チキン調教師の朝は早い。

  • サイファー編続きその2 R18注意です!

    あの日以来、俺たちは寝所を共にすることなく今に至っている。
    というのも、俺に中期の任務が入っちまったからだ。
    1か月半に及ぶ要人警護の任務だ。よりにもよってなぜ俺に白羽の矢が立つのかと疑問に思っていたが
    (俺の経歴は悪い意味で有名だからな)、それもクライアントに会うことで一瞬で理解できた。
    「ラグナ=レウァール大統領…」
    俺はそう彼の名前を口に出した。
    彼はひさしぶりだなぁサイファー君!元気?などとこちらに手を振っている。
    確かに、彼なら俺の経歴なんて気にしないだろう。
    執務室のデスクに腰掛けるラグナを両隣に立つキロスとウォードがたしなめている。
    こりゃぁこの任務苦労するぜと頭を抱えたのが記憶に新しい。

    そうして、仕事をしているのか遊んでいるのか微妙なラグナとともに、ガルバディアで開催された
    主要国首脳会議に参加している。
    俺を見たガルバディアのお偉方の反応で理解したが、ラグナは俺を傍に置くことでガルバディアを
    牽制したかったようだ。俺の存在は、彼らにとっては目の上のたんこぶだろうからな。
    大方、キロス辺りが考えたのだろう。
    まぁ、会議の内容は俺には関係ねぇからな。俺は俺の仕事をするだけだ。

    警護中は基本気が張ってはいるが、仕事が終わって充てられたホテルに戻ると、どうしてもあいつのことを考えちまう。
    あいつは一体何を考えているんだ?だが、考えたところで答えが出るわけじゃねぇ。
    そのままの思考で最中のゼルを思い出してしまい、その日は自分で扱いで衝動を収めた。何度もあいつを抱く想像でイった。

    その日は1週間ぶりに与えられた休日ではあったが、やりたいことというのが特に思いつかなかった。
    溜まっていた家事と、ガンブレードの手入れなどが終わってしまえば、あとは買い出しに行くぐらいのものだ。
    普段なら一緒に飯を食って、トレーニングに励んだり、ティンバー辺りに出かけたりとやることは多いのだが、
    あいつがいないとこんな簡素な生活になっちまうということが身に染みた。
    やることもねぇし買い出しに行くか。そう思い立ち、ゆっくりと凭れていたソファから立ち上がった。
    買い出しと言っても、日用品を買うくらいのものだ。
    いちいち自炊などしないので、レトルトの食品を籠に投げ入れていく。好きでもねぇピザまで入れちまった。
    あいつが好きなメーカーのやつだ。畜生め。
    薬も切らしていたと思い出して商品の棚を見ていると、ふととある商品に気付いた。
    思わず手に取ってパッケージの裏に書いてある説明を読んで納得する。
    こいつはいいもん見つけたぜ。流石はガルバディア。いろんなもんが置いてある。
    思わず口の端に笑みを浮かべると、それも籠の中に一緒に入れたのだった。


    気が付けば、一か月半などあっというまに過ぎ去って、契約終了の日がやってきた。
    ラグナ達の成果は上々のようで、未だ根の深いガルバディアとティンバーの協調、
    増え続けるモンスターへの対策に特に目覚ましい進展があったようだ。
    成果は上々とのことで、俺も問題なくガーデンへと帰還することとなった。
    最後にラグナから「サイファー君また頼むね~!」という気の抜けるような挨拶を貰ったが、まぁ良しとしよう。
    俺はいくらかの荷物をガーデンへと郵送すると、ガンブレードケースひとつを手に岐路の便に乗った。


    ■■■


    ガーデンに戻ると、ガルバディアがいかに涼しい土地だったか思い知る。あそこは夜が長くて大概曇りだからな。
    もう夕方近いというのに、まだ残暑が厳しい。
    門扉をくぐると、傍のベンチにゼルの姿があった。下を向いて、足元の石ころを蹴って時間を潰しているようだ。
    その様子から、ずいぶんそこで待っていたことがうかがえた。
    端末から今日戻るとは連絡したが、時間までは伝えていなかったことを思い出す。
    まだこちらに気付いていない彼に向かって真っ直ぐ歩を進めた。
    流石に格闘家らしく、自身のテリトリーに入った途端に気づいて、ハッと顔をあげる。
    「だいぶ待たせちまったようだな」
    そう言って目の前まで行くと、すっくと立ち上がって「別に大して待ってねーし!」などと可愛いこと言いやがる。
    俺の顔を見た途端、嬉しそうな顔しやがったくせによく言うぜ。
    歩き出した俺の後ろを、汚れた尻をはたいてからテクテクとついてくる。たまんねぇな。
    実に一か月半ぶりだからな。なんかこみ上げるぜ。

    歩きながら、離れていた間のいろんなことを話した(ほぼこいつが一方的にだがな)
    ガーデンでは俺がいない間にサマーパーティなるものが開かれていたらしく、そこで酔っぱらったアーヴァインが
    セルフィに張り手を食らった話や、ニーダがカードでついにシュウに勝ったりと、いろいろあったようだ。
    まぁ俺にはどうでもいいことばかりだが。だが最後に「あんたもいればもっと楽しかったのに」という
    ゼルの小さな声が響いた。
    それでさみしくなって迎えに来てやがったってわけか。
    丁度人通り無い廊下を歩いていたので抵抗はないとみて、そのまま隣を歩く小さな体を抱きしめた。
    突然の抱擁に驚いて何すんだよ!と小さく声を挙げていたが、大人しく納まっているのを見ると
    やはり思うところがあったようだ。
    「今日は可愛がってやるからな、覚悟しとけよ」
    耳元で告げたその言葉に、腕の中のこいつは真っ赤になって固まってしまった。

    その後、喋り足りないこいつと、駆け寄ってきた風神雷神も加わって共に食事をとり、久しぶりのゆったりと
    流れるガーデンの雰囲気を楽しんだ。
    今日中提出の書類をまとめるからと、ゼルは先に部屋へと戻っていった。
    その頃になると丁度送っていた荷物も届き、部屋で荷解きをしようと俺も引き上げた。
    粗方荷解きも終えた頃、丁度端末に「もう部屋に行ってもいいか?」というメッセージが届いた。当然、ゼルからだ。
    「いいぜ。シャワーも浴びてこいよ」
    少しからかってやろうと露骨なメッセージを送り返した。
    いつもなら「誰が浴びるか!」だとか「セクハラ野郎!」という憤慨メールが送られてくるのだが、今回は音沙汰なしだ。
    やりすぎたか。ご機嫌斜めになったのだろうと、今日はもう返事はあきらめて、明かりを落としてベッドへと転がった。

    しばらくして、部屋のドアが開く音で俺は目を開いた。
    ベッドに横になりながらそちらへ顔を向けると、廊下の明かりを背にゼルが所在なさそうに立っている。
    「入れよ」
    もう機嫌は治ったのか。体を起こしてサイドランプを付け、こいつが座れるスペースを作ってやる。
    「…おう」
    ゼルは小さくそういって、控えめに俺のベッドに腰掛けた。
    見ると、髪はセットされておらず本来のミディアムヘアのままだ。少し湿っているようだ。
    上気した肌からはほんのりソープの香りもする。
    まだ着たばかりであろう皺のない白いTシャツには、ひよこのワンポイントがついている。(突っ込んでいいか?)

    「シャワー浴びてきたのか」

    「あ、あんたが浴びてこいって言ったんだろ!」

    まさかと思い聞いてみると、赤くなったゼルが明後日の方を向きながらそう答える。
    ってこたぁ、ここからはお楽しみタイムってわけだ。

    俺は隅っこに座っているゼルを抱えると、ベッドの中に引っ張り込んだ。
    後ろから抱え込み、首元にキスを落として、まだ湿り気のある髪に鼻先をうずめる。
    Tシャツの中に手を忍ばせて、胸元をまさぐる。
    「電気、消してくれ」
    サイドランプの明かりでも恥ずかしいのか、そんな殊勝な事を言いやがる。
    「これ以上消したら見えねぇだろ」
    もっともな言い分だと自分でも思う。ゼルはしばらく逡巡していたが、あきらめたようだ。
    もうこれで抵抗無しとみて、進行を開始する。
    ねっとりと乳首をこねて首筋を舐めあげる。もう一方の手は、ハーフパンツの中に進行中だ。
    茎部を撫でるようにじらして、太ももを摩る。
    ゼルの体が徐々に熱くなっていくのを感じる。肌を撫でるたびにビクリビクリと反応を返してくる。
    徐々に慣れて刺激が足りないと体をくねらせるので、胸の飾りをはじく様にしてやると、
    吐息と嬌声の間のような声を返してくる。
    もどかしくなって、服を全てはぎ取った。ゼルもその気なのか協力的で、すんなり脱がせることが出来た。
    俺の服も脱がせようとするので、好きにさせてやった。
    同時に体制を変えて正面から向かい合い強く抱き合った。
    ぴったりと隙間無く抱きしめると、ジンとしたものがこみ上げる。
    美しい身体だ。闘う為にある、戦士の身体。無駄なものが無い。
    そぎ落とされ、鍛えられ、かつ、しなりのある、俺とは違う身体だ。
    戦闘時にはこの華奢な体のどこにそんな力があるのかと疑問に思う。
    だが今は、この体を蹂躙するのみだ。
    乳首を舐めて、そのまま腹の筋に沿ってキスを落としつつ臍のくぼみを舌でくすぐる。
    俺の枕を頭にあてがって寝かしてやると、なんかあんたの匂いがするとか抜かしやがる。優しくできねぇぞ。
    舌を這わせたまま局部へたどり着くと、ゼルが期待からふるりと震えたのが分かった。
    下肢に顔を埋めて、すでに立ち上がりかけているそれを舐めあげた。
    「はぁっ…!」
    じらすように何度もそうすると、刺激が足りないとゼルの腰が揺れだす。
    そうしてなんとかしてくれという目でこちらをじっと見つめるのだ。
    その顔最高だぜ。金糸の間から除く濡れた青い瞳を見つめながら、俺はお望みどおりそれを口内へ含んだ。
    じゅぶじゅぶと音を立ててしゃぶってやれば、膝を震わせて快感に喜ぶ。
    見せつけるように舌を絡ませてやると、直視するのは恥ずかしいのか顔を背けてしまう。
    「見ろよ」
    射抜く様にして命令すると、真っ赤に上気した顔で伺うようにこちらを見遣る。
    たまんねぇな。興奮する。こいつの一挙手一投足が局部に直撃する。
    俺のものもすっかり立ち上がって、擦り付けたこいつの太ももから透明な糸を引いている。
    我慢できなくなって、自身とこいつとを同時に握りこんで夢中でスライドさせる。
    「ああ…」
    気持ちよさに思わず声が漏れてしまう。
    だが、ゼルがその手を必死に止めようと、腕を伸ばしてくる。
    良くないのかとそちらへ顔を向けると、ゼルの真摯な瞳と視線が合った。

    「サイファー、しようぜ」

    溶けそうな顔で、こいつはそういった。

    急いで弾けそうになっているそこから手を離して、ゼルへと向き直る。

    「いいのか」

    ごくりとあふれる唾液を飲み込んで、念を押した。

    「準備してきたから、大丈夫」

    そういって、ゼルはそっと俺の前に足を開いた。
    俺は虚を突かれたように一瞬固まってしまった。
    欲したものをなんの予告もなく眼前に出されると、人間ってのは思考が止まっちまうもんみてぇだ。
    だがすぐに虚空から復帰した俺は、逸る様にゼルの上に乗って体を寄せる。
    さっきまですっかり停止していたはずなのに、今度は早く早くと思考が体が俺を焦らせる。
    そこはすっかり熟れて、ゼルの呼吸に合わせてゆっくりと収縮を繰り返している。ピンクの襞が誘うようにうごめく。
    何度も想像の中でこいつを犯してきた。その度にココに入れる想像を繰り返してきた。
    いやに粘液性の唾液が口に回る。激戦の最中にいるように興奮する。神経がチリチリと焦げるようだ。
    幾度か自身を扱いて、先のぬるつきを竿全体に回して、極力ゼルに負担がかからないようにしてやる。
    そこでふと気づいた。俺の中の残っていた理性が、その行為でアレの事を思い出させたのだ。
    「ちっと待てよ」
    俺はゼルにそういうと、寄せた体を離して、サイドボードへと手を伸ばした。
    ゼルが何事かと俺の動きを追っているのが分かる。
    2段目の引き出しに確か入れたはずだ。
    俺は目的のものを引っ張り出すと、新品の袋を破ってゴミ箱へと捨てる。
    ゼルの視線がいまだに疑問から抜け出ないのを見て、それを彼の前に差し出してやる。
    「アナルセックス用のローションだ」
    チューブのパッケージにデカデカとその旨の商品名が書いてある。
    この前の仕事のついでに買っといた。と付け加えると、信じらんねーと呟いてまた赤くなりやがった。
    俺の前に足開く方がよっぽど勇気いると思うけどよ。

    そうして再びゼルに体を寄せると、チューブからローションを取り出してゼルのそこへと塗り込める。
    揉むようにしてやると、指をぬぷりと飲み込んで驚く。それをいいことに、中にも少し塗りこんで、仕上げに俺自身にも
    たっぷりと塗りつけて、扱いてなじませた。
    もう我慢も限界だ。俺のモノもいつまで焦らす気だと張りつめている。
    ゼルの足を腕にかけて、そのまま覆いかぶさって下肢を寄せ、入口へと先を押し付けると、
    そこは吸い付く様にして俺の亀頭を飲み込んだ。
    「…っ!」
    少し苦しいのか、ゼルが声をあげるが、以前のような苦悶の表情ではない。どこか陶酔したような、有体に言うとエロい顔だ。
    こいつの様子を見ながら、少しづつ腰を進めていく。
    暖かくて、吸い付いてくるようで、入口に至っては半端じゃないくらいの締めつけに頭がくらくらする。
    中をかき分けて奥までたどり着くと、ゼルへと体を預けて、口に吸いついた。
    お互いに口を食んで、舌を絡めて契りを喜ぶ。
    ゼルの手がそっと俺の背中に回る。もういいだろう。
    散々吸い付いて真っ赤になった唇から、ちゅっと音を立てて離れると、ゆっくりと抽挿を開始する。
    今まで我慢した分、存分に腰を振ってこいつを喜ばせる。
    ゆっくり大きいストロークから、小刻みに突き上げるようにとリズムをつけて揺すってやると、
    初めて味わう快感にゼルが打ち震える。
    入口を浅く攻めて、雁首で押し広げるようにするとゼルの腰が震えてひっきりなしに声が漏れた。
    「あぁっ…サイファー!」
    時折嬌声に俺の名前が混じる。
    いろんな場所を突き上げてポイントを探していると、ゼルの啼き方が変わる個所を見つける。
    腹側の中ほどあたりに絞って突き上げてやると、ゼルが悲鳴のような声をあげた。
    「サイファー、そこやだっ!」
    ゼルがソコばかりを狙って攻める俺を止めようと、必死に縋り付いてくるが、逃がすわけがない。
    「っ…そういうのをイイっていうんだよ!」
    ここがこいつのスポットだ。

    ゼルが涙を流して初めての快感を訴える。許してやれねぇ。俺はそんなに優しくねぇんだ。
    ゼルのスポット目がけて渾身の力で俺の怒張を突き上げる。
    ゼルからは、もはや悲鳴なのか嬌声なのか分からない声が上がる。その声にもまた興奮する。
    そうして俺は更に自身を固くして、ゼルを喜ばせるのだ。
    激しい挿入に、ローションが泡立って、俺たちの動きに合わせてぬぷりぬぷりと淫靡な音を響かせる。
    腰が解けそうだ。腰を振るたびに、脊髄を快感のみを有した電気が走りぬける。

    ゼルが耳元で何かを叫んでいた。
    だが俺も極まっていて、それをうまく聞き取れない。
    もはや何も考えられない。ここには俺とこいつしかない。
    夢中で腰を打ちつけて、そうしてものすごい締め付けを経て、俺は達した。
    腸壁の動き搾り取られるように精を預けた。何度かに分けてこいつの中に勢いよく出し切る。
    あまりの快感に、噛み殺しきれなかった声が漏れた。
    しばらくは目の前が真っ白で、充実感と一体感に放心したように呆けていたが、すぐにゼルのことを
    思い出して、彼を見遣った。

    はたしてゼルは、俺の背に腕をまわしながら、息も絶え絶えになっていた。
    かろうじて意識はあるようだが、目は虚ろで涙の痕が目元に残っている。
    だが、俺をの背をひっしと掴んでいた。腹部には、彼もまた達した跡が飛び散っていた。
    「ゼル…」
    その淫蕩で、崇高な姿に俺は心の底から思った。こいつを抱けて良かったと。こいつに受け入れてもらえてよかったと。
    軽いキスを何度か口に落として、ずるりとゼルの中から自身を抜き去った。
    一瞬ゼルは目を細めて何かを感じたようであったが、俺を強く抱きしめた後、気絶するように眠ってしまった。

    俺はゼルの体をタオルで清め、予備のシーツに変えた後、あいつの隣で眠りについた。
    心地よい疲れと、充実感に言葉にはできない何かが胸に湧き起こる。俺にもそんな感情があったのかと驚いた。
    朝起きた時、こいつもそうだったらいいのにと眠りかけの頭に思い浮かんだ。

    俺は今幸せだった。



    つづく


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    まだ続きます笑 まだ書きたいことがあります!
    次はゼルの行動編です。それでいったん終われるかと思います。
    もう少々お付き合いをお願いします。

    うちのサイファーはゼルの事大好きすぎて、事後に引き剥がすのが大変です笑
    ココでエロはしっかり書く気だったので、ここより前のエロはあっさり目になっているかと思います。
    まだエロさが足らんな…と思っているので、小話に乗せるときに書き足すかもです。

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    拍手押してくださった方ありがとうございます~!
    長編書いてると、読んでくれている方がいるというのがとても励みになるのでとても嬉しいです!
    また遊びに来てやってくださいませ~!


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