こんにちは!
なんだかんだとバタバタしてご無沙汰になってしまいまして…よーやく更新できました…。
HPも内装を変えたいとずっと思ってるんですが、作品作る方に時間さく方が有意義だと思ってしまってなかなかやれていません。
スマホ対応にしたいんですよね~。一応今でも見れてはいると思うんですが…。
さて、また小話書きましたのでおつき合いくださいませ~!
まったりした話になる予定です!
マンションの一室に春の暖かな日差しが差し込んでいる。
窓辺のソファに座ってテレビを見ていたサイファーとゼルは、ゆったりとした気持ちで久しぶりの休日を満喫していた。
何ヶ月ぶりかに奮われたサイファーの料理の腕は鈍っておらず、ゼルの腹もすっかり満たされている。
テレビからは昼のバラエティの明るい音楽と司会者の陽気な声が響く。
ゼルは長いソファに埋まるように背を預けてそれを見ていて、一人掛けのソファに腰掛けたサイファーが、肘掛けにひじを突きながらそんなゼルをそっと見ていた。
「なあ、そういえばなんでアンタは俺と付き合おうと思ったんだ?」
盗み見ていたゼルが急にサイファーの方を向くとそう切り出した。
一瞬、見ていたことがバレたかと顔を強ばらせたサイファーだったが、聞こえてくる司会者の声が似たようなことをゲストに聞いている。
影響されただけかと心の中でほっと胸をなで下ろした。
「てめえはどうなんだよ」
今度ははっきりとゼルの方を向いてそう切り返した。
付き合いだしてもう数年にもなるだろうか。
いつのまにか同棲まで始めてしまった2人だったが、明確な切っ掛けを知らずにここまできたのだ。
「お、俺が先に聞いたんだろ!答えろよ!」
動揺したらしいゼルが、ソファから背を起こして前のめりになる。
「だからだろうが。そういう事は自分から言うのが礼儀だろ。名前を名乗るのと一緒だ」
当然だとばかりにそう言われてしまいゼルは怯んだ。
こうなったサイファーは梃子でも譲らないのは今までの経験で知っている。
しばらく目線を彷徨わせながら逡巡していたが、覚悟を決めたのかサイファーへと向き直った。
「わ、わかった。約束だからな!」
そう言うと、どこから話そうかと下を向いて考え出した。
「まだ俺が学生だった頃…ええと6年前くらいかな?あんた、俺を助けてくれたことあっただろ?」
ゼルは考えがまとまったのか、そっと顔を上げて話し始めた。
「体育委員室でさ」
ゼルがそう言いきった時、虚空を見上げて思考を巡らせていたサイファーがようやく口を開いた。
「ああ、あれか…」
そういうと、更に深く思い出すべく思考の海に潜っていった。
■■■
あれは丁度学期末の頃で、サイファー達風紀委員は、ガサ入れという名の抜き打ち検査を各委員会へと行っていた。
体育委員会(体育祭や実技に使用する武具や道具等を管理している委員だ)の使用する部屋へと一人でガサ入れに来たサイファーは、ドアの向こうにおかしな気配を感じた。
揉めているような様子だが、かといって怒鳴り合いという風でもない。
サイファーは躊躇なく委員会室のドアを開いた。
勢いよく叩きつけられたドアに、中にいた人物が驚いてビクリと反応するのが見えた。
「何やってやがるテメエ等…」
サイファーの目前には、机に押しつけられた半裸の男と、彼にのし掛かる男がいた。
下になっている男は、衣服も髪もくしゃくしゃになっている。
もみ合いがあったのだろう、普段はきっちりと置かれている机は、定位置からずいぶんと離れたところまで移動してしまっている。
「サイファー…!」
いきなり登場した人物に、二人が同時にそう言い放った。
「…取り込み中だ」
のし掛かった男が、即座に正気を取り戻してそう言った。
下半身の衣類をくつろげているのがサイファーの位置からでも見える。
つまりはそういうことだ。
サイファーはその男を一瞥すると、下の男へと声をかけた。
校則違反の常習者で、見覚えがある。
「てめえはゼル=ディンだな」
そう言われたゼルは、濡れた瞳を揺らして
サイファー見上げた。
「こいつと付き合ってんのか?」
男を無視して、サイファーはゼルへとそう問いかけた。
そこに嫌悪や侮蔑はなく、ただの事実確認という声色だった。
「ゼル、知り合いなのか?」
男は驚いたようにゼルへと声をかけた。
ゼルは思い切り首を振った。
もの言いたげな瞳でサイファー見上げるゼルが、強い視線で訴える。
2人の視線が絡み合い、交錯する。
サイファーに対する答えなのは明白だった。
サイファーはつかつかと2人まで近づくと、いきなり2人が乗っている机を蹴り飛ばした。
途端にバランスを崩した机と男達が床へと転がる。
「不純異性交遊は禁止だ。もっとも今回は同性だがな」
床へと這いつくばる男に、サイファーは直立したまま、頭上からそう言い放った。
すでに身長が180を越えていたサイファーの威圧感が凄まじかったのか、風紀委員相手は分が悪いと踏んだのか。
男は下衣を直しながら立ち上がると、舌打ちしながら部屋を出ていった。
部屋にはゼルとサイファーが残された。
「あ、ありがと…」
ゼルはそう言ってよろよろと立ち上がると、くしゃくしゃになった衣服を身につけだした。
「テメエもだ。不健全的行為は禁止だ」
そう言うと、サイファーは部屋を出ていった。
続きます
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また更新していきますので遊びに来てくださいませ~!
どみ様
コメントありがとうございます!
こちらこそ拝見いたしました~!!
皆様萌えるサイゼルなのに、私はなんでオールギャグにしたんだろう…(真顔)と思っていたのでそう言っていただけて嬉しいです。
ゼルは常に本音がポロリしてると思います笑
どみ様のお話もとても素敵で、瞳の色合いって血流とか、感情とか、色んな要因で変わると思うんですが、それに気づけるのはやっぱり相手のことをよく見てるからなんだろうなぁと思いました。
ゼルは感情の上下が激しくて、余計に人よりその変化が出るのかと想像して萌えました…!
全体の雰囲気も綺麗で読んだ後、上質の映画を見た後のようにジーンと心に残るものがある、心地の良いお話でした!
また、コメントのお返しで感想を書かせていただくのをどうぞお許し下さい。
連絡先がpixivしか分からず、いきなりご連絡するのも憚られるかと思いましたのでこちらに書かせていただきました。
感想をお送りしても良いご連絡先がありましたら、お手数かと思いますが拍手に入れていただけると嬉しいです。
コメントありがとうございました~!