チキン調教師の朝は早い。

  • 小話更に続きです!

    こんにちは!
    オペオムついにゼルのボードがきますね!
    クラウドBTLD武器もくるし忙しい…!
    ゼル調整無しですが、きっとLDで魔改造される…んだろうなあと期待してます!
    ストーリーいっぱい出てくれるからそれだけでいいんですけどね!
    ルードのイベントにも出てたし、頻度高いなと思います!!

    さて以下小話続きです!
    ちょい短いですがきりがいいのでここで切ります~!




    その後もティンバーへの派遣とエクセルとの関係は続いた。
    アフローラにちょっかいをかけるガルバディア兵は末端ばかりのようで、サイファーは暴れ足りないのか退屈を持て余していた。
    その日も調査という名の嫌がらせをしに来たガルバディア兵を打ちのめしたところで、店は閉店の時間を迎えていた。
    店内へ戻ったサイファーは視線を感じてそちらを見る。
    すると暗い店の裏口に、見慣れた金髪の少年がもたれ掛かっていた。
    ダウンライトに照らされた髪がキラキラと光っている。
    サイファーと視線が合うと、誘うようにその髪をかき揚げた。
    サイファーはマスターにもう上がるぞ、と声を掛けると、それ以上は何も言わずエクセルの元へと足を向けた。


    また熱を分かち合って、サイファーはベッドへと沈んだ。
    サイファーがなれてきたのか、それともエクセルがサイファーに合わせるのが上手く待ったのか。
    サイファーはここ最近満足のいく時間を過ごしていた。
    慣れた風のエクセルから時折垣間見える、ウブな部分もそれに一役買っていた。
    きっとそれがエクセルの本質の部分なのだろうとサイファーは隣の男を見ながら思った。
    その間にもお喋りなエクセルが、サイファーにいろんな事を話しかける。

    今日の話題はガーデンの生活についてのようで、同年代の学生について面白そうに尋ねていた。
    サイファーが雷神と風神について話してやると良い仲間なんだな、と口角を上げて笑った。
    その笑顔を見ると、別の同じ笑顔をもつ男のことが思い出された。
    そうして話していると、エクセルが何か言いたそうにサイファーを見ているのに気づいた。

    「なんだ」

    そう言って促してやると、エクセルは言おうかどうか逡巡してから、ようやく口を開いた。

    「あんた、前に『ゼル』に地獄に追いやられたって言ってただろ?恨んでるのか?」

    そう言って、エクセルはサイファーを窺うように見た。

    「前にも言ったろ。別に恨んでねえよ」

    サイファーは邪魔な前髪を撫でつけながら軽い口調でそう言った。

    「あいつのドジのせい、って言ってたじゃん」

    だが、エクセルは話が気になるのか更に深く切り込んでくる。
    サイファーはエクセルに向き直ると、今度は真面目な口調で続けた。

    「あの時確かに切っ掛けを作ったのはあいつだった。だが、自分の身の振り方は自分で決めた。俺の選択だった。それが全てだ」

    そうして、「あいつは関係ない」と言い切った。

    エクセルはその答えに目を見開くと、声を詰まらせながら言葉を紡いだ。

    「あんた、いい男だな」

    「なんだ?客に対するご機嫌とりか?」

    サイファーが商売人のリップサービスに片眉を上げる。

    「いいや、俺の本音だよ」

    そう言ったエクセルは真剣な眼差しでサイファーを見つめていた。


    ■■■


    その日、サイファーが演習終わりにガーデンへ帰ってくると、図書室前でシャドウをしているゼルを見かけた。
    プロテクターを付けてはいるが、それでも分かるくびれて締まった腰にゾクリとする。
    指で辿って秘部へと進行する所まで想像して、あわててあれはエクセルではなくゼルだぞと自分に突っ込んだ。
    邪な考えを捨てて歩き出すと、サイファーに気がついたゼルが駆け寄ってくる。
    ずいぶんと懐かれたな、とサイファーは妙にくすぐったい気持ちになる。

    「よう!待ってたんだぜ!」

    「待ってた?」

    「おう!明日SeeDの緊急のモンスター掃討作戦があるんだ。急ぎのせいで人数足りなくて戦力が欲しいみたいで、あんたにも参加の要請がきてるんだ。今晩、正式な命令書届くから。とりあえず先にそれ伝えたくてよ!」

    ゼルはそう言って頭を掻いた。
    そうして何か言いたそうに、あちこちに視線を彷徨わせている。
    サイファーはその様子を見て、「なんだ」と先を促してやる。
    先日行われたエクセルとのやりとりを思い出しておもわず苦笑する。

    「なあ、サイファー」

    ゼルはそう切り出すと、ゴクリと唾を飲み込んで一気に口を開いた。

    「SeeD試験近いんだって?オレ、応援してるからな。あんたが真っ先に拍手してくれたの忘れてないぜ!」

    ゼルはそう言い切ると、サイファーを見上げながら、口角を上げてニカリと笑った。
    その表情に、サイファーの鼓動が高鳴る。
    そのまま一歩を踏み出して抱きしめても許されるような錯覚を起こす。
    いつもと同じだ。いつだって喜んでオレと肌を合わせる。いや、それはエクセルだ。この男ではない。
    サイファーがそう夢想していると、ゼルは伝えたいことは言い切ったのか、じゃあな!と明るい声で去っていこうとする。

    「あ、明日は俺も参加するから、よろしくな!」

    そう言い忘れた言葉をサイファーに振り向き様に投げながら、颯爽と食堂の方へ消えていった。

    サイファーはエクセルとゼルを混同している自分に溜め息をつくと、どうしたものかと片手で顔を覆った。



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