チキン調教師の朝は早い。

  • 更に小話続きですー!18禁となります!

    「なんで…」
    ようやくサイファーの意図を察したゼルが、理解できないとばかりにサイファーへと視線を投げた。
    困惑の色をたたえる青い瞳と目が合ったとたん、ズクリと下腹が重くなる。
    ゼルの疑問を、唇を自身のソレで覆うことで黙らせる。
    そのまま手を動かしていると、縮こまっていたソコも次第に硬く張り詰めてくる。
    「やめろ…っ」
    急所を握られている為にろくな抵抗もできず、それでも反応してしまうのであろう体を持て余すゼルに異様に興奮する。
    「…でちまうっ」
    囁く様に言われたその言葉に、頭が真っ白になった。
    自身に言い訳をするのも忘れて、ブースの脇に置いてあるボディオイルを手に取る。
    局部を愛撫していた手をほどき、出しっぱなしになっていたシャワーを止めると、オイルを取った手をゼルの後ろにもっていく。
    後孔付近にそっと何度か滑らせて、オイルを体温になじませる。
    突如始まった挿入の予感に、さすがのゼルも体をよじって抵抗を始めた。
    ゼルの後孔をさすりながら、サイファーがゼルの耳元に口を寄せる。
    自身の発せられるありったけの甘い声で囁く。

    「流されちまえよ…ゼル=ディン」

    途端にビクリと肩を震わせたゼルは、少し逡巡するように体を強張らせていたが、それ以来抵抗らしい抵抗を見せようとはしなかった。
    それを了承の合図ととったサイファーは、そのままつぷりとゼルの中に進入を開始する。
    何度も中を行き来して、指を増やす。ゼルの息が次第にあがっていく。感覚を追いかけているのか、一点に視線が集中しているのがわかる。
    目の前のゼルの濡れたブロンドから雫が垂れるのにも興奮する。
    自身の局部もあらかた硬くなっている。
    男の体に興奮しているという事実さえも吹っ飛んで、ただただ本能が暴走する。
    もう止められようはずもなかった。


    「おい、入れるぞ」
    サイファーはそう言うと、硬度のあるそれをゼルの臀部へと押し付ける。
    そのまま挿入しようと力を入れるが、先ほどまでいくつもの指を飲み込んでいたにも関わらず、そこは怯えたように硬く収縮していた。
    同時にカタカタとひざが震えているのが分かる。
    「…セックスは初めてか?」
    体を寄せながらサイファーが問いかける。
    ゼルが正面を向いたままガクガクと頷いた。
    「よし、ゼル・・・力抜け。怖くねぇ。ゆっくりだ」
    サイファーはそう言うと、ゼルの体をさすり出した。
    その手の意外な優しさに、恐怖と抵抗から固まっていたゼルの体が弛緩する。
    「そう、いい子だ。ちっと我慢しろよ…」
    サイファーはそう言うと、力の抜けたそこに進入を開始した。
    いくらか埋め込んだサイファーは、しばらく動かずにゼルの体が自分になじむのを待つ。
    そうしてゼルの呼吸が早くなってきた頃を見計らって、律動を始めた。

    始めは浅くゼルを揺すっていた動きが、徐々に深く大きいものになってゆく。
    最初は苦痛と恐怖で上手く感覚を受け入れられないゼルであったが、次第にサイファーの動きに翻弄される。
    与えられる快感に控えめながら、ひっきりなしに声があがった。
    無意識に腰がゆれ、自らが空ろになっていく。
    「ゼル」
    情事の途中に呼ぶサイファーの声にも、もう余裕は感じられない。
    深夜のシャワールームに2人の交わる音が響く。
    ついに限界の近づいたゼルが、明確な意思を持って腰を降り始めた。
    自分との行為に夢中になるゼルに、たまらない征服感を感じる。
    絶頂の近いゼルを助けるため、ゼルの下腹部へと手を回し、上を向くそれを刺激してやる。
    何度か擦り上げてやると、たまらず一足先にゼルが声をあげて弾けた。
    激しく収縮する結合部に、サイファーもたまらず最奥に自身を叩きつける。
    「サイファーっ…!」
    かみ締めた歯の間から、ゼルの無意識であろう声が漏れた。
    それを聞いたとたん、サイファーは感極まってゼルの首筋に激しく吸い付いた。
    そのまま腰を振って、自分も絶頂を迎える。ゼルの収縮にあわせて自身も痙攣し、中に熱い粘液を吐き出した。



    荒く息をつきながらも、最後の残滴までゼルに注いだサイファーは、名残惜しさを感じながらもゼルの中から自身をゆっくりと引き抜いた。
    途端にサイファーに支えられていたゼルの体が崩れ落ちそうになり、サイファーが腕を伸ばす。
    再びサイファーに支えられたゼルの首筋に、クッキリと鬱血した跡が付いているが見えた。自身の唾液で光るそこが、勲章のように見えた。
    しかし、ゼルは顔を上げることをせず、わずかに震えているように見えた。
    その肩に触れようとした途端、ゼルがサイファーの手を払い、タイルに落ちていたタオルを拾って駆け出した。
    サイファーが急いで腕を取ろうと手を伸ばすが、行為の負担のためかガクリと膝を落として転びそうに成りながら駆けるゼルに、伸ばした手は空振りに終わってしまう。
    振り払われると思っていなかったサイファーは、ただただ走り去るゼルを見つめることしかできなかった。
    そうして自身の行動を振り返る。
    結局強姦まがいに最後まで至ってしまった。
    ここまでするつもりはなかったはずだ。
    夢中になってしまったのはゼルだけでない、自分も同じだ。
    そうして、体を繋いだ今、あのイライラが収まっていることに気付く。
    あの胸を焼く衝動はこのせいだったのか。
    世間で呼ばれるこの気持ちの正体。


    サイファーはようやく理解した。



    ゼルが好きだ。








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