「じゃあ、なんかお題を出すから漫才がしたい」小学校二年生のヨシタカくんがいった。
「いいよー、お題はなんにする?」
「じゃあ、遊園地!」
「オッケーはじめるよ。遊園地は楽しいでんなー、ヨシタカくんはどんな乗り物が好きですか」
「メリーゴーランド」
「メリーゴーランドいいですなあ。お馬に乗って上がったり下がったり。他にはどんなのがよろしいですか」
「コーヒーカップ」
「コーヒーカップええですなー。ハンドル回してぐーるぐる回転してなー」
「ヨシタカくん、他に何かええのがあるかいな?」
「えーと、えーとえと……」
「おいヨシタカ、おまえこのヘンでぼけてくれないと、おじさんはいつまでたっても、それちゃいまんがなーってつっこまれへんやないか。はよなんかボケなされ」
「うーんと、ジェットコースター」
「はいはいジェットコースター、こわいでんなーって、おい、ボケてないじゃん」
「ぎゃはははは」ついにヨシタカは笑いのスイッチが入ってしまったようだ。こんなことでスイッチがオンになるのである。
「何が面白いねん。はやくおじさんはちゃいまんがなーっていいたいんだから。はやくしてやもう」
それを見ていたエリナは腹が痛すぎるぐらい笑っている。
「だめだあ。おじさんとヨシタカ、おもしろすぎるぅぅぅぅぅぅ」
このあたりで、うるさくするな、いいかげんにしろとエリナとヨシタカの父親からお叱りが入った。いっしょのレベルで騒いでいる僕も叱責の対象であるような気がしないでもない。
全く小学校低学年を笑わすのはちょろい。
そこへ行くと大人のなんと難しいことよ。