連の話が出て、そこで魔女の騎士やってて、スコールかゼルを入れたパーティで挑んで、勝って、仲間にするっていう流れなんだろうなぁ。と妄想してます。

    とりあえず上記のようになると踏んで、サイファーゲットするまではじっくりやっていきたいと思います!
    サイファー仲間になったら、スコールとゼルとパーティ組みたいなぁ!B班再現したい~!
    原作だと、サイファーが操作できるのほんとに少しだけなので、考えるだけでワクワクしますね!
    まぁレコードキーパーやれよって話なんですが、知り合いが結構力入れてやってるので、それを時々見せてもらって(ゼル好きなことは知ってるので)、ニヤニヤしてとりあえず満足してます。

    結論として、ゼル最高。
    ちなみにですが、にょるの名前でやってるので、見かけたら是非フォローしてやってください~!





    拍手ありがとうございます!
    とりあえずオペオムがひと段落したので、サイファーの気持ち編小話の続き頑張ります!!
    ありがとうございました~!
  • その語のお話 完結です

    俺は、今サイファーがガーデンにいないことを心から感謝した。
    今あいつに会ったら、平静でいられる自信は全くない。
    それもこれも、昨日見た逢瀬のせいだ。
    あれ以来、頭の中に彼らのことがちらついて離れない。
    しかも彼らは、時折俺とサイファーの姿形に変化して俺の心を動揺させた。
    あの後のことは、あんまり覚えてない。
    彼らの姿が自分たちに重なってからは、とてもじゃないが彼らがの姿を直視することが出来ず、俺は目をつぶって書架の隙間に隠れ、ただただ甘い声が響くその時間が過ぎるのを待った。
    そして、気が付いたら自分の部屋にいたのだ。
    どうやってたどり着いたのかも分からないほど動揺していたのだろう。気もそぞろで部屋に戻ったことが伺えた。
    部屋に戻っても、とても就寝できるような精神状態ではなく、冴えてしまった目と頭を抱えながら再び眠れぬ夜を過ごしたのだ。
    あいつが戻ってくるまで、まだ丸一日ある。その間に、なんとか心を落ちつけたい。
    そう活を入れなおし、寝不足の頭をスッキリさせるため、俺は顔を洗うと、朝食を取るために部屋を出ようとした。

    「よう」

    ドアを開けた先に、サイファーがいた。
    「…!!!!」
    驚きのあまり、とっさに言葉が出て来ない。
    「なんだ?んなに驚いて」
    俺のあまりの驚き様に、サイファーは目元を顰めて怪訝な顔をした。
    「サ、サイファー!な、なんでいんの!?」
    ようやく絞り出した言葉は、自分でも呆れるくらいに震えてた。
    「あ?任務が早く終わったんだよ。あの糞オヤジ予定をコロコロ変えやがってめんどくせぇたらなかったぜ」
    ~~~っ!!!
    どどどっどどうしよ!?
    動揺しているうちに、俺はサイファーに促されて食堂まで連れ出された。隣を歩くのが恥ずかしくて、ちらりとサイファーを見るとあいつもこちらを見ていたのかビシリと目が合ってしまい、あわてて目を逸らした。
    食堂でも俺の動揺具合はひどいもので、受け取った食器を落とすわ、飲み物をこぼすわで、途中から合流した風神と雷神も俺に何があったのかと顔を見合わせていた。
    サイファーに話しかけられるたびにビクリと反応して顔を露骨に逸らす様子に(とてもじゃないけどあいつの顔なんか見れねぇよ!)風神がこちらを心配するように見ているのが分かった。
    あいつの視線を感じる。顔が火照って仕方がない。

    それからも顔を見るたびにあいつを避けまくってしまった。
    あいつの呼びかけも何度も聞こえないふりをしてやり過ごした。
    チキンとでもなんとでも言いやがれ…!
    サイファーを見ると、どうしてもあの光景が思い浮かんじまうんだ。
    恥ずかしくて、強烈に意識してしまうのが自分でもわかる。
    俺どうしちまったんだろ。
    ようやく寮の部屋の前まで戻ってくると、自分のサイファーへの態度の酷さに自己嫌悪する。
    もうダメダメだったとため息交じりに肩を落として、部屋へと入ろうとすると同時に、何者かに腕をつかまれてそのまま部屋へと連れ込まれた。
    腕の先をたどってそちらを見ると、サイファーがものすごい顔をしてこちらを睨みつけている。
    「どういうつもりだ」
    掴んだ腕を離すと、そう先制された。
    「ど、どういうって…」
    唐突な物言いになんと答えていいか分からない。
    「てめぇ、あんな露骨に俺を避けといてシラ切るつもりじゃねぇだろな」
    「そ、それは」
    さーっと青くなった俺の顔を見て、サイファーが確信めいたように言い放つ。
    「急に態度を変えやがって。俺が嫌んなったんならはっきりそう言やぁいいだろうが!こんな回りくどいことしなくてもよ!」
    語気を強めて言い切ると、近くの壁を力任せに殴る。
    俺からスッと視線を逸らして辛そうに眉根を寄せた。
    そうして、俺のベッドのふちにボスッと腰を落として、顔の辺りを片手で覆ってしまった。
    表情が見えないせいで急に不安が募る。
    サイファーのこんな姿を見るのは、行方不明になった時ぶりで、俺はあの時のサイファーを思い出して動揺してしまう。そんなつらそうな顔すんなよ。胸がつぶれそうだ。

    「理由くらいは聞かせろ」

    何と言っていいか分からずに立ち尽くしていると、彼は静かにそう言った。

    こんな傷つけるつもりじゃなかった。
    とにかく何か言わなきゃと思った俺の口から、ポロリと言葉が零れ落ちる。

    「お、俺、セックス見たんだ…」

    サイファーがピクリと反応して、手の隙間からこちらを見たのが分かった。

    「男同士で、き、キスして、ハグもしてて、そんで…セックスしてた」
    「年齢も俺たちとそう変わらないくらいの奴らで、男同士でもそんなことすんのかって俺ビックリしちまって…」

    そこまで言って言葉が詰まってしまったゼルを促すように、サイファーが顔をあげてゼルを見つめる。
    ようやくサイファーの顔を見れたゼルが、目を閉じて何度か呼吸を繰り返した後に言葉を続ける。

    「あの夜、俺、起きてたんだ」

    その言葉だけで、何を意味しているのかを理解したのだろう。
    サイファーがハッとしたように一瞬目を開くと、覚悟を決めたように目を細めた。
    まるで死刑の執行が迫る囚人のように悟った表情をするサイファーに、俺の心はざわめく。

    「あんたが何をしてんのか、その時は全然わかんなかったんだけど…昨日あいつらのを見て、俺、ようやく分かったんだ」

    それを聞いたサイファーが、深く息をついて目を閉じる。
    そうして一拍おいてから口を開く。

    「ああ、そうだ。気持ちわりぃ真似してすまなかったな」

    そう言うと、自分の中で納得がいったのだろう。サイファーは目を開いてゆっくりとベットから立ち上がった。

    「テメェが俺を避ける理由は分かった。まぁ当然だわな」
    だが、と前置きして続ける。
    サイファーの強い視線が俺に刺さる。
    「後悔はねぇし、間違えたとも思っちゃいねぇ。バレたからには次は遠慮無しでいく。俺に犯されねぇようせいぜい気をつけろ」

    普段とは違う、存外真剣な声でそう言うと、サイファーは部屋を出ようとした。
    でも俺は彼のコートの裾をとっさに掴んでいた。

    彼の言ったことはそりゃあ間違ってない。あの夜はビックリしたし、沢山頭を悩ませた。
    でも嫌だったわけじゃなかった。気持ち悪いなんて思わなかった。
    それであいつを避けるなんてこと、しない。

    そうか、俺がなんであいつを避けてたのか。すごく恥ずかしくて、顔も見れなくて、体が火照って仕方なかったのか。ぐちゃぐちゃだった頭が急にクリアになって、一つの結論へと結びつく。
    サイファーは間違ってる。そうじゃない。
    俺はもう、その答えを知っている。

    「違う、違うんだ。そんな理由で避けてるんじゃない!まだ続きがあるんだ」

    上方からなんだとばかりに、じろりと視線が投げられる。

    「片方の奴があんたに見えたんだ」

    俺の言葉の意味が分からないのだろう、サイファーは歩みを止めて静かに俺の言葉を待っている。

    「そんで、だ、抱かれてる子が…お、ぉれに見えた」
    ここまで来たら、もう恥らっても仕方がない。どうせこいつの顔を見るのも恥ずかしいのだ。
    もう言葉が飛び出すままに任せた。

    「好き同士だってわかった。すげぇ気持ちよさそうで、途中から俺たちにダブっちまって、俺、あんたとこういうことがしたいんだって、そう、思っちまった。」

    「あんたを見るたびに、想像しちまって、そんで…避けてたんだ」

    最後にごめん。と付け足して、俺の言葉はようやく終わりを告げた。

    「それは…」

    サイファーが信じられないという目でこちらを見ている。
    まだ、理解しきれていないのだろうか。瞳が小さく揺れている。
    だが体をこちらへ向けると、ゆっくりと歩み寄ってくる。

    その心許なく佇む、自分より一回り大きな体をそっと抱きしめた。
    サイファーが回される腕にビクリと揺れる。
    その様子がさっきの俺みたいでなんだかおもしろい。サイファーのくせに。

    「好きだぜ」

    サイファーにくっ付いているせいでくぐもった声になっちまったけど、俺はようやく気づいた自分の気持ちを、外に出した。俺の中に抱えているには、大混乱になるほど大きすぎたみたいだ。

    急に体が動かなくなったかと思うと、ものすごい力で抱きしめ返されていた。
    サイファーは何も言わなかった。
    でもあいつの気持ちが痛いほど分かったから、それでよかった。
    ただ、長い時間、俺たちは抱きしめあった。

    暖かい体温と、あいつの鼓動がとても心地よかった。


    どのくらいそうしていただろう、腕の力がそっとゆるむと、慈愛の色をたたえたエメラルドがこちらを見つめた。
    俺はその美しい瞳に目を奪われた。じっと見て初めて知る。まつ毛がすごく長いなぁとか、意外とたれ目なんだなぁとかそんなことを思った。
    高い位置にあった顔がサイファーが屈んだのかすっと降りてきて、すこし伺うみたいに俺の顔に近づいてくる。
    キスしたいんだってわかった。
    吐息がかかりそうなくらいに顔が近付いても逃げない俺に、あいつは噛みつくみたいに口づけた。
    昨日見た彼らのように、何度も角度を変えてキスをする。
    気持ち良くて、夢中になってサイファーにしがみついた。
    しばらくすると、サイファーの舌が俺の口を割って入ってくる。
    俺をバニシュから救った時とは比べ物にならないほど熱くて、激しい。
    圧し掛かりながらもっと深く交わろうとするキスに、俺はうまく呼吸を合わせられず、プハッと口を離して酸素を求めた。
    体が離れたことで幾分か冷静になったのだろう、サイファーが必死に息を整えている俺にちゅっとリップ音をたててキスをすると、耳元に心地よいベルベットボイスを送り込む。

    「おまえは俺のものだ」

    その心地いい声に、小さく頷いて、俺は再びサイファーに抱き着いた。


    おわり



    ゼルの気持ち編?完結です。
    でもさらにもう少し続きます~!
    ここまできたらサイファーにもう少しいい思いをさせてやりたい笑 ので、R18編&サイファーの気持ち編に続きます。

    傍若無人なサイファーが辛勝な感じになっているのってすごく萌えるので(ギャップ萌え?)、今回はそんな感じのサイファーにしようと躍起になっています。なぜ今回のサイファーはそんなに大人しい?のかはサイファーの気持ち編で言わせようと思っていますのでまた読んでいただけると嬉しいです。

    ーーーーーーーーー

    拍手ありがとうございます~!
    小話書いてる間は、自分が書きたいのもあるんですが、需要あるかなと心配になったりすることもあるので、反応いただけてとてもうれしいです。
  • その後のお話続き R-18注意!

    眠れぬ夜を過ごした俺は、ずっと頭に焼きついた昨晩のサイファーについて思案していた。
    彼は一体何をしたかったのか。当然ただベッドで寝たかったわけではないだろう。
    そのくらいは俺にもわかる。しかも、彼の性器が固くなっていたのを感じた。
    でも、彼の真意が分からない。
    そうして思い悩み、ふと時計を見て気付く。
    朝食を共に取るため、サイファーが迎えに来る時間が迫っていたのだ。
    昨晩一体何をしていたのかと問い詰めたい気持ちと、触れてはいけないという気持ちがせめぎ合う。
    戦々恐々としながら、普段彼が迎えに来る時間を迎えてしまった。
    そわそわと、ベッドに腰掛けながら彼を待つ。なんて声を掛けたらいいんだろう。
    いや、普段通り、普段通りだと自分に必死に声を掛けて平静を保つ。

    しかし、いくら待っても一向に迎えには来なかった。
    何かあったのだろうか…?昨晩のせいだろうか…?
    も、もしかして起きてたのがバレてたとか…?

    不安になりながらも、仕方がないので久しぶりに一人で食堂まで下りていく。
    サイファーが右側にいない事に、違和感を感じる。
    普段ならどうでもいいような事や、任務の事(秘匿事項は話してないぞ!)なんかを話しながら移動しているとあっという間に着いちまうのに、今日はなんだかやけに食堂が遠く感じた。

    食堂に着くと、そこにはスコールとアーヴァインが居て、俺に気付いたアーヴァインがこちらに向かって手を振ってきた。
    食事を受け取って彼らのテーブルに向かうと、遠慮もなく空いている椅子にドカッと腰掛けた。
    気心の知れた間柄の友人たちとの食事は、本当に楽しい。
    辛い任務の愚痴もあれば、スコールにリノアの近状を聞いたり、最近キスティスがちょっと厳しいことまで話題に上り、会話は大いに盛り上がった。
    その時、アーヴァインがそういえばと前置きして、「サイファーはどうしたの?一人で朝食取るの珍しいよね~」とゼルへと視線を投げる。
    俺はずっと意識していた名前に一瞬ビクリと反応しちまったけど、それを必死でごまかすように「わかんねぇ。普段なら迎えに来るんだけどよ。」と肩をすくめてアーヴァインに答えた。
    「サイファーならガルバディアでの警護の任務だぞ。4日間のな」
    スコールはそう言葉をはさんで、すくっていたコンソメスープを口に運んだ。
    スコールは指揮官という立場上、皆の仕事の管理もしているからそれを知っていたのだろう。
    「そっか…」
    それを聞いた俺は、ほっとしたような、さみしいような不思議な感覚に襲われた。
    それならそうと言っておいてくれればと思ったが、確かにいちいち俺に言う義理はないのだ。
    俺たちはただの『友達』だ。もし風神や雷神のような『親友』なら、対応も違ったのだろうか…?

    友達と言えば、昨晩のサイファーについてこの頼れる友人たちに相談してみたらどうだろうか。
    でも、何と説明したらいいだろうか?
    寝ている上に伸し掛かられて、ぐいぐいと下半身を押されましたとでも言うのか?(しかも勃ってた)
    意味が分からなさすぎる…。
    それを聞いたスコールとアーヴァインが顔を見合わせて、こちらを呆れた顔で見るのがありありと想像できてしまった。

    その後は楽しい食事のはずが、急にサイファーの事ばかりが頭を回ってしまい、俺は普段の半分も飯が食えなくて、2人に体調が悪いんじゃないかと疑われた。


    結局その日は一日中ぐるぐるとサイファーの行動の意味について考えて一日が終わった。
    一緒に作業をしていた、ただでさえ最近厳しいキスティスが、そんな具合の俺を見逃すわけもなく、
    ボーっとしていたペナルティとして、古い書架の整理まで申し付けられてしまった。
    俺はもう今日は仕事にならないと判断して、書架の整理は明日に回して部屋へと戻って体を休めた。
    なんだか気疲れしちまったみたいだ。俺らしくもないとため息をつく。
    今日も眠気は来ないかと心配したけど、睡眠不足と気を張って疲れた体は、思いのほか心地よい睡眠へと誘ってくれた。

    翌朝、俺はスッキリと起きた体で普段の時間通り身支度を済ませる。
    そうしてチラチラと時計を見て、無意識にサイファーを待っている自分に気付いてガックリと肩を落とす。俺ってマジで鳥頭なのかも…。習慣ってのは本当に怖い。
    あいつは今日も泊りがけの警護の任務中のはずだ。
    俺も今日は夕方ころまではSeeD候補生を連れて野外演習を行わなければならない。
    そうして慌ただしく部屋を出て行き、ようやく演習が終わって部屋に戻れば17時を回った時間になっていた。
    とはいえ、候補生に上がったばかりで動きが拙い者が何人もいたこともあり、先ほどまで彼らの面倒を見るのに忙しくて、昨日まで頭を回っていたサイファーのことを一時的にでも忘れることが出来たのは幸運だった。
    「もうこんな時間か。早く片付けに行かないとキスティからお小言もらっちまう」
    俺は急いでシャワーを浴びると、軽くふいた髪もそのままに図書室へと急いだ。

    ガーデンには図書室があるけど、普段利用しない資料や本を置いている書架が図書室の別室にあって、そこには図書委員くらいしか出入りしないから、ちょっと暗くて、人気が無くて、俺はあんまり好きじゃない場所だったりするんだ。
    現に俺も、たまーに報告書の資料で使ったりするだけで、数回しか入ったことはない。
    本当は図書委員が整理するのがいいんだろうけど、彼女たちはおしゃべりしたり、お菓子を食べるのがもっぱらの仕事らしく(三つ編みの子くらいしか俺も知らねえけどさ)、ここは結構ほったらかしになってるみたいでキスティス達のいる本部に、ちょくちょく整理してほしいってクレームが入ってたみたいだ。
    というわけで、俺にお鉢がまわって来たってことなんだけどさ…。
    これが結構、広い!しかもあちこちに棚があってちょっとした迷路みたいになっちまってる。
    とりあえず、適当に積みあがってる本を、タイトル順に整理していく作業を黙々とこなしていく。

    どのくらい時間が経っただろうか。
    奥の込み入った棚を整理しているときに、入口から人が入ってくる気配がした。
    俺はどうせ資料を取りに来たSeeDか図書委員だろうと思ってそのまま作業を続けていたが、どうも1人ではないようで、小さな話し声が聞こえてくる。
    声からして、男二人のようだ。
    しばらくすれば居なくなるだろうと踏んでいたのだが一向に気配は消えず、俺は何事かと棚のふちから顔をのぞかせて驚愕した。
    体格の立派な、ダークブラウンの髪の青年と、先の青年よりも小柄な、明るいブラウンの髪の少年が書架にもたれつつ、キスをしていたのだ。
    お互いの体に手をまわして、顔の角度を何度も変えて口を合わせている。
    時折、キスの合間に吐息が漏れるのが聞こえてくる。
    俺は思いも寄らない展開に固まってしまい、視線を逸らすことも忘れて彼らを見つめてしまう。
    運よく俺の居るところは書架に囲まれていて暗く、おそらくあちらからは見えないだろう。
    まだ俺が衝撃から立ち直れないうちに、既に彼らはお互いの衣服の中に手を差し入れだしている。

    彼らは、何をしているんだ…?
    いや、分かっている。キスしてるし、ハグもしている。
    でも、男同士だ。
    つまり彼らはゲイで(一応そういう人たちがいるってのは知ってる)、ここで逢瀬をしているってことだ。
    男同士でも、カップルならば、キスもするしハグもする、そうしてそれ以上もするということに初めて思い至る。
    しかし知識ではわかっていても、心がついていかない。
    初めて見た男性同士のキスに、俺は食い入るように見入ってしまった。
    2人は舌を絡ませて、口を食む様に何度もキスを繰り返している。
    そんな濃厚なキスに、彼女がいた事のない俺はごくりと唾をのむ。
    男同士のキスなんてもっと気持ち悪いものかと思ったけど、嫌悪感がわいてこない自分に驚いた。
    それどころか、むしろ俺はなんだかあのキスの感覚を想像できるのだ。
    そうして気付いてしまった。
    俺、サイファーとしたことあるんじゃん。
    あの呼吸を奪いに行くようなキスを、したことがあるのだ。
    そこに思い至ると、彼の広い背中に腕をまわして気持ちよさそうにキスを享受している少年が、なぜか自分とダブって見えてしまい、俺は急いで首を振ってその恥ずかしい想像を振り払った。

    そうするうちにも、体格の良い青年は、少年の下半身へと手をまわして、そこを揉む様に刺激している。
    少年は小さく声をあげて、青年にしがみついてはキスをねだっている。
    青年の堀の深く引き締まった顔立ちは男前で、その眉間に皺を寄せた鋭い目元はサイファーを思い起こさせた。
    いやいやいや俺何考えてんだよ!
    知らず知らずのうちにサイファーを思い出してしまう自分が恥ずかしい。
    青年は少年の下肢の衣類を取り去ると、少年の体を反転させて書架へと押し付けた。
    少年の立ち上げた髪が棚にあたってくしゃりと乱れる。(あいつも前髪を立ててるヘアスタイルだ)
    そうして青年も自身の下肢をくつろげると、中から隆起したそれが飛び出してくる。
    その生々しさに俺はそっと息をつめた。
    青年が少年の臀部に指を這わせて、そうして指を埋め込んで動かしている。
    少年は眉尻を下げながらも、その動きに耐えているようだ。その首筋に、青年が息を荒げつつ口を寄せている。次第に二人の息が上がっているのがここからでもわかった。
    これから何が始まるのか、知っているはずなのに、俺の頭は真っ白になってしまって役に立たない。
    少年からぬるりと指が抜かれると、そこに十分に濡れていきり立ったものが押し当てられる。
    少年がそれを理解して、クッと息を止めるのが分かった。そっと腰を突き出して、彼の挿入を待ちわびている。
    俺は目が離せなかった。
    青年はグッと力を入れて、ゆっくりと彼の中へ自身を埋め込んだ。少年が細い声をあげてその衝撃にあえぐ。
    腰がつくまで侵入を果たすと、青年はその体格差から圧し掛かるように、少年の体に腕をまわして抱きしめた。お互いの名前を、吐息交じりに呼び合って、呼吸を合わせている。

    そうして、青年がゆっくりと腰を揺らしだした。
    少年の尻に腰を押し付けるような大きなストロークが繰り返される。
    その動きに、俺の頭にあの光景がフラッシュバックする。
    サイファーの動きがだんだんと早いものになっていく。息が荒くなる。挿入される俺も甘い声をあげて、腰を揺らして彼を煽る。
    ちがう!彼らはサイファーじゃない、俺じゃない!
    自然と彼らを自分たちに重ねる自分に驚愕した。

    そうして、俺はようやくあの時のサイファーの行為を理解した。


    あいつは、おれに、欲情してたんだ。


    つづく


    とりあえずキリのいいとこまで行った!
    他のカップルの行為を見るのって衝撃的だし、鈍いゼルにはいい刺激だろうと思ってやってしまったぜ!
    めっちゃ萌える~!
    この後はサイファーとの邂逅編です。
  • 前回の小話の続き?というかその後のお話です R-18注意!

    「よう!」
    俺は今日も朝から部屋に迎えに来たサイファーに声を掛けた。
    俺の声に気付くと、返事のようなものをしながらコートを揺らして廊下を歩いてくる。
    実は最近、こいつと朝飯食いに行くのがすっかり習慣になっている。
    俺が行方不明になって、無事に解決した次の日からだ。
    その日のサイファーは相変わらず不機嫌そうな顔をしながらも、律儀に俺の部屋の扉をノックしたんだ。
    本当に来るとは思ってなかった俺は、ぽかんとした顔をしていたと思う。
    一時期は険悪な時もあったけど、ちゃんと話してみると意外と面白いやつで、食わず嫌い(喋らず嫌いって言った方がいいのかな?)してたんだなぁと俺は自分の対人関係をちょっと反省した。
    任務があって一緒に飯食えない日なんかもあるけど、なんだかさみしいと思っちまったりして、マジで習慣って恐ろしいと思う。
    サイファーもサイファーで、毎朝きちんと迎えに来るのがなんだか面白い。意外と真面目なのかな。

    2、3言葉を交わすと、連れ立って食堂へ向かう。
    サイファーの左側はすっかり俺の定位置だ。
    途中、雷神と風神がこちらに駆け寄ってくる。
    こいつらと話すときのサイファーって、結構穏やかなんだよなぁ。
    俺もそんな風になれたらと無意識に思ってしまって、なんだか恥ずかしくなった。


    食堂に着くなり、サイファーの通るところに道が出来る。
    生徒たちが彼を避けるのだ。
    気持ちはよく分かる!現に行方不明事件の前までは、俺もそっち側の人間だった。
    今は正SeeDとなり、素行も多少は良くなったと言ってもサイファーはサイファーだもんなぁ。
    だが、本人はそんなことに気にも留めずトレーに食事をとると、適当なテーブルにドカッと腰を下ろす。
    こっちに、はやく来いという目線を向けてくるので、急いで俺も食事を取ると(パンは今日も売り切れだった!)テーブルへと向かった。
    席に着くと、雷神が昨日ゲットしたというクワガタがいかに凄いかという事をサイファーに報告している最中だった。
    サイファーはフォークでニンジンをつつきながら、ああ、とか、そうか、なんて返事をしている。
    自分以外のことに興味がないかと思ってたけど、きちんと聞いてやるんだよなぁ。
    でも、さっきから俺とサイファーを交互に見ていた風神がなぜか雷神の足をけって話を中断させた。
    「おい、食うか?」
    足をさすっている雷神には目も向けず、サイファーが俺につついていたニンジンをフォークに刺して近づけた。
    意味が分からずサイファーを見つめると、さっきから俺を見てただろ?相変わらず食い意地が貼ってやがる。
    なんて言いながら、目の前でニンジンを揺らしている。
    無意識に見つめていたことに全然気づかなかった。
    俺は急いで視線を逸らしたけど、確かに腹は減ってたし、うまそうだったし、ニンジンはいただいておいた。
    顔をできるだけ見ないようにしてたからはっきりしないけど、なんだか目を細めて満足そうに笑ってた気がする。
    その時風神が突如咳払いをする。
    いわゆる「あーん」状態だったことに気付いて、俺は赤くなって下を向いた。
    と、下を向いた際サイファーの皿が目に入り、先ほどのニンジンが皿の隅にいくつか寄せられているのを見てしまった。
    サイファーってニンジン嫌いなのか…。
    か、かわいいじゃん。

    ん?…ちょっとまてよ。
    「っておい!自分の嫌いなモン人に押し付けんなよ!」
    そういって食って掛かると、サイファーはようやく気づいたかと大口をあけて笑った。
    サイファーがそんな風に笑ったとこなんて見たことなかった俺は、追撃するのも忘れてそのまま見入ってしまった。

    性格は相変わらず苛烈で自己的だけど、合理的で、自分の信念を曲げるのはすげぇ嫌がる。話していくうちに知らなかった彼を理解していくのが本当に友達になれたみたいで嬉しかった。


    ーーーーーーー

    それから、サイファーは俺の大切な友人の一人となった。(もちろんガキの頃から仲間ではあったけど、もっとって意味だ)
    朝だけじゃなくて、時間が合えば他の友人たちとのように食事を共にしたし、部屋でアイスホッケーの試合をテレビ観戦して俺のお気に入りのチームを一緒に応援したこともあるし(すげぇ盛り上がった)、互いのおすすめの雑誌を貸し合ったり、一緒に訓練施設でトレーニングに励んだり。
    だから、理解できなかった。
    あの時サイファーが何を考えてるか、俺にはさっぱりわからなかったんだ。

    その日、俺は前日まで出ていた任務の報告書をまとめるのに四苦八苦していた。
    今回はいくつかのチームに分かれていた作戦のため、その整合性を持たせた説明をするのがどうもうまくいかなかったのだ。そんな時、「暇か?飯食いに行こうぜ」と俺の端末に連絡が入った。サイファーだ。
    行きてぇけど、報告書が大変なことになっていると泣きつくと、最初は「鳥頭だと記憶が追い付かないのから大変だなぁ」などとからかわれたけど、噛みついてこない俺に本当に切羽詰っているのが分かったのだろう、「手伝ってやるからそっち行く」と返信のメールが入った。
    しばらくすると、いつものコート姿ではない、ラフな格好のサイファーが俺の部屋に入ってきた。紺色のタイトなTシャツが、サイファーの肌に貼りついてその体格の良さを主張している。ゆるいデニムの上にはエンブレム調のバックルが鈍く光っていて、大人の男って感じで、正直、凄く、似合ってた。
    俺の薄手のタンクトップと膝上丈のハーフパンツが、なんだかガキっぽく感じてしまう。
    「おい、見せてみろ」
    俺がじっと見つめたからだろうか、少し焦ったように俺の書き掛けの報告書を奪って、ベッドのふちに腰掛けて読み始めた。
    俺は、冷めかけた自分の分のカフェオレを入れなおし、サイファーの分のコーヒーも入れると彼に手渡した。
    サイファーは報告書に視線を落としたまま、コーヒーを受け取ると、なるほどこいつは長い戦いになるなとこぼした。

    サイファーの読み通り、俺たちの報告書との格闘は深夜まで続いた。
    途中デリバリーを取って簡単に夕食を済ませ、俺が時系列と文章をまとめて、サイファーが推敲するという作業が永遠と続けられた。
    途中でキレて投げ出すかと思ったサイファーも、結局最後まで根気よく付き合ってくれて(途中で多少の愚痴はあったが)、心から感謝した。
    前日からの任務もあって、精根尽き果てた俺は強烈な眠気に襲われてしまって、ベッドに腰掛けるサイファーもそのままにベッドにダウンしてしまった。

    ーー何かの気配を感じる。
    うつぶせで気持ちよく寝ていた俺は、ベッドの上を何かが動く気配にゆっくり意識を浮上させた。
    ベッドがキシッと控えめな音を立て、続いて探るように俺の名前が呼ばれたような気がする。
    襲いくる眠気と闘っていると、何かが俺の上に覆いかぶさってきた。
    首元に、控えめな呼気を感じる。
    俺は何が起こっているのかわからず、驚いて固まってしまった。
    何かは、俺の首元に何度も唇を寄せて深く息を吐いた。そうして、次の瞬間ゆっくりと腰を揺らしだしたのだ。
    辺りに衣擦れの音が響く。
    俺の尻のあたりに何かを押し付けるようなその動きに、俺の睡魔はすっかり吹っ飛んで、ただただ寝入ったふりで固まるしかない。
    「ゼル」
    その時小さく、俺の名前が呼ばれた。


    サイファーだ。


    俺がダウンしたことで、あの後サイファーは帰ったのだとばかり思っていたが、まさかまだ部屋に残っていたなんて。
    な、何してんだよサイファー!訳が分からず、俺の頭の中で必死に何が起こっているのかを考える。
    首元の呼気が弾んでゆく。心なしか動きも大きくなっているように思う。
    尻に押し付けられている部分にバックルと思われるものが当たって少し痛い。
    俺の体のあちこちを這っていたサイファーの手が、俺の背中の辺りで止まったかと思うと、カチャカチャと小さく金属音がして何かがシュッとという音とともに引き抜かれた。
    ベッドの下にゴトリと落ちたそれを薄眼で見ると、サイファーの付けていたベルトがそこにあった。
    それとともにチャックを下ろす音がして、少し衣服を寛げたのだろう、再び動きが再開されだした。
    尻に押し付けられる固く熱いものを、先ほどよりもはっきりと感じる。

    バックルじゃない。

    ゼルはその意味を悟って驚愕する。
    気持ちがいいのか、サイファーの鼻にかかったような息が耳を掠める。
    それが頭の芯まで響いてしまい、思わずビクッと反応してしまった。

    すると、俺が起きると踏んだのだろう。サイファーは名残惜しそうに体を起こして、そのままギシリとベッドを降りた。
    ベルトをつかんで立ち上がると、そのままなぜか動かずにじっとしている。
    視線を感じるから、きっとこちらを見ているのだろう。
    どうしようかと目を閉じてじっとしていると、ようやくサイファーは部屋を出て行った。

    俺は詰めていた息をふーっと吐いて、緊張を解いた。
    色々なことが起こりすぎて頭がいっぱいだ。
    俺は吹っ飛んでしまった眠気を取り戻せぬまま、悶々とした夜を過ごした。


    つづく


    ゼルにすりすりするサイファー激萌え…!
    それの意味が分からない、まだまだ子供なゼルもたまらなく萌える…!!あーゼル可愛い。
    もう一波乱ありますので、頑張ります!
  • 小話完成です!

    「なぁ、俺さっきまで誰からも見えなかったのに、急にあんたには見えるようになったんだ」
    そう言うと、こちらをじっと見つめるサイファーに続ける。
    「なんか…心当たりってないか?」

    言われたサイファーは少し考えるような仕草をして、そして何かに気付いたように
    ベッドサイドに無造作に置かれた小瓶を見る。
    すっと手に取ってラベルを見ると思わずといったように噴出した。

    そうしてこっちにその小瓶を渡す。
    「これだ」
    そう言って手渡された小瓶のラベルを見ると…

    《常態異常もばっちり回復!万能薬入り栄養剤》

    「!?」
    驚いてサイファーの方を見ると、いつものニヤリと笑った顔が張り付いていた。
    「テメェのドジには、マジで参ったぜ」
    そう言うと、再び俺を強く抱きしめた。


    ーーーーーーーーーーー

    「まぁまぁまぁ!ゼル!良かった!本当によかったわ!」
    キスティスがそう言って俺に抱き着いた。
    普段のキスティスならそんな大胆なことはしなかっただろう。その行動に相当心配していたことが
    伺えた。彼女の顔にも疲れが滲んでいて、自分が起こした事の大きさを改めて実感する。

    あれから、普段の調子を取り戻したサイファーと共に状況を整理し、司令官室に詰めっきりだったスコールに報告をしに来たのだ。
    サイファーによると、モンスターとの交戦中に突如俺が消えたらしい。止めを刺そうとした俺が、モンスターが断末魔のように放った光の後、文字通り目の前で消えたことで、班員たちは動揺したがなんとか体制を整えモンスター自体は討伐したそうだ。
    その後班員たちがいくら捜索して俺は見つからず、戦闘中行方不明者として報告された。
    当然、高ランクのSEEDが突如目の前で行方不明というのは不可解すぎた。
    そこで、モンスターの組織を持ち帰りすぐにエスタの機関に調査の依頼を出したそうだ。
    そうして捜索隊を組織して連日俺の捜索にあたらせていたらしい。
    サイファーははっきりとは認めなかったけど、俺を探しに行ってくれたんだろ?って聞いたら、
    そっぽを向いて『仕方ないから捜索隊の隊長を引き受けたんだ』との事だそうだ。

    俺の身に起こったことを司令官用の椅子に座っているスコールに報告すると、エスタからも特殊な魔法の痕跡があったと報告があったことを教えてくれた。
    餅は餅屋だと言ったスコールは、早速どこかに連絡を取りだした。
    何度かのコール音の後、スピーカーから聞きなれた声が聞こえた。
    「スコール、ゼルはどうなりましたか?」
    慈愛に満ちた美しい声。ママ先生だ。俺が行方不明だったことは既に連絡済だったようで、心配そうな声が辺りに響いた。
    「ママ先生、ゼルは無事発見されました。」
    落ち着いたスコールの声に、ママ先生から歓声が漏れた。
    それから少し現状を報告をして、スコールはゼルに交代した。
    「体が誰からも見れなくなって、声も伝えられない、足も無くなったみたいでふわふわ漂ってた」
    その言葉を聞いて、しばらく考えこんでいたようだったが、聞いたことがあるわと話し出す。
    「まだハインが分かれたばかりの時代に体を透明にする魔法があったはずよ。今は失われてしまったと思っていたけれど、まだ保有しているモンスターがいたなんて…。」
    そう言って、バニシュという魔法だと教えてくれた。
    ママ先生の見立てでは、バニシュとサイレス、そしてレビテトが同時にかかったのではないかとのことだった。
    物もうまくつかめなかったと付け加えると、キスティスが体が見えないせいで距離感がつかめず上手くいかなかったのではないかとの仮説を立ててくれた。(そういえばドアは触れた)
    それが、万能薬入りの栄養剤のおかげで状態異常が解除されて姿が見えるようになった、という事だった。
    キスティスから、どういう状況と手順で栄養剤を飲んだのかと報告を求められたけど、『栄養剤を飲んだサイファーと自分を認めてほしくて舌を絡めてました』とはとても言えず(っていうかあれって俺もしかしてサイファーとキス…しちまったんじゃねえの?!)、真っ赤になっていると、もう一方の当人から助け舟が出される。
    「こいつが持ち前の食い意地で俺の部屋にあったのを飲みやがったんだよ」
    そう言ってニヤッと笑って俺を小突いた。
    キスティスがもうゼルったら…と小さく笑う。
    サイファーのくせに、ちょっといい奴じゃんと俺もキスティスに合わせて小さく笑った。


    「凄く心配と迷惑かけた。ちゃんとわかってる。どんな処分でも受けるよ。」

    俺がそう言うと、スコールは見るからに疲れた顔を緩めて、俺の肩に手を当てた。
    「覚悟は受け取るが処分はない。ただ、報告書だけ上げてくれればいい。今回ゼルは被害者だ。ゆっくり休養を取るといい。学園長にも確認を取っておくから気にするな。」
    そう言って、無事で良かったと微笑みとともに(あのスコールが微笑んだんだぜ!)零した。
    「あとの処理はやっておくから」
    キスティスはそう続けると、報告書は2日以内に提出してね。と期限を付けることは忘れなかった。

    ーーーーーーーー

    しばらく自室での療養となった俺は、部屋まで送ると言ったサイファーに連れられて自室までたどり着いた。
    「今日はありがとな」
    そう言って扉に手を掛けると、思いのほか強い視線が俺に向けられた。
    「明日、飯の時間になったらまた来る」
    サイファーから注がれる強さに少したじろぐが、まだ心配してくれているんだろう。
    「分かった。じゃあまた明日な!」
    そう言ってサイファーに微笑むと、了解と言って踵を返していった。

    俺は、なぜだかわからないけど、その背中から目が離せなかった。


    おわり


    久しぶりに1本書ききりました!
    楽しかった~!FF6で出てくるバニシュを使って何か話を作りたいなぁと思ってできた話でした。サイファーはゼルがいきなりいなくなったら、絶対取り乱しまくると思うんですよね。気持ちの整理付けるのはあまりうまくない人だと思います。

    そして、この話はまだ続きます。ゼルがきちんと自分の気持ちに気付いてサイファーとお付き合いするまで頑張ります!
    また続き物としてここで連載していこうと思いますので、ご拝読いただけると嬉しいです~!
  • 小話さらにさらに続きです

    ぐるるるる。
    腹の音がする。
    俺はあまりの空腹にベットからガバリと起き上った。
    成仏するかと思いきや、現金なもので腹が減って目が覚めてしまった。
    幽霊って腹がすくのか…。
    意外な現実にショックを受けつつ、体を確認してみるも、やはり元には戻っていなかった。
    とりあえず腹ごしらえしよう。幽霊って意外と大変だなとボヤキながら、食堂に向かう途中で驚いた。
    あれから4日も経っている!
    食堂に掲示されている掲示板を見ると、俺が討伐に出かけた日から、すでに4日も経過していたのだ。
    そんなにも寝入っていた自分に驚愕しつつ、幽霊って意外と疲れるからなぁ、歩きにくいし…これから大変だと今後の幽霊人生に思いを馳せる。
    そうして食堂でなんとか食事をとると、(手で掴もうとしてもどうしてもすり抜けちまうから直接口で齧ってやった。口でなら干渉できるようだ。)満腹になると頭も回るのか、突如ひらめきが降りてくる。
    もしかして鏡に映るかも!少なくとも食べ物だけでもいけるかもしれない。
    そういえば昔見たキャスパーという映画ではそうだったと思いだし、俺は意気揚々と鏡へと向かう。
    心霊写真っぽく写ったらやだな、などと思いつつ試してみてが、やはりダメで、
    俺はまたも肩を落として鏡の前からそっと歩き出した。

    当てもなくとぼとぼと歩いていると、ガーデンの様子が見えてくる。
    久しぶりにガーデンからMIAが出たこともあって、皆の雰囲気は暗かった。
    知らず知らずのうちに皆の噂話もそっと聞こえてくる。話題は当然、俺のことだ。
    新種のモンスターに殺されたんだ、だとか、高ランクSEEDでも駄目なこともあるのかとか、色々だ。
    そんな中、一つの声が突如耳に入ってくる。
    「サイファーのやつ、大丈夫なのか。昨日見かけたけど、凄いことになってたぜ」
    「ああ、見てられないよな」
    二人のSEED達が、悲痛な面持ちで頷き合う。

    サイファーが…?
    一体何があったのだろうか。
    そういえば、指令室で見かけたサイファーの様子も少しおかしかったように思う。
    でもあのサイファーがなぜ?
    俺は思いがけない知らせに、知らず知らずのうちに、サイファーの部屋へとむかっていた。


    サイファーの部屋へとたどり着くと、中の様子がおかしい。
    破壊音と、打撃音。そうして時折、唸るような悔恨の音が混じる。
    そうして辺りには不穏な気配が漂っている。とても気軽に立ち入れるような状況ではなかった。

    いざ部屋の前まで来てみたものの、ドアの前で立ち竦んでしまう。
    サイファー、どうしたんだよ?あんたらしくもない…。
    その場で逡巡していると、通路の向こうから駆け足でこちらへ向かってくるセルフィが見えた。
    息を弾ませながら駆けてきたセルフィは、サイファーの部屋の前で速度を落とすと、息を整えるようにしばらく肩を上下させて、ドアに向かって「サイファー入るよ」と声を投げると、そのままドアを開いて中に入って行った。
    これはチャンスだ。
    俺は、一瞬息を詰めたものの、勇気を振り絞って、セルフィに続いて部屋の中に体を滑り込ませた。

    ーーーーーーー

    部屋の中は薄暗く、カーテンを閉め切っているようだった。
    物が散乱し、備え付けのチェストにもひびが入っているのが見える。
    鏡は真ん中辺りに円形の破壊痕があり、そこを中心に亀裂が入り、粉々に砕けて辺りに破片が飛び散っている。
    殴りつけたであろう中心には、赤いものがこびりついているのが見えた。


    サイファーは…ベッドに腰掛けて静かに俯いていた。

    入口近くに立っていたセルフィが、口から小さくサイファーの名前をこぼす。

    「…なぁ、何か食べなきゃ死んでまうよ?」
    続けた言葉に、サイファーは反応しない。

    「これ、持ってきたから飲んで、ね?」

    セルフィが、手に持っていたビニール袋から、小さな栄養ドリンクの小瓶をいくつか取り出した。
    そのままベッドサイドへと、どさりと置いて、小瓶をサイファーの前に差し出す。
    しかし、サイファーは俯いたまま何も聞こえていないかのように動かなかった。

    「このままじゃゼルを探しに行けへんやん!」

    セルフィの言葉が、しんと静まり返った部屋に響いた。
    その言葉に、サイファーがぴくりと反応する。

    「ゼルのために飲んで。」
    セルフィが、プシュッと音を立てて瓶のふたを開け、再びサイファーの前に差し出した。
    サイファーは俯いたまま眼前に出された小瓶を音もなく掴むと、顔を上げグイッと煽って中身を飲み干した。
    サイファーの口から、飲みきれなかった液体がこぼれる。
    そうして、持ち上げられた腕は小瓶とともに再び力なく下された。

    一部始終を見届けたセルフィは、踵を返して扉へと向かう。

    「うち、ゼルは絶対帰ってくるって信じてる。」

    力強くそう言って、セルフィはゆっくりと部屋を出て行った。

    サイファーは、しばらくすると静かに顔を上げて、セルフィの居なくなった扉をじっと見つめていた。
    閉まった扉を見る目の下には、真っ黒な隈が出来ていた。一体何日寝ていないのだろうかと、ゼルは胸を詰まらせる。
    よく見るとコートも靴も土埃と泥だらけで、どうしたらこんなに汚れるのかと全身に目をやって気づいた。サイファーの手の中で、俺が洞窟内で落とした、既に時を止めた時計が握られていることに。
    俺のこと、探しに行ってくれたのか?俺が呑気に寝こけてる間、何度も何度も…?
    思わず近づいて、胸に迫るものを感じる。
    暗いせいでよく分からないが、顔色が土気色だった。
    不気味なほど生気の無い顔に、無表情が張り付いている。

    どうして…

    どうしてこんな事になってしまったのだろうか。
    サイファーがどうして…?

    俺のせいなのか?なぁ、サイファー。
    そんなに俺のこと、心配してくれたのか?
    出かける前のあの文句も、全部俺の為だったのか?
    なあそうなのか?答えろよサイファー!

    分かってる。俺の声は、届かない。


    俺はそっと、サイファーの隣に腰掛けた。
    せめて、そばにいたかった。

    「…ゼル」
    サイファーが、小さな声で俺の名前を零した。
    目の前にいるのに、こんなに近くにいるのに、目線の合わないサイファーの瞳から静かに涙がこぼれた。

    自分がこんなに想われていたなんて知らなかったんだ。
    俺に構うのも、ずっと質の悪い冗談だとばかり思っていた。
    こんなに近くにいるのに、あんたの気持ちが痛いほど分かったのに、どうして俺はあんたに触れられないんだ。


    あんたに触れたい、俺はここにいるって伝えたい。


    もしかしたら…。

    正面に回って、サイファーの唇にそっと口を付けた。
    いける。食事が取れたことでもしやと思ったが、唇にサイファーの温度を感じる。
    ここに居るって伝えたくて、必死でサイファーの唇を食んだ。
    唇に感じる違和感に気付いたサイファーが、そっと口を開いて俺に応えだす。
    ぎこちない動きが、次第に馴染んでいく。近くにサイファーの熱い吐息を感じる。
    俺の吐息も感じてくれているんだろうか。ここに居るって感じてくれているんだろうか。
    ぬるりと口内に舌が侵入してきた。初めての感覚に驚いて、つむっていた目を更にぎゅっと強く閉じる。
    必死に口を合わせて、彼の舌を追いかける。ぬるりと舌が絡まって、くちゅりと水音が響く。
    そうして幾度も舌を合わせているその時、急に彼の動きが止まった。
    何が起こったのかと、口を離して恐る恐る目を開けると、サイファーが普段は鋭い目をこれでもかと大きく開けて、じっとこちらを見て固まっていた。まるで驚いているかのようだ。
    俺は突然のことにぽかんとして、同じようにサイファーを見つめるばかりだ。

    「お…まえ…」

    サイファーから、そういう音が聞こえたかと思うと、突然すごい勢いで体の自由が利かなくなった。
    何事かと驚いていた思考が戻ってきて理解する。体全体で抱きしめられていたのだ。

    「み、見えるのか?俺のこと?」

    俺の首筋に鼻先を擦り付けていたサイファーに、恐る恐る問いかける。

    「どこに行ってやがった」

    彼もまだ動揺しているのか、会話が噛み合わない。
    でも、見えている。

    「サイファー、なぁ、サイファー!苦しいって!」

    遠慮なくぎゅうぎゅうと締め付ける腕を叩いて、サイファーもこっちの世界に連れ戻そうと試みる。
    しばらく声を掛けていると、ようやく落ち着いたのか顔を上げた彼を見ることが出来た。

    「ごめん。心配かけて、ごめん。」

    まだ半信半疑の彼の眼を見て、確かにここに居ると訴える。
    「…死んだのかと」
    「俺もそう思った。でも、なんか生きてたみたいだ」

    そう言うと、サイファーの瞳が揺れた。
    「どこに行ってたんだ」
    「体は見えなかったし、声も届かなかったけど、意識があって、でも…」
    ここに居た。

    そう続けると、そうか。とぼつりと答えが返ってくる。
    だが、どうしてこちらに帰ってこれたのだろうか?



    もう少しだけ続きます。
    いいとこまで書ききりたかったので中途半端ですみません!

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    拍手押していただいた方ありがとうございます!
    とても励みになりました!



    でかい~様コメントありがとうございます!
    私も仕事が忙しかったり、生活が変わったりと、二人に萌えてはいるのですがなかなか形にできなくてもどかしい生活を送っております…!
    精進不足な小話ですが、楽しみにしていただけてとても嬉しいです。こうやってまだ二人を好きな方がいると思うと感無量です!
    暖かい言葉もいただきまして、お心遣い痛み入ります…。
    これからも更新していきたいと思っておりますので、またお時間の空いたときに見に来てやってください~!



  • 小話さらに続きです


    部屋に着くまでに何人かに同じように話しかけてみたが、結果は同じだった。
    誰一人、俺の存在に気付く奴はいなかった。
    そうしてようやくたどり着いた自分の部屋に、転がるように駆け込んだ。
    勢いよくベッドへと腰かけると、状況を整理しようと頭を抱えた。

    自身にも見えない体。
    誰一人として、俺の存在に気付くやつもいない。
    全ては、モンスターとの戦闘後だ。
    そうして、俺はホワイトアウトして…。

    考えないようにしていた事実に、バクバクと心臓が早鐘を打つ。

    震える手で、ベッドサイドデスクのマグカップを取ろうと試みる。
    朝方ココアを飲んで、そのままにしていたやつだ。
    ゆっくりと、見えない手をマグの方に近づける。
    そうして、取っての部分握る。
    が、掴もうとしたそのマグをすり抜けてしまい(手は見えないが感覚が無いので多分すり抜けたんだと思う)、持ち上げることは叶わなかった。

    そうして、ゼルの予感は確信に変わる。

    俺…死んだんだ。


    ーーーーーー


    もしその姿を見ることが出来る者がいたら、まさにがっくりと肩を落として、
    とぼとぼと表現できる歩調で、ゼルは指令室へと足を向けていた。
    自分の現状は分かった。
    肉体は失ったかもしれないが、少なくとも精神(魂というやつなのか?)は確かにここに存在している。
    これはあれか、地縛霊とか、未練を残した霊が徘徊するとかいうやつなのだろうか。
    そうならば、俺をこちら側に残した《未練》ってやつは一体何なんだろう。

    母さんのこと。ーー未練タラタラだ!一人にさせてしまう。
    仕事のこと。ーー俺の部隊は無事に帰還できたのだろうか?
    友人たちのこと。--みんなともっといっぱい話したかった。
    そうして、任務の行き掛けに衝突した、サイファーを思い出す。
    あいつも俺が死んだって聞いたら、悲しんでくれるかな?
    …無いな。
    いつもの口の端を釣り上げる嫌な笑みが頭に浮かぶ。
    なんかムカッとしてきたぞ…!
    サイファーへのいら立ちに歩みが早くなったのか、意外と早く指令室へとたどり着く。

    なんか、中がザワザワしてるな。
    外から伺うに、何人もが詰めかけてやり取りをしているようだ。せわしない足音と、時折叫ぶような怒号が聞こえる。
    そっとドアを開けると(ドアはなぜか触れたんだ)、指令室は予想通り騒然としていた。

    「すぐに別部隊を再編しなさい!」
    「班員への聞き取りはまだ終わらないのか!?」
    「今一度モンスターの情報を洗い出せ!」

    そうして驚きの言葉を耳にする。

    「ゼルの行方はまだ分からないのか!?」

    ハンマーで殴られたような衝撃だった。
    指令室は今、MIAとなった俺の捜索で騒然となっていたのだ。
    なんとかして俺が今ここに居ることを伝えたい。
    でも、伝える術がない。どうしようも、なかった。
    ただ俺は、皆が作業するのを、見ていることしか、できなかった。

    必死で新規部隊を編成して俺の捜索にあたらせようとしているキスティ。
    医務室へと連絡を取り、悔しそうに顔をゆがめながら現状の把握に努めるシュウ。
    普段はクールな声を張り上げて、情報班へとマイクで連絡を取るスコール。
    そして、悲痛な面持ちで声を張り上げる、サイファー。

    みんな…ごめん。
    ほんとごめん。

    ーーーーーーーー

    どのくらいそうしていただろう、俺は呆然としながら、再び元居た俺の部屋へと戻ってきた。
    残してしまった皆に申し訳なくて、ただただ辛くて、指令室にはいられなかった。
    ベッドへとダイブして、そっと目を閉じる。
    疲れた。
    色々なことがありすぎた。
    もしかして寝たら、このまま成仏してしまうかもしれない。
    それでもよかった。

    ゆっくりと眠気が襲い、俺はそのまま意識を手放した。
  • 小話続き

    ーーー

    辺りはしん・・・としていた。頭がくらくらして、失神していた事にすぐに気が付いた。
    辺りを見渡すと、討伐されたモンスターの死骸が向こうの方に転がっている。無事に任務は終わったのか。ほっとして、班員を呼ぼうと大声を出した時に気付いた。
    なぜか洞窟内で俺の声は一切反響しなかった。
    俺の声は俺自身にすら・・・聞こえなかったのだ。

    その時、携帯していた時計が目前に転がった。
    その時計を拾おうと腕を伸ばしたときに、おかしな事に気が付いた。
    腕がなかった。いや、腕だけではない。体が無いのだ。
    自分の体が見えない。地面が透けている。
    そんなバカなと思って自分の体を何度見回しても、そこに自分の肉体を見つけることはできなかったのだ。

    俺はどうなってしまったんだ。いや、本当は薄々分かっていた。
    でもまだ認めたくはなかった。現に俺の意識はここにある。
    他の班員の姿も見あたらない。
    ともかく、ガーデンに戻ろう。話はそれからだ。
    そうキリをつけると、俺はゆっくりと立ち上がった。


    拾いそびれた時計は、戦闘の中で破損したのか、ひび割れ、そして時を止めていた。


    ーーーーー

    俺は萎える心を奮い立たせてガーデンへとたどり着いた。
    ガーデンに戻る間に一つ気付いたことと言えば、俺の足はすっかり無くなってしまったらしいということだ。
    歩こうとすれば前には進むものの、地面を踏みしめているという感覚がまるでない。宙に浮いているか、水の中を進んでいるかといった具合だ。
    とにかく、自分の部屋に戻ろう。そして落ち着いて考えるんだ。
    俺の頭にあるのはそれだけだった。それ以外のことを考えようとすると、いけない結論に達してしまいそうだった。

    ガーデンに足を踏み入れると、生徒たちが少しざわついているようだった。
    俺は思い切ってなにがあったのかと、案内板のそばで友人と話している学生に話しかけてみた。
    しかし、学生は少しもこちらを見ることもなく、途絶えず友人と話し続けている。

    そのほか何人かにも話しかけてみたが、結果は同じだった。
    ーー俺のことが見えないのだ。

    続きます
  • 大変ご無沙汰しております…!

    大変ご無沙汰しております!いっつも言っている気がしますが・・・汗
    ずいぶん更新せずほったらかしにしておりました・・・。こんな辺境にまで来て下さる方もまだ居るのが大変ありがたいです・・・!
    更新停止中にも関わらず拍手して下さった方、メッセージ残して下さった方もありがとうございます。
    期間も空いてしまいましたので個別に返信は致しませんが、ありがたく拝見させていただきました。

    どうも生活環境がコロコロ変わる人生のようで、色々ありましたがとりあえずまた更新できそうです!相も変わらずサイゼル大好きなにょるです。

    というわけで、早速また小話でもと思いまして、暖めていた馴れ初めを書いていきたいと思います~!



    ーー知らなかったんだ。そんなにも俺を想ってくれてたなんて。


    最近の俺はいろんな事に振り回されっぱなしだ。
    ランクも上がってより厳しさを増してきたSEEDの仕事、スコールに任された任務外のガーデン委員、そして・・・事あるごとに俺に絡んでくるサイファーのやつにだ。
    仕事や委員は百歩譲って仕方がないと思う。現に俺以外のセルフィやキスティス、あのアーヴァインまでもがなにかしらの役を持っている。特にスコールなんてそこに指揮官の仕事まで持ってるんだ。多少忙しいのは仕方がないし、みんなの役に立ちたいとも思うから、納得はしている。
    でもサイファーは理解できない。
    以前から俺に突っかかってくる奴だったけど(相手にすらされてないときもあったけど)、最近のサイファーは姿を見かける度に俺のところに来るようになった。
    多分、結構前に一緒に任務に出て、帰ってきてからのような気がする。
    あの時はあの嫌なヤツだったはずのサイファーが、結構しっかり任務もこなして、俺とも結構会話が弾んだりして、実は俺は結構楽しかったりしたんだ。
    でも、サイファーは違ったのか、あれ以来俺のところに来てはいちゃもん付けたり、食事中に乱入して来たり、仕事前に部屋に来てはなんだかんだと居座ったり、やりたい放題だった。
    今日も任務に出る俺を見つけたサイファーは、俺の装備を見るなり、軽装過ぎねぇかだとか、あれは持ったのかだとか文句タラタラだった。
    そんなサイファーを振り切って任務に出てきた俺は、引き連れた班員とともに敵と交戦していた。
    今回の任務は、試練の洞窟内に見たこともないモンスターが出るとの報告があり、その調査および討伐に出向いたのだ。
    報告の通り、確かにそこにモンスターは存在した。
    見たことの無い種類のモンスターで、交戦は慎重に行われた。すべて順調にいっていたはずだった。
    だが、最後に俺が止めを刺そうとそいつに接近した時にそれは起こった。
    急に体が軽くなったかと思うと、目の前が光ったような気がして、(あるいは目がくらんだのか)そうして、俺はそこで記憶を手放したのだ。

    ここまでが、俺の覚えていた全てだ。
    そうして目を覚ました俺は、しばらく失神していた事に気付いた。しかし、次にもっと恐ろしいことに気付いてしまう。
    おれ、死んだのか・・・?

    つづきます




  • 半年以上っ…!

    ご無沙汰しております汗!
    時のたつのは早いもので気が付けば半年以上過ぎてました汗
    それでも結局、ふとした時にはサイファーとゼルのことを考えているあたり、サイゼルが好きなんですよね~。
    それと同時に、前回の記事でも書きましたが、FF15の発売が迫ってきていますね!相変わらず金髪やんちゃ少年(青年?)のプロンプト君に目が釘付けです笑 同じパーティメンバーである兄貴分のグラディオとのカップリングに目覚めるだろうなぁとプレイ前からわくわくしております!

    久しぶりに作品書きたい欲求がまた出てきているので、もうじき引越しなんですが、落ち着いたらまた小話でも書き出したいなぁ…。ネタはたくさんあるので、またなれ初めでも書きたい…。なれ初めマニアなんですよ笑

    上記のようにふとした時に二人のことを考えると、どうも顔がにやけるみたいで、職場で「にょるさん顔がにやけてる…こわい…」とか普通に言われるレベルになりつつあります笑 気をつけねば…。

    あーゼルかわいいなぁ…。サイファーといちゃいちゃさせたい…。
  • 大変ご無沙汰しております…!

    こんにちはー!ご無沙汰しております。サイトの方を一年も放置してしまいました・・・。ブログにいたってはさらに長い放置になってしまいましした。一度私生活が忙しくなって更新が落ちると、リズムが崩れて更新する週間が無くなってしまうのが痛いです。
    サイゼルはもちろん今も大好きですし、一生好きなCPなので、サイトをやめるということはありません。
    ひっさしぶりに自分の書いた漫画とか読み直したんですが、昔見えなかったような粗が凄く見えてお恥ずかしいと共に、それが分かるようになったという事は自分も成長しているかも・・・?とほのかに期待しています笑
    さて、近状と致しましては、FF15の詳細がもうすぐ発表されますね!3月末とのことで、とても楽しみにしています!ゼル好きの管理人としましては、金髪で明るい性格らしいプロンプト君がとっても気になっております!FF7もリメイクが発表されていますし、8も期待という感じですね!
    任天堂がUSJにエリアを作る話も最近出ていますが、ゲームだけで勝負するのは限界があるから、コラボするということみたいですね。私も同じ考えですね~!これから、この考えがどんどんスタンダードになると思います。つまり、
    FFのワールドも作ってくださいスク工ニ様!!!!!

    またブログからちょこちょこ更新再開したいと思ってます。
    またよければ見に来てやってくださいませ~!
  • ラッシュパンチくらいは頑張ります

    こんにちは!ご無沙汰しています。
    仕事も落ち着いて、通常のGWを過ごせそうでとても楽しみです!
    更新も徐々に上げていけれればと思います。

    最近、といってももう半年くらいになりますが、ゼルの影響で、キックボクシングを習い始めたんですよ!
    やはりゼルを語る上で格闘は切り離せないので、一度体験してみたいとずっと思っていたので、こういう感じで練習してるのかな、と想像しながらミット打ちやサンドバッグを叩いています笑 ゼルの部屋にもサンドバッグありましたよね笑
    格闘技は初めてなんですが、これが面白くて結構夢中で練習しています。
    やってみると、3分打ち続けるだけでもかなり体力が必要で、ゼルの凄さを実感します。
    ジムには選手希望の練習生みたいな方が沢山いるんですが、ガチスパーリングみたいのをしていて、感心しながら見入ってしまいます。パンチやキックが体重乗っててめちゃくちゃ上手いんですよ!(選手志望なので当たり前ですが)
    あんなふうに戦うのかーとちょっと違う目で見てしまいます笑
    サンドバッグとかも凄い音させながら蹴ってるので、格闘家の力は本当に凄いんだなぁと実感しております。私ももっと上達すべく!しばらく頑張ってみようと思います笑


    というわけで早速前回の続きです。



    最近あの少年を見なくなったのに気付いたのは、新しい月になり、店のカレンダーを捲った時だった。そういえばもう1ヶ月も見ていない気がする。SeeDだと言っていたから仕事で遠方に行っている可能性もあるが、学園長の意向により、最近のSeeDはあまり長期の任務は無いという噂だ。
    妙に騒がしい少年だったから、顔を見ないと何か寂しいような気持ちがこみ上げる。
    体を壊していなければいいんだが…。そう物思いに耽っていた時、レジのカウンターに一人の男が姿を現した。
    とっさに気持ちを仕事に戻し、いらっしゃいませとあいさつをしてレジ台の上を見ると、レトルトのお粥や野菜のスープ、ポカリスエットなどが大量に置かれている。
    どう見ても20歳は越えている体格のいい男が、そんな食料で足りるのかと余計な思考がよぎった。
    「ああ、それと化膿止めもだ。熱冷ましもよこせ」
    健康そうな青年の様子を見るに、誰か他の人間のものを買いに来たのかと一人納得した。おそらく具合の悪い彼女か、友人、家族の看病をするのだろう。
    そのまま商品を用意し、会計をすすめていると、青年は何か思いついたような顔をすると、その場を離れた後、新しく一つ商品をカウンターに差し出した。どうやら追加で購入したいらしい。
    ありがとうございますと一言添えて、商品を見ると、そこにはマスタードたっぷりのホットドッグが置かれていた。
    一瞬思考が停止し、その後、まさかという気持ちが走り抜ける。
    このパンを買うのは彼しかいない。
    とっさに目の前の青年に目を向ける。長身に眩しい金髪が映える、精悍な青年だ。傲慢そうな表情を貼り付けた顔には、斜めに傷が走っている。
    「あと、45番くれ」
    目の前の男が後ろの棚を顎でしゃくってみせる。

    私は察してしまった。そういうことだったのだ。

    分かってしまうと、全ての辻褄が合った。
    これは確かに気苦労が多そうだと少年に軽く同情しながら、後ろの棚からタバコを取った。
    そのまま会計を済ますと、青年は急いでいるのか、早足で店から出ようと歩いていく。
    私は目の端にはいったソレをとっさに一つ掴むと、お待ち下さいと青年を呼び止めた。
    青年は不機嫌そうに眉間の皺を深くし、こちらを不審そうに見ている。
    急いで青年に近づくと、彼に栄養ドリンクを手渡した。
    片手に栄養ドリンクとこちらを何度か見比べた後、これは何だとばかりにこちらへと視線を投げられた。
    「おまけでお付けします。お大事にするよう伝えてください」
    そう言って、最後に営業用のスマイルを付け加えた。
    「……いいのか?」
    青年は少しの沈黙の後、こちらが理解したことに気付いたのか、纏っていた厳しい雰囲気を和らげた。
    「いつも贔屓にして頂いておりますから」
    そう言うと、青年は悪いなと言って口の端を上げて笑い、再び早足で店を出て行った。
    そうして私は店の挨拶と共に青年を見送った。
    直接会ったことで、少年が言っていた意味が理解できた気がする。
    今度また傷が癒えてここに買い物にきたら、彼に違うアドバイスができそうだ。

    私の中で、彼は悪い人ではないという場所にカテゴライズされたのだった。

    終わり




    拍手押して下さった方ありがとうございます!とても励みになります!
    更新も再開していきたいと思います!また遊びにきてやってくださいね!
  • 暑かったですね~!

    こんばんは!
    ずいぶんと暖かくなってまいりましたね!今日なんかは外で半袖の方もいて、すっかり春なんだなぁとほんわかしてしまいました。
    桜も満開で、風に飛ばされて桜吹雪のようになっていてとても美しかったです。
    よくBLの世界で受けの子が、桜吹雪の桜に攫われるというような表現をされたりするらしいですが、そう言いたくなる気持ちも分かるような気がします。
    ゼルだったら桜相手にラッシュパンチ仕掛けそうですけどね笑

    なんかほんわかしたようなサイゼル話いいなぁと思いまして少し小話なんかを考えてみました!
    第三者目線(名前の無いオリキャラ)のものです。



    「いらっしゃいませー」

    入口の自動ドアが開く音を確認すると、私は無意識に訓練されている言葉を口に出し、そのままそちらに目を向けた。
    金の前髪を勢い良く立ち上げた、顔に刺青のある少年がどこか不機嫌そうに店内に入ってくるのが見える。
    こんな夜遅くにとも思うが、実はこれが初めてではないということも知っていた。
    このコンビニで勤務しだしてから半年くらいになるが、何度かこのような遅い時間に買いものに来ているのを見かけた事があるのだ。
    レジ周りの掃除をしながら、それとなく入ってきた少年の様子を伺う。
    見た目は15、6歳といったところだろう。私より少し下くらいに見えた。
    少年は何かが不満なのか、ブツブツと文句を言いながらレジの前まで来ると、マスタードたっぷりのホットドッグ(あまりの辛さに買うのは彼以外にいない商品だ)をカウンターに置いた後、私の背後を少し眺め、45番のタバコ下さい。と言い放ったのだ。
    私はその意外さに少し虚を付かれたように固まってしまった。
    が、すぐに思い直すと、目の前の不満そうな少年に、これは大人にしか売れない商品であることを説明した。
    すると。だから言ったのに!くそっ!っとその誰かへの不満を露にしたが、どうしてもそのタバコが欲しいのであろう、そこをなんとか!と両手を顔の前で合わせてこちらを伺うように見詰めてきたのだ。
    正直、そこまで法律に従う意思のない私は、その彼のユーモラスな様子に思わず笑ってしまった。
    そして彼は、最近では彼専用商品になりつつあるホットドッグと、目的のタバコを無事持ち帰ることに成功したのだった。

    そうする内に、私の勤務シフト内に何度も例の少年と出会うと、レジの際の短い時間ではあるが、個人的な雑談をするような仲になっていった。
    時には仕事のこと(なんと彼はあのSEEDなんだそうだ)、食事のこと(体重を気にしているらしい)、そして恋人のことも。

    彼の話を統合するに、彼には同居している恋人が居るようで、それがまた傲慢な人で普段から迷惑を被っていて参っているのだそうだ。
    確かにあまり女性との経験があるようには見えない(悪意は無い)ので、そんなワガママな女性につかまってしまったということに単純に納得してしまった。
    物を買いに行かせるのは当たり前、頭にくれば物にも人にも当り散らす、自分のルールが最優先…。彼の口からは、その都度被った被害と共にため息が漏れていた。
    時折夜中に買い物に来ていた理由に合点がいったのもこの時だった。
    あー戻りたくねーあいつ絶対まだ怒り狂ってるし…。そう言いながらも、レジを終えた少年はトボトボと岐路に着くのだった。

    ある時その様子に溜まりかねて、分かれてみたらどうかとアドバイスしてみた。
    彼のような人懐っこさは万人に好かれるものであろうし、少なくとも私は彼に対して不快な思いは持っていない。彼ならば、他に素敵な恋人が見付かる可能性も少なくない筈だ。

    そう思って思わず口から出てしまったのだが、その言葉を聞いた少年はんーー…となんとも言えない表情をすると、我侭なとこもアイツらしさの一つだからさ。と許容する姿勢を見せたのだ。頭にくることも多いけど、最終的には悪い人ではない、というところにカテゴライズされているのだそうだ。
    私は正直、理解ができなかった。そのまま彼のレジを打ち終わると、あのカップ高かったのによーと言いながら遠ざかる少年の背中を見送った。


    続きます



    シュールなギャグ~のコメントくださった方ありがとうございます!
    お返事大変遅くなりまして申し訳ございません。
    うちのスコールは完全にギャグ専門と化しています笑
    楽しんでいただけたようで何よりです!更新なんとか頑張りますね!
    コメントありがとうございました!
  • サーバーが復帰したようです。

    TOPにも少し書きましたが、一時ブログのサーバーが落ちていたようで、うまくこちらに繋がりませんでした。
    あまり障害の無いものだとばかり思っていましたが、たまにはこういうこともあるということですね。
    ログを全くとっていなかったので、本当にヒヤッとしました…。復帰して頂いて良かったです…!
    というわけで急遽ログを取得しに入りまして、他の大手ブログ様へ移行しようかと思っているんですが、こちらのブログは無駄なものが無くてとても使いやすいので、とても気に入っておりまして、どうしたものかと思案中でございます。
    かろうじて画像とURLが入れれるくらいの機能なのですが、めんどくさがりの自分にはこのくらいで十分なんですよね。
    ただ管理者様のほうのブログもずいぶん昔にストップしているような状況なのでどうなるかわかりません。
    また、ログをエクスポートできないタイプのブログなので、移行したところで以前のログをどうしようかという問題もあるんですよね…。
    とりあえずは現状のままこのブログをお借りして、定期的にログをとりつつ、引越し先も整えておいて、サーバーダウンが頻発するようでしたらお引越しということにさせて頂くと思います。


    という訳で以下は前日に急遽避難所にUPした内容になります。



    お久しぶりです!仕事が繁忙期に入ってしまったため、なかなか更新ができておりませんでした。3日も風呂に入れなかったのは久しぶりです。
    ゼルの誕生日にすら間に合わなかった…汗 ゼルごめんよ…。もう少ししたら思いっきり甘やかしてやるよ…!というサイファーのような台詞でサイゼルを脳内でイチャイチャさせてしまうのはやめられません!
    近状としましては、またしてもUSJにワンピース目当てで行って来たりしておりました。エースかっこよかった…。
    そしてサンジのサラ毛やばかったです…。サラサラすぎました…!
    そして思ったことと言えば、ゼルも髪を下ろすとあのぐらいの長さになるのかなぁということです!
    野村さんの絵を見るに、結構長いんですよね!
    私の描くゼルは割りと髪が長めになってしまうのですが、一度、ゼルが髪を下ろしたらどのくらいの長さになるのかというのを検証してみるのもおもしろそうですね!
    ちょっと検討してみたいと思います!

    また、全然関係ない話に飛びますが、つい先日、日本でゼルのように顔にタトゥーが入っている人をお見かけしたのですが、やっぱりインパクトありますね。
    しかもゼルのように左側の目の周り、おでこから頬のラインへ入るように彫ってあったので感動ひとしおでした。
    日本人の方でしたが、凄く様になっていましたね。そして強そうでした笑
    ゼルが憧れてしまう理由がわかりますね。もちろんそこで入れてしまうのがゼルらしいという感じですね笑!
    ゼルの体にほかにもタトゥが入っているのを想像すると止まりません笑


    拍手ありがとうございます!ほとんど動いておらずすみません!
    励みになります!



    コメント下さった方もありがとうございます!
    申し訳ありません、お返事次にさせていただきます!!


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  • FFバーの登場に期待!

    こんにちは、ご無沙汰しています。
    段々と仕事が忙しくなってきて、ひーひーいっております。

    巷ではPS4が発売されて騒がれていますね!FF15がめちゃくちゃ
    気になっているので、PS4が欲しくて仕方が無いです…!
    まだ発売日も未定ですが、ソフトが発売されたら買ってしまう気がします!
    FF8もPC版発売が前年に発表されましたが、今冬発売のはずが
    なかなか発売日がわかりませんね…。
    追加ストーリーなどは無いそうですが、それでも心待ちに
    してしまうのがファンというものですよね。

    FFシアトリズム2の方でも、続々とキャラクターが追加されていますね。
    ゼルが追加されないかとソワソワすると共に、サイファー外されないかとビクビクしています笑

    近状としては、ジョジョを教えてくれた友達と初めてジョジョバーへ行ってきましたー!
    ああいうコンセプトバーに行ったのは初めてなんですが、凄く楽しかったです!!スタンドの名前でドリンク注文するので、高らかにシルバーチャリオッツ!と唱えてきました笑 劇中にでてくるサラダやパスタも注文して大満足でした!
    実は家でサラダは自作してみたことがあるんですが、それともまた味が違って面白かったです。
    マスターも凄くジョジョに詳しくて、色んな映像やDVDまで見せていただいて貴重な体験でした…!
    FFも東京にスク工ニカフェがあるんですよね。残念ながらまだ行ったことは無いので、一度行ってみたいと思っているのですがなかなか機会に恵まれていません…。
    スク工ニカフェは、ポーションやシヴァなどの全体に共通するドリンクはありますが、各シリーズを中心にしたものというのはないんですねー。
    そこでFFバーとかも調べてみたんですが、案外ないんですね~。
    ジョジョバーは検索すると結構出てくるのですが、(名古屋だけで2件+カフェ1件あります)
    FFバーなんかがあったら是非行ってみたいですねー!カクテルの名前がキャラクターの名前だったりするんですよねきっと!
    ゼル=ディンお願いします!といって注文すると、付け合せのパンと一緒にノンアルコールのカクテルが出てくるんだなきっと笑

    FF好きさん達と語り合えるのは本当に素敵ですね!

    FF6も渋谷で広告ジャックしたようですし、FF8も是非っ!
    スク工二様っ!!!




    拍手押して下さった方ありがとうございます!!
    とっても嬉しいです!頑張りますっ!!
  • 小説とりあえず完結ですー!

    「お、まえ…」

    人影の無い静かな寮の廊下に、サイファーの口から零れた小さな音が響き渡った。
    ドアを開けた自分の目の前に立つ、ゼルをまじまじと見詰める。

    「よう」

    目の前の焦がれる人物の口から、予想外に明るい声が発せられた。
    数日前のアーヴァイン反応からして、しばらくは会えないと思っていただけに、その衝撃は凄まじかった。
    次の瞬間、その小柄な体を抱きしめていた。
    そのまま自身の部屋へと引きずり込んだ。

    「おいっ、サイファー!苦しいって!」
    突然きつく抱きしめられたゼルは、サイファーの胸を叩きながら抗議の声をあげた。
    サイファーは腕の中の抗議に少し力を緩めたものの、ゼルの背中に腕を回したまま、その身を自由にはしなかった。
    「なぜここに来た」
    ゼルの顔を見詰められないまま、サイファーは最も疑問に思っていたことを口にした。
    ゼルは一呼吸すると、サイファーへとしっかりと顔を向けて言い放った。
    「あんたとちゃんと話したいと思って」
    ゼルの迷いの無い言葉に、サイファーはゴクリと唾を飲み込んだ。
    自分のしたことは分かっているし、後悔もない。そしてゼルから次に言われる台詞は分かっている。
    もう俺の前に現れるな、だ。
    もちろん従うつもりなど毛頭ないが、全くダメージが無い訳でもない。
    サイファーは次に来る台詞を身構えた。

    「嫌じゃなかった」

    ……

    「は?」
    サイファーは再びぽかんとしたように口から音をこぼした。
    「だから、嫌じゃなかったんだって!」

    ゼルの叫ぶような言い方にわれに返ったサイファーは、いつもより早口でゼルへと食って掛かる。ジワリと汗がにじんで、動悸が高鳴っていくのが自分でもわかった。
    「てめぇ俺を責めないのかよ」
    「いや、最初は何考えてんだって思ったんだけどよ…」
    「本気で抵抗できなかった俺も悪いし…」
    そう言うと、ゼルは頬を染めながら声を落とす。
    「そ、その…痛くなかったし…」

    「あんたのこと本当に嫌いなわけじゃないし」

    「くそっ」
    そこまで聞いたサイファーは、ゼルの台詞が終わらないうちにゼルに回していた腕を再びきつく締め付けた。
    ゼルは突然の抱擁にくぐもった声を漏らしていたが、耳元でささやかれだしたサイファーの声に抵抗をやめた。

    「そりゃぁ…俺のことが好きって事だろうが」

    ゼルが言われた事にビクリと反応を返した。
    指摘されて初めてその事に気付いたといった風で、サイファーはくぐもった笑いを零した。

    「まぁ体の相性はばっちりってのは分かったんだ」
    そう笑って言うサイファーに、ゼルは何言ってんだとサイファーの腕の中で抗議の声をあげた。
    そのゼルの抵抗を受け流しながら、サイファーはゼルをどこか懐かしそうな瞳で見て続ける。

    「おまえ俺と付き合えよ」

    そうしてサイファーはまだごちゃごちゃと文句を言っているゼルの肩口に顔をうずめる。
    はじめてみようぜ。
    ゼルに埋めているせいで篭ってしまった声で、サイファーはゼルにそう告げた。
    ゼルの体温が一気に上がるのを感じながら、サイファーはしばらくその温度を楽しもうとおもうのだった。


    おわり


    拍手押して下さった方有難うございます!とっても嬉しいです!!



    コメント下さった方ありがとうございます!
    お返事が遅くなってしまい申し訳ありません!





    1/30小説の続き気になります~の方コメント有難うございます!
    ようやく完結しましたー!!色々やりたいこと詰め込んで書けて、とても楽しかったです!インフルエンザはほんと怖いです汗 最近は大雪でとても冷えますし、インフルだけでなくノロも流行っていますので、どうぞお気をつけてくださいね!
    コメントありがとうございましたー!




    1/31完結おつかれさまです~の方コメント有難うございます!
    なんとかゼルを幸せにしてやろうと画策しておりました笑
    やっぱりアデルは男にしか見えないですよね!私だけでなくて良かったです笑 ゼル=魔女説は、ゼルが超級武神覇拳で高速で攻撃し続けるが為に、時間が異常に長くなってしまっているのを、あれが噂の時間圧縮ではないかという考え方をするギャグ説です笑
    撮影のゼルはヒィヒィ言いながら描いたものですから、気に入っていただけたようでとても嬉しいです!
    コメントありがとうございましたー!





    kbcy様コメント有難うございます!
    ようやく完結致しました!有難うございます!
    いつも応援していただけて、モチベーションが本当に高まります!
    結末から考えたお話だったので、何年後~という発想はありませんでした!またどこかで違うお話でそういったものも描けるといいなぁと思います。この結末もお気に召していただけたようで、ホッとすると共に描いてよかったとジワジワ喜びがせりあがってきます。
    私もセルフィが絡むのが大好きなので、すぐにセルフィを出すとこがないかとプロットを練り直したりします笑
    是非是非セルフィががっつり絡んでくるお話も描きたいですね!そう言って頂けて、本当に嬉しいです!また次の作品も頑張りますね!
    コメントありがとうございましたー!

  • 小説続き再びですー!

    ゼルの意思を持った強い口調に、アーヴァインは思わず疑問の声を挙げようとした口を塞ぐ。
    「最初は何がなんだかわからなかった…」
    「何でサイファーが、急に、あ、あんなことしたのかとか…」
    俯きながらもとつとつとゼルが話し出す。
    「すげえ、怖かった。どうやって逃げようか、ずっと考えてた」
    「でもよ…あいつの声を聞いたら、流されてもいいって思ったんだ」
    それは、アーヴァインへの相談と共に、口に出すことで自分の気持ちを徐々に整理しているようにも見えた。
    「…嫌じゃなかった」
    「いつもはすげぇ嫌な奴なのに、なんか妙に優しくて。最近俺と言い合いしてる時に、時折切なそうな顔するサイファーを思い出したら、抵抗する気が失せちまった」
    「……アイツを受け入れてもいいって、思ったんだ」

    「変だよな、俺。どうしちまったんだろ…」
    そう言って、ゼルは手を前髪に差し入れて、困ったように苦笑した。

    「それは…ゼル…」

    その表情に、察しのいいアーヴァインは気付いてしまう。
    ゼルもまた、サイファーに惹かれ始めていたのだ。

    「でも、とんでもない事したって、終わった後気付いて、凄く混乱しちまって、気がついたらアーヴァインのとこに来てたんだ」
    「ほんと、迷惑だったよな…。ごめんな」
    そう言って、ようやくゼルはアーヴァインの方を向いて微笑んだ。

    ゼルはまだ自身の気持ちに気付いていないのだろう。
    それもそうだ。普段のサイファーの態度はあまりにも頑な過ぎた。
    それに加え、今回の急な接近と来ている。
    順序を踏んで近づけない幼馴染達の不器用さに、アーヴァインは苦い思いをかみ締める。
    サイファーもサイファーだ。あんなにあからさまにゼルにちょっかいを掛けていたのだ。
    特に最近のサイファーときたらゼルにベッタリだった。
    当然周りには彼の気持ちなど筒抜けだ。にも関わらず、ゼルにはさっぱりの有様だった。
    いわゆる、見てはいられないという奴だ。

    例えゼルが許していたとしてもサイファーのした事は許せないし、これからも許すつもりはない。でも、ゼルのことが大切な自分もいるのも事実だ。
    少しは手助けしてやるのもいいかもしれない。サイファーの為ではなく、ゼルの為に。


    「ゼルはサイファーとすんごく仲悪いよね。もう見てて最悪なくらい」
    「え、そんな風に見えるのか?そ、そんなには悪くないだろ?」
    ゼルが戸惑ったように、急いで口を挟む。
    「違うの?」
    「いや、そりゃ良くは無いと思うけど、結構同じ事考えてる時もあるし…時々笑ったりするし…」
    そう言って、手を口元に当てながら、今までのサイファーとのやり取りを思い出しているようだ。
    「ねぇゼル、今僕にサイファーと仲悪いって言われてどう思った?」
    「え?ど、どうって…」
    「嫌じゃなかった?」
    「あー…。ちょっと…嫌かも。」
    「だね。それ、何でなのか、考えてみて?」
    アーヴァインはそう言うと、ゼルとは反対の窓のほうを向いて再び言葉をつむぎ始める。
    窓の外には、豊かな緑と、遠くの地平線に青々とした海が見える。
    美しい、バラムの土地だ。彼らの、もうひとつの故郷。

    「サイファーはさ、時々ゼルのこと、凄く懐かしそうに見てる事あるんだよ」
    「懐かしそうに?毎日会ってるぜ?」
    ゼルが不思議そうにアーヴァインを見詰める。
    「そうだね。でも、きっと大切だったものを思い出してるんだと思う」
    「なんで、そんな事が分かるんだ?」

    アーヴァインは目を細めながら彼女に思いを馳せる。
    「僕もそうだからね」




    「俺、サイファーに会ってみる」
    しばらくの沈黙を破って、ゼルがそう発した。
    そうしないと、何も始まらないだろ?それに俺、考えんの苦手だしよ!
    そう言って、ゼルはいつもの様に八重歯を見せながら笑った。
    その歯切れのいい言葉に、既に自分の気持ちとの決着はつけた様だ。

    「ゼルは強いね」
    彼の芯の強さに、心の底からの尊敬を込める。

    「へへっ、ったりまえだろ?これでも格闘クラスでは結構やる方なんだぜ?」
    「…そういう意味じゃないんだけど」
    得意そうに拳を作ってみせるゼルに、やっぱりどこか抜けているこの大切な友人を今しばらくは見守らなければならないかもしれないと、アーヴァインは気持ちを新たにするのだった。


    取り急ぎここまでで失礼しますー!
    もう少し続きます!

  • 小説続きですー!

    「断る。絶対に許せない。」

    アーヴァインは強い口調でそう言い放った。
    同時に冷たい視線が相手に突き刺さる。
    「いいからゼルに会わせろ!」
    視線を真正面から受けたサイファーも、一向に引く気はないようで、なお一層口調を強くし食い掛かってくる。
    時折通りかかる学生寮を歩く学生達が、高ランクSeeDである2人の只ならぬ雰囲気に、彼らの言い合うドアの近くを迂回して早足で歩いていく。
    アーヴァインは、自分に向けられるこの強い視線が、一昨日ゼルを辱めたのだと思うと自分の事のように悔しさが感じられた。あの時のゼルの様子を思い出して、とても許せるものではないと改めて心に誓いなおした。


    一昨日の夜遅くに、彼の部屋に訪問を告げるチャイムが一度だけ静かに鳴り響いた。
    既に睡眠に入りかけていたアーヴァインはその控えめな音に、聞こえなかった事にして睡眠に体をゆだねようとした。
    だがドアの外にひっそりとたたずむ不振な気配を感じて、その体をゆっくりとベッドから起こしたのだ。

    「アーヴァイン」

    そこには、塗れたタオルを握り締め、滴る水を拭いもせず、ただただ俯くゼルがいた。

    一気にその眠気から覚醒した。
    「ゼル!?こんな時間に…どうしたのそのかっこ!?びしょ濡れじゃないか!」
    驚きのあまりとっさに肩を掴むと、ゼルがビクリと反応して顔を上げる。
    「アーヴァイン…!俺っ…!」
    ゼルはそれだけを口にして、それより後の言葉は続かなかった。
    再び俯いてしまったゼルの足元に、伝い落ちた水が溜り、静かに広がっていく。
    以降は、アーヴァインが何を聞いても硬く口を閉ざし、首を振るだけで応えようとはしなかった。
    夜中で有ることが幸いし、辺りには誰もいなかったが、いつ誰かに見付かるかも分からない。こんな不安定なゼルを、このままにしておく事などできようもなかった。
    「ともかく早く入って!体を拭こう…!」
    微かに震えるゼルをしっかりと支え、アーヴァインは自室にゼルを招き入れた。
    そうしてその首元に、激しい鬱血を発見してしまう。

    夜更け。
    全裸。
    大雨に降られたかのようなずぶ濡れの有様。
    ゼルの挙動不審。
    そして首筋の鬱血。



    「ゼルに何したか言ってみなよ」

    怒りを必死に抑えようとする静かな声がアーヴァインから発せられる。
    「レイプしたんでしょ?」
    それはサイファーに向けて、はっきりと言い放たれた。
    向けられた方は、いつもより眉間にしわを深く寄せる。
    「格闘家のSeeDを押さえ込めるのなんて君くらいだ」
    「最近、やたらゼルにちょっかい掛けてたし、ゼルを探しに来た事でピンときたよ」
    一節一節をかみ締めるように、アーヴァインが言葉を刻む。
    「ゼル、誰ともつきあってないのに首にキスマークがあっておかしいと思ったんだ」
    「翌日の微熱と、お腹の調子が悪かった事で確信したよ。君だろ?」
    それまで静かに話を聴いていたサイファーが、それを肯定するように口を開いた。
    「テメェには関係ねえ」
    「いいや、あるね。少なくとも僕の部屋に駆け込んでくれるくらいには友人やってるんでね。見ぬ振りはできないよ」
    少しの時間も置かずに即答し、サイファーに詰め寄る。
    目と鼻の先に詰め寄られたサイファーは一瞬苦虫を噛み潰したような顔をしたが、それでもまだ諦められないのか自分の主張を通そうとアーヴァインを睨み返した。
    「いいからゼルに会わせろ」
    「断る。ゼルが落ち着くまでは絶対に会わせられない。ゼルの友人としては永遠に会って欲しくないけどね」
    最後に一つ皮肉を付けて、そうして最終通告が放たれる。
    「いつまでここに居てくれても結構。でも僕は絶対に譲らないよ」
    普段の優柔不断さを一切見せないその姿勢に、サイファーも渋々折れるしかなかった。
    「テメェ…覚えてろよ」
    そういい残して、サイファーは廊下の奥へと消えていった。


    熾烈なプレシャー合戦を制し、ようやく部屋に戻ったアーヴァインに、明るい声が掛けられた。
    「誰か来てたのか?」
    ゼルが、ベッドから体を起こしてこちらを見ているのが分かった。
    「ん?ああ、起こしちゃった?クリーニングの配達の人がね、荷物明日になるってさ、それより体は大丈夫?」
    何事も無かったかのように話を反らしてサイファーの存在を伏せる。当然のようにゼルは一向に気付かない。そういう少し素直すぎる所が彼の長所でもあり、友人として心配でも有るのだ。この警戒心がもう少しあれば、今回のような事が無かったのではないかと、アーヴァインは静かに悔やむのだ。
    「ああ、うん。もう、大丈夫」
    「心配かけちまったな。ほんと、何でもないんだ」
    そう言ってゼルは笑って見せるが、素直な彼が作る嘘の笑顔を見抜けないアーヴァインではなかった。
    少しお話しようか、と前置きをして、ゆっくりとゼルの傍に近寄って、ベッドのふちに腰を掛けた。
    「ゼル…こっち見て。何でもなくなんかないよ。僕の友人の大事なことだ」
    アーヴァインはゼルをまっすぐ見詰めながら、言い含めるようにゼルへと声を掛ける。
    「……」
    ゼルもこちらの言いたいことは分かっているのか、本当は言わなくてはと逡巡しているようだ。だがやはり、言い辛いのだろう。
    当然だと、アーヴァインは思った。
    「言わなくてもいいよ、大丈夫。何があったか、なんとなく、わかるから」
    「そ…か。」
    それを聞いてほっとしたのか、ゼルの肩の力が抜けるのが分かった。
    「男も女も関係ないんだよ。合意が無ければ犯罪だ」
    直接的な表現を避けて、ゼルへと説き伏せるようにやさしい口調で語りかけた。
    「辛かったね?もう大丈夫」
    そういって、いつものように穏やかに微笑んだ。ゼルの脅威はもう去ったのだ。
    だがゼルは、ベッドの上の一点を見詰めたまま、静かに口を開いた。
    「アーヴァイン」
    そう一言いうと、何かに耐えるように目を閉じて続けた。
    「…無理矢理じゃ、なかった」



    拍手押して下さった方ありがとうございます!!!
    とても嬉しいです!頑張りますー!!
  • あけましておめでとうございますー!

    明けましておめでとうございます!
    ちょっと遅れてしまいましたが、今年もご挨拶ができてとても嬉しいです!

    さて、早速近状ですが、インフルエンザを発症して寝込んでおります泣
    冬休みはイラスト描けると喜んでいたのも束の間、とんだ寝正月となってしまいました…。
    新年用のイラストも線画までしか描いてなかったので、なんでもっと巻きでやらなかったんだ馬鹿やろうと自分を攻める毎日です汗
    ともかく早く体を治したいとおもいます!

    昨年の反省としては、家の事情と転職が重なりに重なって、絵の月1更新とブログ更新というスローテンポになってしまったなあと感じています。
    昨年の意気込みとしては、長い馴れ初め漫画を頑張るというのと、小話頑張るだったのですが、小話の方は意識していましたので、割と精力的に更新できたかなあと思います。長い馴れ初め漫画は、漫画ではなく、小話に切り替えて今ブログで更新しているものになりますので、達成したともしてないともなんともいえない形になっています。

    今年の目標としては、今の職場は春秋が忙殺繁忙期なので、そこにあたると更新止まる可能性はありますが、それ以外は、週に1回は絵かブログを更新するようにしていくのを今年の目標にしたいとおもいます。仕事で致し方なく更新が止まる場合は、お知らせ致します。
    今年もまたサイファーとゼルを愛でていきたいとおもいます。
    どうぞよろしくお願い致します。






    拍手押して下さったかたありがとうございますー!とても嬉しいです!
    頑張ります!








    kbcy様コメントありがとうございます!
    あけましておめでとうございます!
    更新が滞っていて申し訳ない限りです汗 
    でもそのように言っていただけてとても嬉しいです!やる気がふるいたちます!もっと一気に読んで頂けるよう早く完結へ向かわせますね!こちらこそ今年もどうぞよろしくお願い致します!
    コメントありがとうございましたー!





    あけまして~の方コメントありがとうございます!
    あけましておめでとうございます!
    着衣半裸は微妙かなと思っていたので萌えて頂けて嬉しいです!
    今年ももっと萌えて頂けるよう頑張ります!
    コメントありがとうございましたー!

  • 更に小話続きですー!18禁となります!

    「なんで…」
    ようやくサイファーの意図を察したゼルが、理解できないとばかりにサイファーへと視線を投げた。
    困惑の色をたたえる青い瞳と目が合ったとたん、ズクリと下腹が重くなる。
    ゼルの疑問を、唇を自身のソレで覆うことで黙らせる。
    そのまま手を動かしていると、縮こまっていたソコも次第に硬く張り詰めてくる。
    「やめろ…っ」
    急所を握られている為にろくな抵抗もできず、それでも反応してしまうのであろう体を持て余すゼルに異様に興奮する。
    「…でちまうっ」
    囁く様に言われたその言葉に、頭が真っ白になった。
    自身に言い訳をするのも忘れて、ブースの脇に置いてあるボディオイルを手に取る。
    局部を愛撫していた手をほどき、出しっぱなしになっていたシャワーを止めると、オイルを取った手をゼルの後ろにもっていく。
    後孔付近にそっと何度か滑らせて、オイルを体温になじませる。
    突如始まった挿入の予感に、さすがのゼルも体をよじって抵抗を始めた。
    ゼルの後孔をさすりながら、サイファーがゼルの耳元に口を寄せる。
    自身の発せられるありったけの甘い声で囁く。

    「流されちまえよ…ゼル=ディン」

    途端にビクリと肩を震わせたゼルは、少し逡巡するように体を強張らせていたが、それ以来抵抗らしい抵抗を見せようとはしなかった。
    それを了承の合図ととったサイファーは、そのままつぷりとゼルの中に進入を開始する。
    何度も中を行き来して、指を増やす。ゼルの息が次第にあがっていく。感覚を追いかけているのか、一点に視線が集中しているのがわかる。
    目の前のゼルの濡れたブロンドから雫が垂れるのにも興奮する。
    自身の局部もあらかた硬くなっている。
    男の体に興奮しているという事実さえも吹っ飛んで、ただただ本能が暴走する。
    もう止められようはずもなかった。


    「おい、入れるぞ」
    サイファーはそう言うと、硬度のあるそれをゼルの臀部へと押し付ける。
    そのまま挿入しようと力を入れるが、先ほどまでいくつもの指を飲み込んでいたにも関わらず、そこは怯えたように硬く収縮していた。
    同時にカタカタとひざが震えているのが分かる。
    「…セックスは初めてか?」
    体を寄せながらサイファーが問いかける。
    ゼルが正面を向いたままガクガクと頷いた。
    「よし、ゼル・・・力抜け。怖くねぇ。ゆっくりだ」
    サイファーはそう言うと、ゼルの体をさすり出した。
    その手の意外な優しさに、恐怖と抵抗から固まっていたゼルの体が弛緩する。
    「そう、いい子だ。ちっと我慢しろよ…」
    サイファーはそう言うと、力の抜けたそこに進入を開始した。
    いくらか埋め込んだサイファーは、しばらく動かずにゼルの体が自分になじむのを待つ。
    そうしてゼルの呼吸が早くなってきた頃を見計らって、律動を始めた。

    始めは浅くゼルを揺すっていた動きが、徐々に深く大きいものになってゆく。
    最初は苦痛と恐怖で上手く感覚を受け入れられないゼルであったが、次第にサイファーの動きに翻弄される。
    与えられる快感に控えめながら、ひっきりなしに声があがった。
    無意識に腰がゆれ、自らが空ろになっていく。
    「ゼル」
    情事の途中に呼ぶサイファーの声にも、もう余裕は感じられない。
    深夜のシャワールームに2人の交わる音が響く。
    ついに限界の近づいたゼルが、明確な意思を持って腰を降り始めた。
    自分との行為に夢中になるゼルに、たまらない征服感を感じる。
    絶頂の近いゼルを助けるため、ゼルの下腹部へと手を回し、上を向くそれを刺激してやる。
    何度か擦り上げてやると、たまらず一足先にゼルが声をあげて弾けた。
    激しく収縮する結合部に、サイファーもたまらず最奥に自身を叩きつける。
    「サイファーっ…!」
    かみ締めた歯の間から、ゼルの無意識であろう声が漏れた。
    それを聞いたとたん、サイファーは感極まってゼルの首筋に激しく吸い付いた。
    そのまま腰を振って、自分も絶頂を迎える。ゼルの収縮にあわせて自身も痙攣し、中に熱い粘液を吐き出した。



    荒く息をつきながらも、最後の残滴までゼルに注いだサイファーは、名残惜しさを感じながらもゼルの中から自身をゆっくりと引き抜いた。
    途端にサイファーに支えられていたゼルの体が崩れ落ちそうになり、サイファーが腕を伸ばす。
    再びサイファーに支えられたゼルの首筋に、クッキリと鬱血した跡が付いているが見えた。自身の唾液で光るそこが、勲章のように見えた。
    しかし、ゼルは顔を上げることをせず、わずかに震えているように見えた。
    その肩に触れようとした途端、ゼルがサイファーの手を払い、タイルに落ちていたタオルを拾って駆け出した。
    サイファーが急いで腕を取ろうと手を伸ばすが、行為の負担のためかガクリと膝を落として転びそうに成りながら駆けるゼルに、伸ばした手は空振りに終わってしまう。
    振り払われると思っていなかったサイファーは、ただただ走り去るゼルを見つめることしかできなかった。
    そうして自身の行動を振り返る。
    結局強姦まがいに最後まで至ってしまった。
    ここまでするつもりはなかったはずだ。
    夢中になってしまったのはゼルだけでない、自分も同じだ。
    そうして、体を繋いだ今、あのイライラが収まっていることに気付く。
    あの胸を焼く衝動はこのせいだったのか。
    世間で呼ばれるこの気持ちの正体。


    サイファーはようやく理解した。



    ゼルが好きだ。








    拍手押してくださった方ありがとうございます!!!とっても嬉しいです!もう少しなので頑張りますー!
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