チキン調教師の朝は早い。

  • ゼル誕生日おめでとう~!1日過ぎちゃった

    ゼル誕生日おめでとう~!1日過ぎちゃったけど今年は言えて良かったです。

    以下小話つづきです。
    ゼルの誕生日にこういう更新は気が引けますが少しでも先に進めて早くサイゼルにしたいので載せます!




    ほとんど人のいない真っ暗な道を音を立てず静かに歩いてゆく。
    少し前を歩くエクセルを見るが、見れば見るほどにゼルに似ている。
    幼なじみとして一緒に育っただけでなく、ガーデン生としてずっと共に生活してきたのだ。そうそう間違えるとは…思えない。
    サイファーは疑心暗鬼のまま少年の後を追った。

    エクセルが向かった先はティンバーの裏路地にある小さなホテルだった。
    彼は躊躇なくそのドアを開けると、入りなよ、とサイファーに声を掛けた。
    警戒しながら中に入って辺りを見回すと、表の雑多な様子に反して中は小綺麗にしてあった。
    入り口近くの壁に掛けてあった案内図を横目で見て頭に叩き込む。
    今でもサイファーを狙う輩は少なからず存在しているのだ。逃走経路は確保しておきたい。
    サイファーがそう考えていると、エクセルがカウンターの女性に声を掛けた。

    「あの部屋借りるよ」

    「いらっしゃいエクセル。どうぞ使って」

    エクセルはそう言いながら受付嬢から鍵を受け取ると、近くの階段を上っていく。
    後に続くサイファーの背中に、ごゆっくりと声が掛けられた。

    部屋に入ると、中はベッドと小さなテーブル、2対のイス、そして必要最小限の物が置いてあった。
    やはりここも狭いながらに小綺麗にされている。
    エクセルはベッドに腰掛けると、座りなよ、とベッドの隣を小さく叩いた。
    サイファーはそれを無視して、窓へと近づくと様子を確かめるために外を覗く。

    「そんなに警戒すんなよ。別に危害なんか加えないよ」

    エクセルはそう言って、足を組んだ。
    サイファーはおかしな所がないことを確認すると、ドアの前まで立ち戻ってようやくエクセルへと向き直った。

    「てめえ何者だ。ゼルじゃないのか…?」

    そう言って再びエクセルを凝視する。

    「ゼルだと思ってくれていいよ」

    そう言って未だ困惑するサイファーを面白そうに見つめている。

    「どういう意味だ」

    「俺、『ゼル』に似てるんだろ?だからみんな『ゼル』を目当てに俺を抱きに来るんだぜ。お客はほとんど元も含めてガーデン生な」

    そう言ってエクセルは足を組み替える。
    体が熱いのか、熱の籠もった吐息が会話の端々に混じっている。

    「……あのチキンを目当てだと?冗談だろ」

    サイファーは信じられないとばかりに眉をしかめた。

    「ん?アンタ、もしかして客じゃなくて派遣されてきたSeeDか?ああ、心配しなくて良いよマスターから聞いてる。俺も森のカモの一員だから」

    「SeeD候補生だ」

    サイファーはため息をはきながら会話の一部を訂正する。

    「ふうん。野郎も結構悪くないんだぜ。なあ、男抱いたことある?」

    エクセルが身を乗り出してサイファーの回答を待つ。

    「ねえよそんなもん」

    「じゃあさ、試してみねえ?」

    「男の抱き方なんて知るか」

    「大丈夫、俺が知ってるから。俺いつもは一晩3000ギルで売ってるんだけどあんたはサービスするよ」

    「なに?」

    「初回はタダでいいよ。だから今夜は俺としようぜ」

    そう言ってエクセルはベッドからゆっくり立ち上がると、羽織っていたトップスを脱ぎながらサイファーへと近づいた。
    そうしてサイファーと立っている位置を入れ替わると、そのままサイファーをベッドへ押し倒した。

    「俺もう我慢の限界」

    エクセルはそう言って、サイファー乗り上がった。

    サイファーは眉の一つも動かさずにそれを見ていた。
    顔にはまだ疑惑の色が張り付いている。
    普段のゼルの雰囲気とはまるで違うが瓜二つのこの男が何者なのかは調べておかねばならない。
    サイファーは静かに頷くと、エクセルの進行を許可した。

    既に目元がとろんとしかけていたエクセルは、すぐさまサイファー下衣を開こうとした。
    だが、サイファーの手がそれを阻む。

    「テメエから脱げ」

    不意打ちを警戒しているのだ。
    それをすぐに悟ったエクセルは素直にそれに従って、サイファーの上に乗ったまま上下の衣服を取り去った。
    サイファーの眼前に若い男の素肌が晒される。

    「鍛えてるな」

    サイファーがそれを観察しながら感想を漏らした。

    「商売柄な。ま、あんたたちはその方が『燃える』だろ?」

    エクセルはゼルと同じ顔で、意味ありげにそう笑った。

    「古傷が多いようだが?」

    どうしてだ?というニュアンスを込めてサイファーが問いかける。

    「そういうのが趣味の客もいるってこと」

    エクセルは勲章を誇るようにそう答えた。
    そうして何も隠し持っていないことを証明すると、今度こそサイファーの下肢へと顔を寄せた。
    チャックを開くと、サイファーの性器を取り出す。
    手にしたモノを見て、エクセルはごくりと唾を飲み込んだ。
    躊躇をするようにサイファーの顔と性器を
    何度か見比べると、覚悟を決めたようにそれを口に含んだ。
    熱い舌が性器を舐め回す。
    拙さの残るその動きと、ゼルに似たその顔が自身を咥えて興奮するその表情にサイファーは思いの外煽られる。
    性器の先を吸うようにされて、サイファーはおもわず声を漏らした。
    それに一瞬驚いたように反応しつつ、エクセルの下腹もしっかり固くなっていった。

    「なあ、入れて良いか?オレもうたまんねえ」

    エクセルが甘えるようにサイファーに声を掛けた。
    息も上がっていて口元が唾液で光っているのがいやらしい。
    エクセルはサイファーが否定しないのを肯定とみて、再びサイファーに跨がるように上に乗り上げると、すっかり固くなったソコを自分の後孔へゆっくり押し当てた。
    何度も息を吐きながら、慎重に内部へ納めていく。

    「おい、大丈夫か?」

    エクセルが注意深く挿入している様子に、思わずサイファーが声を掛けた。

    「あんたのデカくて、入れんの大変なんだよ」

    そう言って、最後の少しを息を吐きながら挿入しきった。
    少し怒ったような表情が、サイファーにまたゼルを思い起こさせる。

    いくらか呼吸を整えて、そうしてエクセルが腰を振り始めた。

    「あっ!…っあ!」

    吐息混じりの声が室内に響く。

    「イくときあんたの名前呼んでも良いか?」

    嬌声の合間に、エクセルがサイファーに声を掛けた。

    「勝手にしろ」

    「あんた名前は?」

    「サイファーだ」

    エクセルは塗れた目を細めて笑うと、自身の欲に任せて激しく腰を使い始めた。

    「ああ、サイファーっ!いいっ!」

    自分を呼ぶ名前のイントネーションまでゼルにそっくりで、サイファーは興奮にギリリと奥歯を噛みしめた。
    自分の上で乱れる男が、ゼルと重なっておかしな気分になる。

    「こんなイイのかよっ…!おかしくなるっ!」

    エクセルがはあはあと息を乱しながら、夢中になって腰を揺らしている。

    「ごめ…先イく!」

    背をしならせて、絶頂に駆け上った。
    エクセルはサイファーにかけるのはまずいと最後の理性で近くのシーツを引っ張って、性器へと押し当てた。
    そのすぐ後に、張りつめた性器が弾ける。
    サイファーの名前を呼ぶ甘い声が部屋に響いた。

    「てめえ客より先にイくのか」

    吐精後の荒い息を整えるエクセルに、サイファーが苦言を漏らした。

    「すげえよくて…わるい」

    エクセルはばつが悪そうに下を向くと、次の瞬間には、もう余裕あるから、と顔を上げて笑った。
    サイファーはその覚えのある表情にドキリとする。

    「おまえどこの出身だ」

    今度はゆるゆると動き始めたエクセルに、サイファーは探りを入れる。

    「ティンバー。…だけどオレ孤児でさ、ほんとは分かんねえんだ」

    エクセルが苦笑いをしながらそう答えた。

    「年は」

    「17か18」

    そう言って、見えねえだろうけど。と拗ねたように付け加えた。

    もしかしたら、という予想がサイファーの脳裏によぎった。
    ゼルにセントラに来る前に生き分かれた、兄弟がいたとしたら。
    自分も石の家に住み始めた初期の頃は覚えていないくらいなのだ。
    ない、とは言い切れない。
    それならば酷似しているのも納得できる。
    サイファーは今日の所はそう結論付けた。


    そうと決まれば、この中途半端な状態はおしまいだ。
    そうして自分も終焉に向かうため、腰を揺らし出した。


    ■■■

    翌日、サイファーはあくびをかみ殺しながらガーデンの2F教室へと向かっていた。
    今日は朝から学生とSeeDの合同講義があるのだ。
    エレベーターのボタンを押して、3Fからカゴが到着するのを待つ。
    扉が開いたエレベーターの中に乗り込もうと一歩を踏み出して思わず硬直する。
    そこにはゼルが乗っていたのだ。

    「げっ」

    ゼルからおもわずといった声が漏れた。
    だがサイファーはその声に反応するのも忘れて、まじまじとゼルを見てしまう。
    昨日見た男と、やはりよく似ていた。
    タトゥー以外はそっくりだ。
    ゼルの顔とエクセルの顔がダブって見えた。
    甘くサイファーを呼ぶ声も、イくときの顔も、まさにこの男のものだ。

    「な、何見てんだよ。乗んのか?」

    サイファーはゼルの一言で正気に戻ると、ごまかすために咳払いをして中に乗り込んだ。


    教室での合同講義の最中も、サイファーは自分の斜め前に着席したゼルを注視していた。
    うなじのラインも、肩幅も、髪質もエクセルと同じように…見える。
    眉間に皺を寄せて自分をガン見するサイファーに、ゼルは落ち着かない気持ちでその時間を過ごした。


    「何なんだよ!俺になんか文句あんのか?」

    講義が終了するやいないや、ゼルはサイファーに食ってかかった。

    「お前昨日どこで何してた?」

    だがサイファーはその言葉を受け流して一番聞きたかった事を問いかけた。

    「はぁ?任務だったぜ。バラムでな」

    「嘘じゃねえだろうな?ティンバーに行ってないか?」

    「だから行ってないって」

    「おまえ兄弟はいるか?」

    「いや、いねーよ!知ってんだろ!何なんだよほんと」

    「ほんとにティンバーに行ってねえんだな?」

    ゼルが様子のおかしいサイファーに困惑したような表情を見せた。

    「本当よ。だってずっと私と一緒だったもの」

    その時、すぐ近くでキスティスの声が割って入った。
    FCの生徒をやんわり避けながら、こちらへ歩いてくる。

    「炎の洞窟の安全点検に行ってたの。ほら、SeeD試験が近いでしょ?」

    そう言ってゼルの側に立って腕を組んだ。

    「それがどうかしたの?」

    喧嘩は勘弁してとキスティスがため息をつく。

    「いや、それならいい。なんでもねえ」

    サイファーは別人であることを確認すると、素直にその場から歩き出した。
    後に残されたキスティスとゼルは、お互いに顔を見合わせた。


    つづく




    こんな感じで続いていきます。ゼルとサイファーとエクセルの3人をめぐるお話になります。
    一晩3000Gは他ゲームのゼノギのビリーから。でも3000Gって8だとバラム~ティンバー間の電車の値段だけど高いんでしょうかね…。




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    拍手ありがとうございます!
    小話心配だったので安心しました!
    がんばります~!!
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