チキン調教師の朝は早い。

  • 小話どうぞ!

    こんにちは!
    ほそぼそ書いていた小話ができてきました!
    R18になります。
    おもちゃを使った話になります。
    よければご覧ください~!




    「ありがとうございました!」

    そう言って俺の目の前のドアが閉まった。
    俺の手にはUmazonで取り寄せた商品の段ボール箱が一つ。
    俺は意気揚々とその箱を持ってリビングへと戻った。
    1週間も前からこれを待っていたのだ。
    全ての準備は万端だ。
    来客の予定は無し。俺の予定もなし。
    同棲しているサイファーの任務は深夜までかかると確認済みだ。
    今が昼食った後だから、まだまだ時間はある。
    俺はごくりと一つ唾を飲み込んで、箱を破る勢いで段ボールを開けた。
    辺りにちょっと剥がしたガムテープとか散乱しちまったけど、後で片づければいいやと中を覗き込む。
    そこには、俺の注文したものが入っていた。

    アナルオナホール 1つ

    これが俺が待ちに待っていたものだ。
    別にすげえ溜まってるとかってわけじゃねえぞ!
    話は複雑なんだ。

    サイファーとはもうつき合って5年くらいになるかな。
    当然かなり前から身体の関係もある。
    なのにあいつが感じてるとこってほとんど見たことねーんだ俺。
    俺はすげえ気持ち良くなっちまって声とかでちゃうんだけど、アイツはいっつも眉間にしわ寄せてんだわ。
    しかも俺の中でイってる記憶もない。

    それで俺は思ったわけだ。
    俺の中って実は気持ち良くねーんじゃねえかって。
    つき合ってても身体の相性が良くないって事よくあるってアーヴァインが言ってたんだ。

    そもそも、男を抱くのがどういう感じなのか、気持ち良いのかも俺には分からなかった。
    そこで考えたのが『これ』だ。

    俺はダンボールの中からそれを取り出すと、ベッドルームへと足を運んだ。
    ふかふかのベッドの真ん中にドサリと座り込んで、パッケージを破る。

    そこには『本物完全再現!まるで本当にしているような体験!』と煽り文句が書いてある。
    これで実際はどんな感じなのか、ってのを調べようってわけ。
    本物で試せりゃ一番なんだろうけどサイファーが入れさせてくれるわけねーし。
    サイファーに「俺の中って気持ち良いの?」と直接聞いてみる勇気も俺にはないし。からかわれるのがオチだ。

    本格オナホを使う→中がどんなんか調査→
    気持ち良いか確認

    って計画だ。
    そもそも、俺オナホって使ったことねーからどんな感じなのか興味あったし(アナル用だけどまあ同じだろ)
    俺の中の物知りゼルも知りたがってたから一石二鳥って奴だ。

    というわけで、俺はその無駄に派手なパッケージをベッド脇のゴミ箱に投げ入れると、中のモノを取り出した。

    へ~けっこう柔らかいんだな。

    掴んだときの第一印象はそれだ。
    ピンクのシリコンでできたそれは、俺の握った手をやさしく跳ね返してくる。
    筒状のそれは筋張っていて、なんだかイヤラシい形をしていた。
    入れるところも本物の肛門の形そっくりに作られていて、パッケージの売り文句に間違いはなさそうだ。

    俺はナイトテーブルからいつもサイファーとする時に使っているローションを取り出す。
    ついでにカーテンも閉めて、ちょっと部屋を暗くして雰囲気作りをしておいた。
    なんかドキドキするぜ。
    俺は期待と興味に胸を躍らせながら、ズボンと下着を脱いだ。
    やべ、もう起ってんじゃん。
    俺のそこも、この実験にやる気満々のようだ。

    ローションを指にとると、試しに入り口につぷりと指を挿入してみる。

    あ、すげ。

    指を締め付ける刺激に、ごくりと唾を飲む。
    この感覚が局部に与えられると思うと、俺は早く試したくて仕方なくなってしまった。
    急いでローションを塗って、リアルな形の入り口へと自身を押し当てた。
    ぐぷっと音を立てて襞を押し広げつつ、先っぽを中へと押し込んだ。

    あぁぁ…きっもちいい…

    自分の竿の一番敏感な部分が、強い力で締め付けられている。
    俺の中もこんな締め付けがあるんだろうか。
    試しにローションのぬるつきに任せて先を出し入れすると、締め付けの中を通過する度に快感が押し寄せる。

    もうイきそうなんだけど…

    自分のヘタレ具合にガッカリするけど、こんなところで出してしまっては、俺の疑問は解決しない。
    サイファーなんて眉しかめたまんまピクリとも反応しないんだ。俺だってまだやれる!
    俺はこみ上げる射精感を堪えて、さらに奥へと竿を押し込んだ。

    ぬるりとした感覚があって、やわらかい内部がなんか心地良いかも。
    中はこういう感じなんだ…。
    俺は初めての触感にうち震えた。
    キツくはないけど吸いつくような内部に、じん…と先端が熱くなった。
    荒くなる自分の息が耳に残る。
    そうして、何度かスライドすると今までの刺激が波のように順に押し寄せてくる。

    ああ、めちゃくちゃイイ…

    サイファーがどうして反応せずいられるのか全く理解できない。
    スライドさせた手が、次第に早くなってしまう。
    ベッドへと背を預けて、俺は夢中でその感触を味わう。
    いつもサイファーがするみたいに、緩急をつけて扱くと、入れているのは俺なのに、なんだかあいつに入れられているような気がして余計に興奮した。
    いや、俺を抱いてるアイツを想像して、という方が正しいかもしれない。

    「あ、ぁ……ぁ!」

    中が気持ち良いのは十分に分かった。
    もう我慢できねえよ。
    俺は目を閉じて、ソコの感覚だけを追いかけだした。
    目の前にいんのはムスっとした顔をしたあいつで、でもこの気持ちよさを味わって次第に息が荒くなって表情が崩れて、そして…。
    俺は想像の中のサイファーとシンクロしながら、限界を迎えた。
    びくびくと震える下半身と共に、何度かに分けて中に自分を吐き出した。

    「はぁ、はぁ…」

    肩で息をしながら気を落ち着けると、意識が現実に戻っていく。
    変態っぽい想像に、ちょっとの恥ずかしさと、やりきった清々しさと、そして叶わぬ願望に少しの悲しさが残った。

    はぁ…と一つため息をついて自身を穴からゆっくりと抜きさる。
    結論を言うと、中に入れるのは気持ち良いって事だ。
    そしてそれは、一つの事実を示している。
    サイファーが感じてないっぽい=俺と寝るのはあんまり気持ち良くない、ってことだ。
    うすうす分かってたけど、ついに身体を持って実感した事実が突きつけられて呆然となった。
    ベッドに背を預けたまま天井を見上げようとした、その時。

    「もう十分楽しんだのか?」

    静かなベッドルームに凛とした声が響いた。
    聞き覚えのあるその声に、俺は驚いて急いでドアの方を振り返った。
    するとそこには、扉の柱に寄りかかりながら、不機嫌そうな顔をしたサイファーが腕を組んで立っていたのだ。



    つづく




    次でおしまいの予定です。
    やっぱり最後はサイファーに見つかる方がいいだろうと、お約束ですが登場させました!
    にしてもエッチなゼル最高か…。
    一人称でエロ難しいですがつづき頑張ります!





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