最近寄った雑貨屋さんが,敷地内で山羊の赤ちゃんとお馬さんを飼ってらっしゃいまして,動物好きの私はお買いものそっちのけでお馬さんに猛ダッシュ.
好きな動物ベストスリーは犬,牛,馬でございます.
人慣れしてたのか,私が近付くとお馬さんの方も近付いてきてくれて,撫でても全然嫌がられなかったです.
種類的には,粕毛に入るのかな.
いや~,素敵でした!
それでは拍手レス!
■6/30 21:24 Snow wind様
⇒初めまして,コメントありがとうございます!
そうなんです,放映から早10年ほどが過ぎておりますが,未だにイザアスを続けております.
一旦は離れていたのですが,数年越しに再び戻ってきて,チビチビ拙い話を書かせていただいている次第です.
そういう意味では,ふとしたときに戻ってきたくなるCPと仰ったあなた様と同じ心境なのかもしれません.
私にとっては,萌え以上に知的好奇心を擽られる二人です.
いつまでサイトを続けるのか,いつまで書けるのか,終わりを迎える気があるのか,私自身も分かりませんが,これからもまだ暫くはチビチビ続けていくんだと思います.
次の更新がいつになるかも分かりませんが,また思い出してときにでもいらしてください.
お楽しみいただける物をご用意できればと思います.
それでは,拍手ありがとうございました!
久しぶりに生のお馬さんに触れることができたテンションに任せて,ちょっと小話をば….
そういえば,イザークさんとアスランさん,アカデミー時代に乗馬で勝負してたんですよね.
想像しただけで滾りますよね.
乗馬用の服装をまとって,各々の自慢の馬に跨る二人.
さぞ絵になるのでしょうな!
さて小話の時代は,C.E.76。
軟禁生活を終えたばかりのアスランをつれ,イザークはユニウスナインに向かいます.
ユニウス市は、田園広がるのどかなプラントだ。
イザークとアスランは、その内の一基ユニウスナインを訪れていた。
ここには、ジュール家が所有する馬房と広大な私有地があった。
「懐かしいな。」
アスランは感慨深げにそう呟いた。
アカデミー時代、勝負と称して何度か訪れたことがある彼は、その目に焼き付いていた風景と違わぬ眺めに喜んでいるらしかった。
しかし、隣にいるイザークはその横顔がどことなく寂しそうなのに気づいていた。
だから今日彼を連れてきた。
「フリーム。スキン。」
馬房に入るなりアスランはその二頭の名を呼び、近付いた。
正直、イザークは驚いた。
フリームとスキンはイザークの馬だ。
14歳の成人の折、祝いとして贈られた姉弟馬である。
一度目の大戦で地球に降りるまでの間、何度となくこの二頭の馬で彼と勝負をしていたし、二頭の名前も彼に伝えてはいたが、それでもすでに数年も前の話だ。
まさか朴念仁のアスランが名前を覚えているとは思わなかった。
二頭も覚えているのかいないのか、歩み寄ってくるアスランにのっそりと近付いた。
最後に会ったのはもうすでに4、5年も前だというのに、何度となく共に駆けたアスランのことは記憶に残っているのだろうか。
アスランを見ながら、興味深げにふんふんと鼻を鳴らしている。
「久しぶりだな。フリームの青毛も、スキンの金のたてがみも、相変わらずきれいだ。大切にされてるんだな。」
撫でながら、アスランもふふと笑う。
その横顔が、もう一度寂しそうに揺れた。
「懐かしいよ…。」
神経質で繊細なスキンは、アスランの微妙な表情の変化を早くも察したのか、ぶるんと軽く自慢のたてがみを揺らせて、隣に佇んでいるイザークの方をじっと見た。
イザークは安心させるようにスキンの首の回りを撫でると、スキンは目を細めて尚もイザークを見つめた。
まあ確かにそうだ。
アスランがこの二頭を覚えていたことも十分喜ばしいことではあったが、自身の目的はもう少し違う。
「アスラン。」
「ん?」
「お前に会わせたいやつが、もう一頭いる。」
こっちだ、とすでに馬房の奥に進んでいるイザークに、アスランは軽く首を傾げた。
「一頭?」
視線を巡らすようにフリームを見ると、もとより物静かで大らかなフリームは、ふんと息を吐き、ゆうらりと頭を揺らして見せた。
大丈夫と言われている気になって、アスランはイザークを追いかけた。
二頭を見つけたときとは違い、アスランはしばらくの間声が出せなかった。
「イザーク…どうして……。」
「やはり、お前の馬だったか。」
イザークは腕を組み、うんうんと頷いた。
「まず名前を呼んでやってくれ。ここに来てからの1年間、ほとんど人間を寄せ付けなくなってしまっている。お前のことなら分かるだろう。」
馬房の一番奥に、一頭の馬が横たわっていた。
全身を覆う葦毛に、銀色に近いたてがみ。
その毛は痛んでいることが窺え、その馬がすっかり老いていることを見る者に伝えていた。
そして併せて、スキンとは違った類の神経質さを感じさせた。
アスランはその馬を知っている。
以前は、フリームのように落ち着いた、優しい馬だったが。
「グラーネ。」
アスランが呼ぶと、グラーネと呼ばれたその馬は閉じていた目をぱちりと開いた。
そしてゆっくりと周囲を探るように頭を巡らせ、アスランを見つけた。
じいっと彼を見ていたが、やがて彼が誰であるかを確信したのだろう、地に足をむんずと押し付け立ち上がった。
こうして見ると、やはり大きく堂々とした見事な馬だとイザークは思う。
この毛色の馬特有の色素の薄い青い目で、グラーネはアスランを凝視した。
「何年振りだろう。4年、5年ぶりか…分かるか。俺が。」
ぶるる、とグラーネは鼻を鳴らしてアスランに顔を寄せた。
「覚えててくれたのか、グラーネ。」
そう言って、アスランはほんのり笑ってグラーネの首に抱きついた。
この馬がこうして立ち上がるところを見たのは久方ぶりだ、とイザークは思った。
すでに何度となくアスランと馬術で争ったことはあったが、そのいつでも彼はこの馬を連れてきた。
そしていつ見ても、この馬は王のような佇まいでいたのだ。
フリームもスキンも非常に優秀な馬ではあったが、当時はまだまだ若馬で、王たる風格を備えたグラーネに勝ることはついになかった。
現在の馬齢から考えるに、グラーネは恐らくアスランが幼い頃から飼われていたのだろう。
もしかしたらグラーネは、アスランを守っているつもりでいたのかもしれない。
「どうして、イザークがグラーネを…?」
「お前が地球に降りた後、ザラ家の資産は全て政府に没収されたことは知ってるな。無論、グラーネもだ。オークションで大層な高値がついたそうだが、さっき見た通り、お前以外の人間に懐かなくてな。おまけに老齢で、処分されそうになっていたところだったらしい。」
そこまで話したところで、イザークもアスランの隣に歩み寄り、グラーネに手を伸ばした。
グラーネはまだいくらか警戒した様子ではあったが、アスランがいることで安心したのか、大人しく彼の手を受け入れた。
「競り落とした以前の持ち主が母上の知り合いで、たまたまマティウスの家に帰ったときにその話を耳にしてな。特徴が一致していたし聞き覚えのある名前だったから、俺が貰い受けることにした。」
アスランはいたく驚いた顔でイザークを見た。
「グラーネのこと…覚えていたのか?」
「お前だって、フリームやスキンのことを覚えていただろう。」
「そりゃあ、イザーク。お前、勝負の度に二頭のこと自慢してたじゃないか。北欧神話に出てくる神馬の名前だとかって…。」
「それはお前もだ、アスラン。お前だってこのグラーネのことを散々俺に話していただろうが。」
言って、イザークは苦々しい顔をした。
イザークはそれはもう二頭のことを勝負の度に自慢していたが、アスランがグラーネのことを言うのは、決まって勝敗が決した後だった。
つまり、アスランが勝ったときに、だ。
そのことがイザークの頭の中にしっかり残っているということは、それだけの数、イザークが負けたということを意味する。
「アスラン。行くぞ。」
突然にイザークは言い放った。
「何しに?」
「決まっている。勝負だ!」
「え、え、だって俺、乗馬なんて久しく…。」
「そんなの、乗って感覚を取り戻せばいい。幸い、ここには大変優秀な姉弟馬が揃っている。そうだ。フリームの背に乗せてもらえ。やつは穏やかな性格だ。なまった貴様の馬術にも、上手く対応してくれるだろうよ。」
むっとしたアスランが何か言い返そうと口を開きかけたとき、それを遮ってグラーネが嘶いた。
冗談じゃない、とでも言いたげに。
「ほう、どうやらこの老馬はお前を自分以外の誰にも乗らせる気はないらしい。どうする、アスラン?」
いたく楽しそうにイザークは言った。
アスランは眉根を寄せて、彼とグラーネを交互に見やった。
そして今にも泣きだしそうに顔で、笑みを浮かべた。
「…………ありがとう。」
その呟きは、誰にも届くことなくアスランの口からすとんと地に落ちた。
アスランは今度は目をきらりと輝かせて、胸を逸らす。
そうして、どこか強気な笑みを浮かべてイザークを見やった。
「その勝負、受けて立つ!」
はい,こんな感じです.
ドラマCDでイザークさんが「馬で差が出る!」とか言ってましたが,どうにもイザークらしからぬ発言に思えて気になっていました.
イザークが勝敗について,そういうことを理由に挙げるかしら,と.
それを考えると,馬の能力というより,対戦経験の違いを言っていたのではと思いまして,こんな感じにしました.
イザークの馬フリームとスキンは,それぞれ北欧神話に出てくる夜の女神ノートと昼の神ダグが乗る馬の名前です.
正しくは名前の後にファクシという言葉がついてきますが,長くなるのでカットしました.
ちなみに名前の意味は,フリームファクシが“光のたてがみ”,スキンファクシが“霜のたてがみ”という意味です.
アスランの馬グラーネはワーグナーのオペラ「ニーベルングの指環」で,ブリュンヒルデの乗る馬として登場します.
その元は,北欧神話に登場する灰色の毛並みをした馬グラニより.
こういうの考えるの,楽しいんですよ….