こんばんは!
ずいぶんと暖かくなってまいりましたね!今日なんかは外で半袖の方もいて、すっかり春なんだなぁとほんわかしてしまいました。
桜も満開で、風に飛ばされて桜吹雪のようになっていてとても美しかったです。
よくBLの世界で受けの子が、桜吹雪の桜に攫われるというような表現をされたりするらしいですが、そう言いたくなる気持ちも分かるような気がします。
ゼルだったら桜相手にラッシュパンチ仕掛けそうですけどね笑
なんかほんわかしたようなサイゼル話いいなぁと思いまして少し小話なんかを考えてみました!
第三者目線(名前の無いオリキャラ)のものです。
「いらっしゃいませー」
入口の自動ドアが開く音を確認すると、私は無意識に訓練されている言葉を口に出し、そのままそちらに目を向けた。
金の前髪を勢い良く立ち上げた、顔に刺青のある少年がどこか不機嫌そうに店内に入ってくるのが見える。
こんな夜遅くにとも思うが、実はこれが初めてではないということも知っていた。
このコンビニで勤務しだしてから半年くらいになるが、何度かこのような遅い時間に買いものに来ているのを見かけた事があるのだ。
レジ周りの掃除をしながら、それとなく入ってきた少年の様子を伺う。
見た目は15、6歳といったところだろう。私より少し下くらいに見えた。
少年は何かが不満なのか、ブツブツと文句を言いながらレジの前まで来ると、マスタードたっぷりのホットドッグ(あまりの辛さに買うのは彼以外にいない商品だ)をカウンターに置いた後、私の背後を少し眺め、45番のタバコ下さい。と言い放ったのだ。
私はその意外さに少し虚を付かれたように固まってしまった。
が、すぐに思い直すと、目の前の不満そうな少年に、これは大人にしか売れない商品であることを説明した。
すると。だから言ったのに!くそっ!っとその誰かへの不満を露にしたが、どうしてもそのタバコが欲しいのであろう、そこをなんとか!と両手を顔の前で合わせてこちらを伺うように見詰めてきたのだ。
正直、そこまで法律に従う意思のない私は、その彼のユーモラスな様子に思わず笑ってしまった。
そして彼は、最近では彼専用商品になりつつあるホットドッグと、目的のタバコを無事持ち帰ることに成功したのだった。
そうする内に、私の勤務シフト内に何度も例の少年と出会うと、レジの際の短い時間ではあるが、個人的な雑談をするような仲になっていった。
時には仕事のこと(なんと彼はあのSEEDなんだそうだ)、食事のこと(体重を気にしているらしい)、そして恋人のことも。
彼の話を統合するに、彼には同居している恋人が居るようで、それがまた傲慢な人で普段から迷惑を被っていて参っているのだそうだ。
確かにあまり女性との経験があるようには見えない(悪意は無い)ので、そんなワガママな女性につかまってしまったということに単純に納得してしまった。
物を買いに行かせるのは当たり前、頭にくれば物にも人にも当り散らす、自分のルールが最優先…。彼の口からは、その都度被った被害と共にため息が漏れていた。
時折夜中に買い物に来ていた理由に合点がいったのもこの時だった。
あー戻りたくねーあいつ絶対まだ怒り狂ってるし…。そう言いながらも、レジを終えた少年はトボトボと岐路に着くのだった。
ある時その様子に溜まりかねて、分かれてみたらどうかとアドバイスしてみた。
彼のような人懐っこさは万人に好かれるものであろうし、少なくとも私は彼に対して不快な思いは持っていない。彼ならば、他に素敵な恋人が見付かる可能性も少なくない筈だ。
そう思って思わず口から出てしまったのだが、その言葉を聞いた少年はんーー…となんとも言えない表情をすると、我侭なとこもアイツらしさの一つだからさ。と許容する姿勢を見せたのだ。頭にくることも多いけど、最終的には悪い人ではない、というところにカテゴライズされているのだそうだ。
私は正直、理解ができなかった。そのまま彼のレジを打ち終わると、あのカップ高かったのによーと言いながら遠ざかる少年の背中を見送った。
続きます
シュールなギャグ~のコメントくださった方ありがとうございます!
お返事大変遅くなりまして申し訳ございません。
うちのスコールは完全にギャグ専門と化しています笑
楽しんでいただけたようで何よりです!更新なんとか頑張りますね!
コメントありがとうございました!