こんにちは!
気がつけばもう12月ですっかり寒くなりましたね~!
オペオムもまったりやってますが、ディッシュイベのストーリーのゼルもまた凄かったですね…!
セリスとライトニングと並んでゼルのいる画面で、新キャラのディシュに美人ぞろいとか言われるの何事かと思いました…!
おかしいだろあそこで言っちゃうのは!!笑
セリス(綺麗枠)ライトニング(格好いい枠)ゼル(可愛い枠)
ってことなんですかね!?
まあ2人に美人って言ったんでしょうけどそんなことは気にしない!
前回に引き続き今回もおいしい役どころで、ストーリーではほんとゼル優遇されてると思います。
話は変わりますが、ついにサイトにSSLを導入しました!
その影響でこのブログと拍手は別ウインドウで表示されるようになりました。
内容は特に変わっておりません。
今後はこれでやっていきたいと思います!
最後に小話続きです~!
これで終わりです!
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「俺、その時気付いちまったんだ」
ゼルはまるで当時のリノアと同じ顔でそう言った。
「あの時の気持ちは、アンタのことを好きになった気持ちだったんだって」
言外に全く気付かなかったという事が滲んでいた。
それも当然で、性趣向がノーマルなゼルにとって、男、それも因縁のサイファーに対して自分が持ったものが恋愛感情だったなんて、まさか夢にも思わなかったのだ。
「それで、それ以来アンタの事が気になるようになっちまってさ」
ゼルは照れくさそうに鼻の下をこすりながらそう言った。
「後はアンタも知っての通り、校庭で言い合いしてるときにポロっと告白しちまったって訳」
「なるほどなぁ、それでテメエ当時やたら俺に突っかかってきてやがったのか」
合点がいったとばかりに、サイファーが組んでいた腕を外して顎に手をやった。
「う、うるせえな!俺のは話したぞ、今度はアンタの番だろ!」
ゼルが頬を染めながらサイファーの方へ体を乗り出した。
ここからが本番だと、ゼルの顔に書いてある。
「その前に一つ確認したいんだが、テメェあの野郎にヤられたのか?」
サイファーが急に神妙な顔つきになる。
「や、や、ヤられてねーよ!未遂だっての!」
ゼルは思ってもみなかったことを聞かれて慌ててそう答えた。
だが、サイファーの追求の手が緩むことはない。
「そうかぁ?格闘が十八番のテメェが押し倒されるってのは妙じゃねぇか?それにやけに親しげだったよな、テメェら」
疑り深い視線をゼルに向けて、サイファーが目を細める。
ゼルはしばらく無言で唇を噛んでいたが、覚悟がきまったのか話し始めた。
「あれは格闘クラスの先輩でさ、俺のこと凄く面倒見てくれて、強かったし、憧れてたんだ」
懐かしそうにゼルが遠くを見つめる。
「先輩は体育委員で、その日荷物運びがあるから手伝ってくれって言われてさ。言ってみたらマジ告白されて、固まっちまって…」
「で、業を煮やした先輩が実力行使に出たと」
「まぁ、そーゆーこと」
ゼルの話に割って入ったサイファーが結論を出す。
「男相手なんてさ、考えたこと無かったからさ。全然気づかなかったんだよな、先輩の気持ち…。ま、今はちょっと分かるけどさ。そんだけ!」
ゼルも俺の話はこれでお終いだと語気を強めて明るく言い切った。
「なあ!今度はアンタの番だぜ!」
好物を待つ犬のように、ゼルがソファから身を乗り出してソワソワしだした。
「あぁ?俺は今言うとは言っちゃいねえぞ」
「な…!なんだよそれ!!」
「簡単にマウントとられちまったテメエへの仕置きだ。また今度な」
手のひらをひらひらさせてサイファーがそう言った。
「なっ…!っ…そーーーかよ!はいはい、あんたはそう言うヤツだよな!!ヤなヤツ!」
サイファーの言葉にわなわなと震えていたゼルは、次に顔を真っ赤にして勢いよくそう言うと、フン!と顔を明後日の方向に向けしまった。
「俺、もう寝る!!!」
そう言うと、いきなりソファから立ち上がって、ドシドシと足音を立てながら自分の部屋へと向かってしまった。
「おい、まだ昼過ぎだぞ」
その様子をにやにやしつつ見ていたサイファーがからかうようにゼルの背中に声をかけた。
「うるせーー!フテ寝だ!!邪魔すんな!!」
遠くからゼルの大きい声が返ってくる。
それを聞いてサイファーはクツクツと笑った。
■■■
夕食の時間になっても自分の部屋から戻らないゼルに、サイファーはやりすぎたかと反省すると、未だ開かないゼルの部屋のドアへと手をかけた。
そっと中を覗くと、暗い部屋の中でカーテンが開け放たれたままだ。
どうやら本当にあれからふて寝をきめこんだらしい。
サイファーはそっと部屋に入ると、こんもりと膨らむゼルのベッドへと近づいた。
ベッドの上では、ゼルがまだ気持ちよさそうに寝息を立てている。
その綺麗な横顔は、怒ってサイファーの前から立ち去ったときとは別人のようだ。
それをしばらく眺めていたサイファーが、静かにベッドへと腰掛けた。
「あの時。あの時の目だ」
サイファーは眠るゼルにそっと声をかける。
「テメエが襲われた時の、俺に向けた懇願するような目」
サイファーの声が静かな部屋にそっと響く。
「あの目を見たときに、男もイケるかもしれねえって無意識に思ってな。野郎がおれの守備範囲に入ったんだぜ」
サイファーがゆっくりと窓の外に目を向けた。
地平線に太陽が沈んで、月がそっと顔を出している。
「俺もすっかり忘れちまってた」
そう言うと、ガシガシと頭を掻いた。
「テメエに告られた時、ああ、抱けるかもしれねぇと思ったのは多分その時のことが頭のどこかにあったからだ。今となっちゃ頭に来るが、野郎に押し倒されてるテメエは…情欲的だった」
そこまで言うと、最後に「それが切っ掛けだ」と付け加えた。
サイファーが黙ると、しんと静まりかえってしまう。
あたりにはゼルの寝息だけが規則正しく響いていた。
サイファーは一呼吸おくと、いきなり大きな声を張り上げた。
「テメエ!!いつまで寝てやがる!!もう飯だぞ!!」
ゼルがビクリと反応して飛び上がった。
「え!?も、っもう飯!?」
「テメエが気にすんのは飯かよ!ったく、とっとと起きて顔洗ってこい!」
サイファーはそう言うとベッドからすっくと立ち上がった。
「今日はハンバーグだからな」
「ま、マジで!す、すぐ行くから!」
ゼルは昼のことはなんとやら、ベッドから飛び起きると洗面所へと走っていった。
「ったく、気が抜けちまうぜ」
サイファーはそう言うと、好物をほうばってご機嫌になるだろうゼルを思って、小さく笑った。
おわり
依然どこかのコラムで『過去は固定されたものじゃない』というのを読んだことがあって、そんなテーマで書こうと思って作りました。
私たちは過去はもう決定されていて、未来は変化するものだと思っていますが、実は過去も見方を変えればいかようにも変化するっていう内容でした。
ゼルの気持ちが変化する辺りの話にうまく落とし込めているといいんですが、難しいです。
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