チキン調教師の朝は早い。

  • 小話更に続きです!ようやくゼル登場…。R-18です!

    2週間も体を合わせていないと疼いて仕方がない。
    女のそこを割開いて体を寄せて自身をあてがうと、期待からか既にそこは濡れて、俺を咥え込もうとしていた。
    そのまま押し込んで、突き上げる。
    ぬるついて、熱く、締め付けられる。
    だが、体の一部が熱くなるだけだ。
    資料でしか素性を知らない女なんかに何も感じはしない。
    ただ余計に飢えて、苦しむだけだ。
    余計なことを考えても仕方ない。
    何度も、何度も、ただ女の欲するままに叩きつけた。
    極まった女はうわごとのように俺の偽りの名を呼び、最後には痙攣して果てた。

    気絶した女からずるりと未だ固くしこる自身を引き抜いた。一度も達していないそこは解放を求めてひくついていたが、アイツ以外の中でイくのは死んでもごめんだった。仕事を選べない俺の、行為へのせめてもの抵抗だ。
    達していない体は火照って仕方がない。戦闘後のような高揚感が俺を包んでいた。

    荒ぶるソコを無理矢理押さえ込んでズボンを履くと、静かにベッドを降りて女のデスクへと近づいた。デスクのデジタル時計が3時を刻んでいる。時間は限られてる。仕事を終わらせなければ。

    長官からコードを受け取るのが22時、俺と会ったのが23時でシャワーを浴びる時間や移動時間を考えればコードがこの部屋にあるのは明確だ。
    まずは、と部屋に入った際に目を付けていたデスク上のスチール製の小箱を手に取る。
    指紋認証で開閉するそれを、眠る女の指にそっとあてがいロックを解除した。
    中には、学園長から聞いていたコードのはいったメモリが、紺のベルベットの布地に置かれていた。
    一発で見つけられたのは僥倖だった。時間が稼げる。
    それを急いで襟の裏に隠していたミニディスクにコピーする。
    少しの時間だったが、いやに長く感じられた。
    箱を元のように戻し、何もなかったように偽装すると静かに部屋を出た。

    闇に紛れて、打ち合わせていた施設の監視の目の届きにくい場所へと足を運ぶ。
    女の部屋に行く前に連絡したおかげで、既にそこにはSeeDが闇に隠れながら待機していた。
    俺が近づくと、2人のSeeDがこちらへ素早く近づいてくる。
    今夜は新月でギリギリまで顔が分からなかったが、それはシュウとキスティスだった。
    フェンス越しにコピーしたミニディスクを渡す。
    二人から、異様な緊張が感じられる。
    「ゼルはどうしてる。何も言ってねぇだろうな」
    体が火照る俺は、無意識にその言葉を漏らした。フェンスに指をかけて2人を強く見つめた。握りしめたフェンスから小さくカシャンと音が鳴った。
    「サイファーお願い。それ以上こちらにこないで」
    キスティス厳しい顔のまま後ろに下がった。
    「今のアンタ、興奮してて…怖い」
    シュウもフェンスから遠ざかりながら自分の体を抱きしめた。
    シュウもキスティスも俺がさっきまで何をしていたかを知っているのだ。俺の任務内容を知っている。
    それでシュウの奴、あの時俺の顔を見なかったのか。
    その時キスティスが俺の下腹に目をやって、見てはいけないとばかりにすぐに反らした。未だ解放を求めるそれはきつく布地を押し上げている。
    「ゼルには言ってないから安心しろ。…服が乱れてる…から、きちんとしておけ」
    軍服を羽織っただけの俺を見てそう言うと、最後に心の底からと言う声色で「ご苦労だった」と付け加えて、2人は闇に消えていった。
    これで、コードはガーデンへ、そしてエスタへと届くだろう。
    俺もその場をそっと離れた。ゼルに知られていないと分かり安心した。

    ■■■

    次の日、俺は副官に呼び出された。
    あの女と関係を持ったことを責められ、そうして数日後、俺は僻地の勤務へと移動させられた。
    狸親父はこの事も分かっていたようで、俺に任務完了を言い渡した。
    後に聞いた話ではあの女隊長が気に入った新人に手を出すこと、そうしてそれを気に入らない副官が僻地へ飛ばすことはよくあることのようだった。
    その後、俺は速やかに除隊申請を出し、そうしてガーデンへと戻ってきた。

    その足で学園長の元へ赴き、経緯の説明と報告を行うと、俺はすぐさまゼルと暮らすマンションへと向かった。

    俺が今日帰ることは事前に知らせてあったからか、家に帰るとゼルは特別驚いた様子を見せなかった。
    ソファに座って、映画を見ながらポップコーンを食べていた。
    口に物を含んだ声で「おかえりー」と言いながら、画面に食い入っている。

    俺は部屋に入るなり、ソファのゼルにのし掛かった。
    3週間ぶりという事もあったが、あんな任務を早く忘れたかった。こいつの中に入りたかった。
    早急にゼルの体を開いて、自身をねじ込む。ゼルが待って、ゆっくりと背を叩くが待ってなどいられない。
    俺の場所はここだと早く実感したかった。
    抜き差しするごとに、コイツの甘い声が漏れて耳をくすぐる。
    俺の名前を切なく呼んでしがみついてくる。
    背に立てられる爪が心地いい。
    あの女にしたように何度も貫いて、感じるコイツに俺も締め付けられる。
    心が満たされていく。
    奥へ奥へと攻めいる。もっと深く交じりたい。
    最奥の襞を何度もこすり、奥の窄まりを責める。
    ゼルが弓なりに背をしならせて悲鳴のような嬌声をあげる。
    窄まりの吸い付くような締め付けに自身が限界を訴える。もう何も我慢しないくていいのだ。
    吸い付きに合わせて勢いよく何度も中に射出する。幸福感と快感と充実感がないまぜになって自然と声が出た。出す度に頭が真っ白になった。
    体位を変えて、汗だくになって、辺りはすっかり闇に覆われたが、俺たちは明かりもつけずその日何度も交わりあった。
    愛しかった。



    月光の薄明かりだけが差し込むリビングで、失神してぐったりとソファに横たわるコイツを見ていた。

    ゼルは何も知らない。
    いや、知られるわけにはいかない。
    もし知れたら、俺を非難し女と寝る方がいいのかと罵るか…はたまた悲しんで涙を流すか…。
    受け入れられるとは到底思えない。
    だが、SeeDは何故と問うなかれ。
    これからもこういう任務がこない保証などない。どうしようもないのだ。

    俺はそこで考えるのを放棄した。今はコイツとの余韻に浸りたい。
    そうして俺は寄り添うようにソファで眠りについた。


    もうちょっと続きます


    サイファーに怯える2人を書きたかったので満足です。
    二人とも劇中ではサイファーに全く動じてないふうだったので、普段と違うサイファーを見てシュウとキスティが怖いと思うっていうのいいなぁと思って入れました!




    拍手ありがとうございます~!!もう少しで完結なので頑張ります~!
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