ソラマメ結成して以来、5回目となる単独ライブ。
だが『秋田犬』では初。そして初の一日二回公演。
“ライブ公演” というスタイルを取り始めてからの初の単独ライブとあって、私は一段とプレッシャーを感じていた。
昨年11月3日に復活して以来、定期ライブ公演を5本制作してきた
。
それに対する確かな手応え。
毎回毎回不安ながらも何とか形にし、回数を重ねるごとに私は少し自信がついたのかもしれない。
だが今回は単独ライブ公演。
約2時間。
ここで失敗すれば次の定期ライブに足を運んでくださるお客様が減ってしまう。
頭の中には数々のアイデアがあったものの、それをまとめるのに時間がかかってしまった。
「いざとなれば歌だけでいいじゃないか!」
「そうだよ、私達はミュージシャンだよ!」
…
虚しい独り言が鳴り響く。
向き合って台本下書きを終えたのが10月始め。それでちょっと終えた気になってしまったんだよなぁ。
今回なんとか最低限の所はクリアしたものの、準備段階のソラマメの動きは鈍かった。
反省点は沢山。それでもなんとか良い形で公演を終えられたのは、お手伝いさんや秋田犬スタッフ様のご協力、お客様の“観る”熱気。そして私達ソラマメの気持ちだけだったかもしれない。
前置きが長くなってしまったが、今回のライブ公演の裏の裏が知りたいアナタ、そして忘れやすい自分の為に、ここから本題に入ろうと思う。
4つの視点からまとめることにした。
① 2時間への挑戦
普段の定期ライブは40分。その倍以上。
なんとなくの曲順を考え、構成してみる。
ダメだ。以前のソラマメッセのようにはいかない。
どこで事を起こし、どこでそれに繋げ、最後に持って行くのか。
2時間という時間が多すぎる気がした。普段は40分という中でそれをやる為、そこまで考えなくても場所は必然的に生まれてくるが、今回は時間が沢山ある為どうとでも行ける。
だが、物語の伏線を敷きすぎても肝心な曲が伝わらない。
ソラマメライブ公演をよく観て頂いてる方はお分かりだと思うが、曲は曲として聴いて頂きたい為(特にバラード)、曲の中にネタを挟むことはしていない。
挟むのは専ら明るい曲のみに絞っている。
(そうしないと何がなんだか…という状態になっちゃうからね^_^;)
今回、2時間に挑戦するのが初めてということもあり、明るい曲は明るい曲でまとめ、聴かせる曲は聴かせる曲、ほのぼの系はほのぼの系でまとめ…
ただでさえ、“弓削の思い込み”からライブ公演が始まるという分かりづらい展開になりそうな為、曲はシンプルに流すことに決めた。
そして伏線も通常の40分の時と同じ位で十分だと気がついたのである。
まとめることにより、散らばりもせず、飽きのこないライブ展開になったはず…なのだがいかがだっただろうか!?
② くろまめの存在
オープニングアクトの“くろまめ”
彼女達の存在は、随分前に梅田との何気ない雑談から生まれたと記憶している。
さだまさしさんに非常に酷似している“きだまきし”さんとか、綾小路翔さんに対するDJ OZMAさんとか、ダイナマイト☆ナオキさんの鬱状態のセンチメンタル☆ナオキさんとか…
面白そうだなぁと。やってみたいなぁと(笑)
ソラマメッセ’12を開催することが決まりようやく実現することになったのだが、キャラクター設定は今回の台本を書く上で決まっていった。
そして今回の内容にこんなにも関与するとは!思ってもみなかった。
オープニングアクトからライブ公演はスタートし、そしてエンディングまで繋げていく。
一つの大きな目標になった。
今回のライブ公演で何が言いたかったのか…
見てもらって感じてもらったのが全てだが、敢えて文章にまとめるならば、私個人的にはこの“くろまめ”の存在にある。
くろのすずき(梅田)が、ソラマメの弓削に言ったセリフ。
「見た目で決めつけないでくださいよ。」
この言葉。特にソラマメをやっているといい意味でも悪い意味でもこれに苦しめられてしまう。
私達が歌うから伝わる歌がある。
だけども明らかにこの見てくれが邪魔をしている歌もある。
誤解しないでほしい。決して私達は悲観的になっている訳ではない。
だけどもこれは、受け入れなければならない現実だ。
私達だけのことに限ったことではない。
世の中、見えてるものだけで判断されている物が多すぎやしないだろうか。
もちろん見た目の印象は大事だ。
だけども見た目だけではわからないことも多い。
そして一番問題なのは「決めつけている」ことにある。
これがいわゆる偏見というものだろう。
くろまめがいる世界(地下)はこの偏見がない。
見えないからだ。光がないから見えないのだ。見る必要がないのかもしれない。
つまりありのままでいられますよ…余計な事を考えず素直でいられますよ…というのだ。
先入観にとらわれなくて済む。
まぁこれがいいのかはわからないが、このくろまめを「悪」とは言えないと思う。
気を付けてはいるが、私も固定観念だらけだと思う。見た目で決めつけてほしくないと思う反面、決めつけている事柄が沢山あるような気がした。
今回の設定上のソラマメ弓削のように、決めつけや思い込みが凄すぎて巡りに巡っちゃうぐらいならそんなに悩まないのかもしれませんがね(´ω`;)
③ 〜仏滅だョ!全員集合〜
今回は単独ライブということもあり、いつもよりも宣伝をしなくてはならなかったので内容よりもタイトルが先についた。
全員集合=ザ・ドリフターズ
やらなきゃいけないでしょう!
盛り込まなきゃダメでしょう!
ライブ中でもお話しましたが、私は大のドリフ好きでして。小中学生の頃、どんどん“笑い”が移り変わる中で、私はずっとドリフを見ていました。
「ドリフ大爆笑」とか「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」ですね。
芝居をやっている時から、結局の私の演技の原点はここなんです。
だから芝居の世界では通用しない部分もあったのだろう、と思うのです。
…ん!?ちょっと脱線してしまいましたかね。
タイトル先行だったとはいえ、今回ドリフを取り扱えるのは個人的にテンションが上がりました!
でもソラマメのライブの流れの中で自然発生的に出したかった。
小ネタとして挟むのでなく、物語の中に必要な部分として使う。
いかがだったでしょう?無理なく使えてましたかね?
ドリフは偉大です。一つのギャグが、一つのアイテムが、一つの音楽が…それだけで伝わる。
「ドリフ」だとわかる。
今後この先出てこないでしょう。
断言してもいい。
人々みんなが知っている。今ソラマメのライブ公演を見てくれているお客様は、きっとみんな知っている。
「次いってみよう」と言えば長さんのセリフだし、「タライ」が出てくればドリフだ〜ってなるし…
勝手ながら私は、ソラマメはザ・ドリフターズに共通する部分が多いと感じている。共感というものだろうか。(おこがましい話ではあるが…地位も何もかも失礼にあたるとは承知だが…)
『いかりや自身は、自らのグループを「お笑いの能力は一流でない」と卑下し、新生ドリフ初期のライバルであるコント55号に対抗する意味で、アドリブ無しの徹底的に練られたストーリー作り、練習でカバーし、土曜8時戦争と呼ばれるお笑い番組の視聴率争いで、長年にわたって優位を保った。』
(Wikipedia引用)
ソラマメは音楽の能力は一流ではない。悲しいがどう頑張っても一流にはなれない。
かと言ってお笑いに長けているわけでもなく、芝居も半端だ。
だからこそ私達も徹底的に練り上げ、独自のスタイルを築いていくしかなかった。
まだスタイルと呼ぶまでに至ってないかもしれないが、今回のライブ公演を経て少しではあるがまた自信はついた気がする。
偉大な先輩には到底追いつけないが、精神だけでも受け継ぎたいと、これまたおこがましいがそう思わずにはいられない。
④ ソラマメッセ’12 を経て
『ライブ公演』というスタイルにしてからちょうど一年。成果は出てきただろうか。
今一度梅田と振り返ってみようと思う。
一つだけわかったことがある。
主に歌だけ披露する路上ライブやイベントでのステージを見たお客様が見ても『ライブ公演』は伝わる形なんだと。
どこか敬遠してきてしまった。
歌だけのライブを見たお客様には『ライブ公演』スタイルのライブはギャップを感じすぎるのではないかと思い、イベントなどで歌うことをここ一年遠ざけてしまっていた。
でも今回ソラマメッセ前に出演したイベント・ラジオなどの反応、そしてソラマメッセ自体を終え、むしろ違うのではないかと思うようになった。
当たり前の話だが、面白ければ見に来る。まずは『ライブ公演』を見てもらわなければ!そのきっかけ作りとして歌いに行くのは悪くない。
もちろんメインは『ライブ公演』
それを疎かにしてしまっては本末転倒だが、そうならないようにしっかり準備して、来年から少し活動形態を変えていこうと思う。
さぁ、次なるライブは金井裕樹氏とのツーマンライブ!
彼の熱意に刺激を受けながら、ソラマメはソラマメらしいライブで今年を締めくくれたら…!
がんばります。
読んでくださった方々、長々とありがとう!今後ともソラマメをよろしくお願いします。