こんにちは!
早く更新しようと思っているときに限って、私生活がバタバタしたりオペオムがイベント忙しかったりとなかなか更新できずもどかしいです。
オペオムは復帰してすぐだったのでちょっと力入れて取り戻せるようにやってましたが、しばらくはストーリー勢としてまったりしたいと思います。
直近のガーランドのストーリーでのゼル素敵でしたね~。熱くなるライトニング達をいさめるなんて成長したなぁと感慨深くなってしまいました。
ゼルはああ見えて結構冷静なんですよね。サイファーに熱くなることもあるけど、軽くあしらう事もあったり…。
ストーリーはゼル優遇されてると思うので、見てて楽しいです。
あ、全然関係ないですが、今までサイトにSSLを導入してなかったのでブラウザに保護されてない~という警告出てましたが、ようやくいれましたので暫くしたら何も出なくなると思います。
うちのサイトは特に閲覧者が入力するところ拍手くらいしかないのであまり関係ないとは思いますが、安心してみて貰えるよう気をつけていきます。
以下小話続きです~
もう少し続きます。
「思い出したぜ」
思考の海から舞い戻ったサイファーがはっきりした口調でそう言った。
「あんたにはなんてことない事だっただろうけどさ、あの時なんていうか…」
ゼルはそう言葉を切って、なんと言おうか考えているようだ。
「変な気持ちになったんだ。締め付けられるような」
その時の気持ちを思いだしているのか、胸元を握りしめている。
「よくゲームとかコミックで見る、勇者に助けられるお姫様の気持ちってこんな感じなのかなって思った」
ゼルはそう言って、まぁ随分愛想のない勇者だったけどな、と付け加えた。
「それで、そん時俺に惚れたってか?」
ああ分かった、とサイファーは勝ち誇ったように続けるが、ゼルの反応は違うものだった。
「ん、いや~そん時はそれで終いかな」
あっけらかんと良い放った言葉に、サイファーはひっそりと眉間に皺を寄せた。
「じゃあ何だっつーんだよ」
少し苛立って言葉に刺が混ざる。
じろりとゼルに向かって鋭い視線が飛ぶ。
「あん時のことは、正直俺も忘れててさ」
サイファーの苛立ちに気付いているのかいないのか、ゼルの口調に変化はない。
「それで、リノアのことなんだけどよ…」
なぜか急にリノアの名前が出て、サイファーはゼルから視線を外してテレビの方を向いた。
このあとゼルから続く言葉にいやな予感がする。
「アンタってさ、付き合ってたことあんだろ?」
ああ、やっぱりそうきたかと、サイファーはゼルに分からないように深いため息をついた。
「まあな」
深い関係ではなかったが、好きだと言われて、拒絶せずに側に居た。明確に付き合っていた訳ではないが、リノアがそういうのなら否定はできないだろう。
「ふーん、やっぱそうなんだ…」
ゼルは淡々とその事実を受け止めて、何かを思案している。
「テメエ、それとこれと何の関係があるんだ!」
この話題は終いだとばかりに、サイファーは語気を強めた。
後ろめたいことはないが、現恋人の前でほじくり返したい話ではない。
「ああ、悪りぃ!責めてるわけじゃなくてさ!」
ゼルはそう言って両手をあわせる。
サイファーは無視して、両手を組みながらソファーへと深く腰掛け直した。
もうこれ以上この話に答える気はないというアピールだ。
焦ったゼルが、ちゃんと説明するからとその時の事を話し始めた。
■■■
スコールと付き合いだしたリノアは、最近ちょくちょくとガーデンへと遊びにやって来ていた。
スコールは先の大戦の処理でまだ忙しかったこともあって、なかなか自分からリノアの元へ足を運ぶことが出来なかったのだ。
その日もスコールを訪ねてガーデンを訪れてきたリノアだったが、あいにくスコールは予定外の出張で帰還が遅くなるとガーデンへ連絡が入っていた。
手持ち無沙汰にガーデンをブラブラしていたリノアと、丁度任務上がりで腹を空かせていたゼルが食堂前で出会ったのは偶然だった。
「よっ!元気?」
リノアの元気のいい声が廊下に響いた。
「おっ、リノアか?あれ、スコールいねえの?」
スコールに会いに来ていると分かっているゼルがキョロキョロと辺りを見回す。
「留守なんだって、残念~。というわけで、一緒に食事でもどう?」
リノアが悪戯っぽい顔でウインクをする。ゼルはもちろんだと返事をすると、早く行こうぜと先を促した。
「ねえ、サイファー元気?」
食事も終わり、最後に取っておいたフルーツにありつこうとしていたゼルに、リノアが少し陰のある顔でそう問いかけた。
「んぁ?ああ、あいくぁらず文句言いながら任務ついてるぜ」
綺麗にカットされたリンゴを頬張りながらゼルは深く考えずにそう答えた。
ガーデンに復学したサイファーは、贖罪のための無償任務期間の最中なのだ。
「そっか、良かった」
リノアがホッとしたように明るくなる。
「ほんとはいい人だから…あいつ」
リノアの柔らかく微笑む顔を見て、ゼルはそういえば二人は付き合っていた事があったんだったと思い出す。
「あ、今はもちろん全然何にもないからね!」
リノアはそんなゼルの表情で何が言いたいのかを悟ったのだろう、両手を降りながら慌ててそう言うと、今度は落ち着いて言葉を続けた。
「昔、私がティンバーでちょっとドジっちゃった事があって…その時偶然通りかかったサイファーが助けてくれたんだよね」
リノアはそう言うとテーブルの上のアイスティに手を伸ばした。
「悪いオトコの人たちを簡単にドカーン!とやっつけちゃってさ…格好良かったんだよ」
リノアはそう言うと、両手の中のアイスティを揺らしながら、それをゆったりと見つめていた。
ゼルも目をやると、リノアが揺らす度に水面がキラキラと輝いて、時折カランと小気味良い音を鳴らす氷がグラスの中を踊っていた。
そんなリノアの様子で、鈍いゼルでも分かってしまう。
「そん時に、好きになったんだな」
「うん、そう」
リノアはグラスをそのままに天を仰ぐ。
「王子様みたいだなって思ったの。小さい頃絵本で見た、白いマントを羽織った金の髪の王子様。お姫様の私を助けてくれる。そう思ったらね」
ゴクリ、とゼルが唾液を飲み込む。
微かに手も震えていた。
急に表情を無くしたゼルに、リノアは気付かない。
「胸がギューッとなって、ああ、好きになっちゃったって気付いたの」
ゼルの頭に殴られたような衝撃が走った。
走馬燈のように記憶が駆けめぐる。
リノアの話の途中から、バクバクと鼓動が高鳴った。
過去が巻き戻したように思い出された。
あの時のサイファーの顔、言葉、視線…。
まさか、あの気持ちは。
変な気持ちだと思ったあれは。
ゼルは自分に呼びかけるリノアもそのままに、しばらく呆然と虚空を見つめ続けていた。
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