秘密のメモリーメモルノフ、ドゥワー♫

  • 髪の毛が入っていた記憶

    有名なラーメン屋に夫婦で入りラーメンを食べていたときの話。
    三分の一ぐらい食べ終わったところで、カミさんがラーメンの中から髪の毛を一本見つけた。
    「ショック、髪の毛見つけちゃった……」
    「言ったら?」
    「言ってもいいかな」
    食べ始めた後だったし、カミさんはその髪の毛をすでに外に出してしまっていたので、店員に信じてもらえるかどうか不安だったのだ。

    しかしそれは余計な心配だった。店員はすいませんすいませんと詫び続けながらカミさんのラーメンを持ち去った。すぐに代わりを作りますから、と言って。そして十分ぐらいすると、またすいませんすいませんと詫びながら、新たなラーメンを持ってきた。

    結局、カミさんは一杯と三分の一のラーメンを食べたことになった。しかも会計のとき、ラーメン屋の主人は、代金を受取ることを強く拒んだ。すなわちカミさんは、一杯と三分の一のラーメンをタダで食べたことになった。その三分の一には髪の毛が入っていたわけだけど。さすが有名店だ。いや、これぐらい普通のことなんだろうか。よく分からない。

    どうしてこのことを今思い出したかというと、さっきブックオフで買ってきた文庫本を読んでいたら、途中に髪の毛が挟まっていたからだ。すいませーん、髪の毛挟まってました、っていってブックオフに持ってったら、新しいのを一冊くれて、お代は返しますっていってくれないかな。いってくれないよね。
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