チキン調教師の朝は早い。

  • 小話完成です!! R18と特殊設定注意です!

    ■■■

    翌日、早速二人は長老のところへ報告とあることを頼みに向かった。
    長老の家は村の中心にあって、村一番の大きさだ。
    ゼルが木のドアをノックしようとすると、サイファーがそんな事には気にもとめずに、ずかずかと中に入っていった。
    「邪魔するぜ」
    そう言うと、部屋の奥で深く椅子に座っていた老人の前で立ち止まった。
    「サイファーと・・・ゼルか」
    老人ーーこのバラム村の長老は二人をゆっくりと見回す。
    ゼルがどうしようかと躊躇っていると、
    「座りなさい」
    と声が掛けられる。
    サイファーが躊躇なく床に敷かれていた敷物の上にあぐらをかいて座った。
    ゼルもそれに習って静かに座り込む。

    「こいつとつがいになることにした」

    いきなりサイファーが話の本題に切り込んだ。
    長老はピクリともせずに話を聞いている。

    「交配の儀を開いてくれ」
    それを聞いてようやく長老が口を開く。
    「お主がそういう『形』に拘るなんて珍しいな」
    「そうじゃなきゃ認められねぇとか抜かすくせによく言うぜ」
    「皆が通る道だ。お主等だけ特別はない。当然じゃ」
    「なら決まりだ。日程が決まったら連絡よこせ」

    次々と進む展開にゼルが困惑している内に、サイファーは立ち上がってもう用はないといった風だ。
    「帰るぞ」
    ゼルにそう告げると歩き出してしまう。
    ゼルは慌てて立ち上がると、長老へ一礼してからサイファーの後を追った。

    それから数日後、サイファーとゼルの元に長老の使いが訪れて、今晩『儀式』を開くから準備をするようにと伝えられた。
    ゼルは途端に緊張してしまう。
    だが、長老も言っていたとおり、つがいになるパートナーが通る道なのだ。
    ゼル達一族では、通常は異性とつがうことが多いが、同性同士のつがいも珍しくはない。
    同じ村の幼なじみであるスコールとリノアも少し前に儀式を行ったばかりだ。
    ガルバディア村に住む友人のアーヴァインも、トラビア村のセルフィと儀式に臨みたいとアタックしている最中なのだ。
    不安にばかり思っていても仕方がない。
    自身に渇をいれるべく頬を叩いて、ゼルは
    気持ちを入れ直した。

    夜になると静かになった広場から、パチパチと中央にくべられた大きな火の音が聞こえる。
    しんと静まりかえた夜空には星が煌めいている。
    家の前で天を仰いでそれを見ていたゼルは、迎えにきたサイファーと共に村の外れの洞窟へと向かった。
    前を歩くサイファーはいつもとまったく同じ調子で、緊張しているのは自分だけなのかと広い背中を見つめる。
    そうするうちに山中の洞窟にたどり着いた。
    入り口からぼうっとオレンジの光が漏れるそこは、先祖達が住んでいた名残のある場所で、神聖な場所だと教えられてきた。
    小柄なゼルでも少し屈まなければ入れないそこを、サイファーが窮屈そうに入っていく。
    中にはいると、所々松明が掛けられ、火が揺れる度に自分たちの影が揺れて見える。
    涼しい風を感じるところをみると奥にも繋がっているようだ。
    洞窟は中央が広くなっており、その床に大きな毛皮が敷かれている。
    そうして、そのまわりを囲うように幾つかの円座が敷かれていた。
    すると、入り口から次々に人が入ってくる。
    その中には、先日話をしたバラムの長老の姿もあった。めったにお目にかかれないバラムの魔女の姿もだ。
    バラム、ガルバディア、ティンバーのそれぞれの長老と魔女が集ったのだ。
    総勢6名がそれぞれ用意された円座へと腰を下ろす。

    「この者はバラムのサイファーとゼルじゃ」

    バラムの長老が2人を紹介する。
    そうして簡単に2人の人となりを話すと、他の長老達は承知したとばかりに頷いた。
    中央に立ちっぱなしで話を聞いていた2人に、バラムの長老が
    「それでは見せて貰おうぞ」
    と言うと、長老達に囲まれた中央の毛皮を指し示した。

    ゼルは一つ深呼吸をすると、恐る恐るそこへと横たわる。
    自分の身長を優に超える大きさのその敷物は、きっと優秀な狩人によって狩られたモンスターのものなのだろう。
    ふかふかで肌触りのよい長毛がゼルを受け止めた。
    そしてゆっくりとサイファーがゼルへと覆い被さる。
    自分たちに注がれる視線に、ゼルが羞恥からきつく目を瞑った。

    この一族の間で行われる『交配の儀』では、つがいになると決めた者達が自分たちに愛情と生殖能力があることをを証明するために、村の長達に自分たちの交尾の様子を見せて、婚姻と二人の間に子供を成す事を認めて貰う儀式のことだ。
    ゼル達よりも古い時代では、このような閉じた村では痴情のもつれなどがあってもなかなか逃げる先もないうえ、子供は村の宝でもあったのだ。
    そのため、きちんと添い遂げられるのか、そして子を成す力があるのかを審査をするようになったのがこの交配の儀の始まりだと言われている。

    長達が見守る中、サイファーがゼルの衣服をそっと脱がしていく。
    少し肌寒いのか、ゼルが目をきつく閉じたままふるりと震えた。
    点々と洞窟内を照らす松明が全裸になったゼルの白い肌を薄オレンジに浮かび上がらせる。
    サイファーはゼルに跨がったまま、勢いよく自身の上半身の衣類を脱ぎ去った。
    狩りで鍛え上げられた筋肉質な体が現れた。松明が照らす体の影が堀をより深くして逞しく見える。
    サイファーはゼルを慰めるようにその唇へと口づけた。
    緊張で固くなった唇を割り開いて、そっと舌を差し入れる。
    何度もゼルの唇を舐めて自身の愛撫に応えるよう励ますと、ゼルもサイファーの舌に自分の舌を絡めるように動き出した。
    幾度も舌をすり合わせて、顔の角度を変えてキスを楽しむ。
    合間の呼吸に段々と熱がこもり、息が荒くなっていく。
    サイファーの手がゼルの体を這いだした。
    頬をなぞって、そのまま首もとから鎖骨をなぜて、そうしてゼルのツンと起った乳首へとたどり着く。
    そっと円を描くようになぞって、時折はじくようにするとキスの合間にゼルが刺激を堪えるように息を吐く。
    普段のサイファーより幾分やさしいその触り方に、自分の緊張をほぐそうとする彼を感じてゼルの胸にじんとしたものがこみ上げた。
    サイファーはそのまま乳首をこねるように動かし出した。毎々の夜這いでゼルの体に刻まれた感覚がざわめき出す。

    「いい加減こっち見やがれ」

    ずっと目を閉じたままだったゼルに、サイファーが声を掛ける。
    そっと目を開けると目の前にサイファーの顔があった。
    そうして反射的に視線を感じて長老逹を見ると、変わらず自分たちを見つめる視線とかち合ってしまう。

    「ジジイどもの事なんか気にすんな。俺だけ見てろ」

    サイファーがゼルの顔をぐいと正面へひきもどして、いつもの自信に溢れた笑みを見せた。

    「てめえはいつもみてえに感じてればいい」

    そう言うと先ほどまで触れていた乳首をベロリと舐めあげた。
    「あっ…!」
    油断していたゼルがおもわずその快感に声を漏らす。
    そうして皆に聞かれてしまったとばかりにとっさに口元を手で押さえて頬を赤らめた。

    「聞かせてやれ。感じてるって教えてやれよ」

    サイファーは挑戦的にそう言うと、ゼルの手を口元から力で外し、再び乳首を舐めだした。
    舌でつつかれて吸われる快感に、ゼルの体は次第に抵抗できなくなっていく。
    短く刈り上げられた髪に指を絡めて抵抗するのが精一杯だ。
    段々と自分の性器が熱くなっていくのを感じる。見られる恥ずかしさと与えられる快感に、血液が下腹へと急速に集まっていく。
    勃起している所なんて、恥ずかしくて自分でも直視できないとゼルは思った。
    実際、自分で慰める時でもそこを直視する事はなかったのだ。
    だがサイファーがそれを見逃すはずもない。
    勃ち上がったゼルの陰茎をゆっくりと撫で始めたのだ。
    思わず隠そうともがいたが、上に跨がるサイファーが腰を押さえてそれはかなわかった。
    長老たち見えるようにゼルのペニスを持ち上げると幾度かシゴいてみせる。
    「あぁぁっ!」
    直接的な刺激に、たまらずゼルが声を上げた。
    サイファーはだがそれ以上は触らず、逆にゼルの上から降りてしまった。
    いつもみたいもっとこすりあげられるのかと思ったゼルも、一体何をするのかと不思議そうにサイファーを見上げる。
    サイファーはゼルをうつ伏せにすると、敷物の近くに置いてあった小箱へと手を伸ばした。
    伏せにされたゼルからはよく見えなかったが小さな実を取り出したようだ。

    「こいつは使ってもいいんだろ?」

    サイファーが長老逹の方へ話しかけたようで、彼らから構わないという返事が返ってきた。
    そっとサイファーを見上げると、その実を口に含んで奥歯で歯を立てている。
    カリっという実が割れる音がしたあと、サイファーが実の殻を吐き出した。
    だがしばらくモゴモゴと口中でやっていたかと思うと、2本の指を口の中に入れたのだ。
    それと同時に、ゼルは腰をぐいと持ち上げられる。
    むき出しになったゼルの肛門にぬるりとしたサイファーの指が当てられる。
    先ほどの実は潤滑剤の代わりだったのかとようやくゼルは理解した。
    何度もゼルの肛門付近を行ったり来たりして実の汁を馴染ませ慣らした後、サイファーは頃合いだと中指をぬぷりと差し込んだ。
    ゼルは動揺して咄嗟に指を締め付ける。

    「力抜け、いつもと同じだ」

    サイファーがゼルの後方からそう声を掛ける。
    だがいつもはもっとペニスを触り合って高め合い、お互いが一度達してからその粘液を潤滑剤にして挿入へと至る流れだったのだ。
    頭が痺れる快感に任せてサイファーを受け入れていた為、いつもと違う手順にゼルはどうしたらと戸惑う。

    サイファーは一旦指を抜いて背後からゼルを抱きしめる。
    「何もかわりゃしねえよ。信用しろ」

    そう言って首筋に一つキスを落とした。
    そうだ、行為自体になにか変わりがあるわけではないのだ。
    ゼルはそう思い直して大きく深呼吸をすると、できるだけ体から力を抜くようにつとめた。
    それを確認したサイファーは、再びゼルに指を埋めると抜き差しを開始する。
    慣れた指先が、しだいにゼルの敏感な部分を押し上げだす。
    「…ぁっ…」
    だんだんと覚えのある感覚がこみ上げてくる。
    ゼルの意識が外野からはずれて、指に集中してきていると見るや、サイファーは更に指を増やしていく。
    数日前にも交わったばかりの後孔は、さして抵抗もなくサイファーの指を飲み込んでいく。
    それに応えるように、小さくなり掛けていたゼルの陰茎もまた勃ちあがりだす。
    やわらかな毛足に、ゼルの熱い息がかかる。
    サイファーはそろそろいいだろうとあちこちを押し上げていた指を抜くと、自分の下半身の衣服を脱ぎ去った。
    ゼルの痴態にすっかり硬くなった陰茎に実の汁をすり付けると、四つん這いのゼルの持ち上げられた肛門へペニスの先を押しつけた。
    途端に、挿入の予感を察知したゼルが更に上体を低くして体を強ばらせる。
    それをゼルの陰茎を何度もさすって慰めながら、抵抗が弱まるのを待つ。
    ゼルが観念して力を抜いたその瞬間、張った亀頭をゼルの中にくぷりと押し込んだ。
    「あぁっ!」
    慣らしているのもありそう痛みも無かったが、ゼルがおもわず声を上げた。
    だが飲み込むように動く内部に任せて、サイファーは腰を押し進めた。
    ゼルも肩を震わせながらサイファーを受け入れる。
    奥まで入りきると、サイファーは一息ついた後、抜き差しを開始しだした。
    はじめはゆっくりと、しかし段々と勢いをつけて突き上げる。
    すっかり周囲が見えなくなったゼルは、その快感に身を任せ出す。
    「あ、いいっ…!」
    サイファーがゼルのいい場所を何度も突き上げた。
    その感覚に、持ち上げていた腰をさらに突き出すようにしてゼルが無意識にもっとしてくれと強請る。
    サイファーは更に深い挿入を求めて、ゼルの上にのし掛かった。
    ただでさえ小柄なゼルに大柄なサイファーが覆い被さる形になって、結合部に更に圧が掛かる。
    ぐぷりと音を立ててサイファーのペニスがよりゼルの内部へと飲み込まれる。
    「はぁ…はぁ…」
    深い挿入にゼルが息を荒くしている。
    そうして少し冷静になったゼルが、ふと自分の体勢を見回すと、サイファーが自分に乗り上がっているせいで結合部が丸見えになっていることに気づく。
    深々とサイファーを飲み込む熟れた箇所を他人に晒す羞恥に、反射的にサイファーを振り落とそうと体が動いた。
    サイファーは今になっての抵抗は予想していなかったのか、一瞬驚いた顔をすると、すぐにいつもの険しい顔に戻ってゼルの腕を押さえ込んだ。
    体格も経験も圧倒的に違う相手に、ゼルはそれ以上抵抗ができなかった。押さえつけられている腕の太ささえ、見るからにサイファーに軍配があがるのだ。
    そうして再び快楽で自身に集中させるため、ゼルを押さえつけたままサイファーは動きを開始しだした。
    ゼルの一番喜ぶ最奥を何度も押し上げて突き上げる。
    その度に直腸のヒダが絡んでサイファー自身も追い上げられるが、まだ出すわけには行かない。
    直腸の奥の窄みまで穿って亀頭で押し広げてやると、ゼルが背をしならせて喜ぶ。
    「ぁああっ!ああっ!あっ…」
    再び甘い声を上げて、周囲を忘れてサイファーだけを追いかけ出す。
    激しさを増すピストンに、ゼルは頼るものが欲しくて毛皮の長い毛足を必死に掴んで快感に耐える。
    ゼルの内部にジンとして熱い衝動が産まれていく。
    射精とは違う熱に体の奥から追い立てられる。
    「サイファーっ…!イくっ…!」
    サイファーに叩きつけられる衝撃に、ついにゼルが敷物にしがみつきながら先に絶頂を迎えた。
    同時に性器から無意識にトロリトロリと精液が漏れる。
    サイファーもゼルの激しい締め付けに絶頂寸前まで追いつめられるが、歯を食いしばって射精感を堪えた。
    ぜいぜいと肩で息をするサイファーの呼吸を耳元でぼんやり聞きながら、ゼルの意識がぼんやりと戻ってくる。
    まだ頭の奥が痺れて、幸福感で一杯になる。
    その時、まだ芯を保ったままのサイファーがズルリと引き抜かれた。
    その行為に、普段は共に絶頂迎えるサイファーが今日はまだ一度も達していない事に気づく。
    どうしたのかとぼうっとした頭で後ろを振り返る。
    すると体を抱えられてすっぽりと抱え上げられた。
    背中にまだ熱いサイファーの体を感じる。
    彼の上に腰を下ろしているせいで、尻の付近に未だ勃起したものが当たっている。
    何をするのかとサイファーを振り返ったまま動揺している内に、両足を抱え上げられて広げられた。
    「うわっ…!」
    正面には長老達がいるのだ。
    まるでわざと陰部が見えるようにしているサイファーに、おもわず抗議の声を上げた。
    だがサイファーはその声に取り合わず、割開いたゼルの性器に手を伸ばした。
    まだゆるく立ち上がる陰茎と睾丸をかき分けてさらに下へと指を伸ばす。
    そうして会陰部へたどりつくと、くちゅりと音を立ててそこへと指を差し入れた。
    「っ…!?」
    驚いたゼルが自身の下部をのぞき込むと、
    陰茎と肛門の間に、うっすらと開いた部位があった。
    そこはすっかり濡れて濃い桃色に変化して、ぬめる液を垂らしてテラテラと光っていた。
    ゼルはこれが話に聞いた女性器なのかとようやく理解した。

    彼ら一族の男は両性具有で、男性器と女性器を持って産まれてくる。もちろん女性器へ生殖行為を行えば子供を持つことも可能だ。
    この一族が男同士でつがう事が認められているのはその為だ。
    女性は女性器しかもっていないが、その代わりに特別な『魔法』の力を持って産まれてくるのだ。
    だが通常、男性の女性器はぴたりと固く閉じていて開くことはない。
    その為女性器を意識することもないし、ゼルのように忘れている者さえいる。
    だが性的に高まるとそこが開くのだという。
    男性が通常行う陰茎への刺激や射精ではそこは少しも反応しないが、肛門からの挿入行為や気孔などによる内側からの刺激で絶頂を迎えると、そこは興奮に自ら濡れてひだが開いていくのだ。
    また、相手への好意と快感の度合いによっても左右される。
    だが、開いたからといってここへ性器を挿入することは許されない。
    それが許されるのはつがいと認められた者だけなのだ。
    つまり、この『交配の儀』で認められたものだけだ。

    サイファーはゼルの女性器を指で広げてみせると、ゼルが自分を受け入れる準備はできているとばかりに皆に見せつける。
    自分はゼルの女性器が開くほどの快感を与えられると主張しているのだ。

    ゼルはサイファーが自分のそこへ挿入したいのだとようやく悟る。
    サイファーはゼルを抱え直すと、未だ猛る陰茎の先をゼルの女性器へと擦り寄せた。
    そうして権利者達へ”挿入するぞ”と目で訴えた。
    ここへ入れるためには、彼らが首を縦に振る必要があるからだ。
    すぐに許されるかと思っていたサイファーだったが、ガルバディアの長老とティンバーの魔女がなにやらコソコソと話し合っている。
    それがバラムの長老へと伝えられると、長老は複雑な顔でサイファーへと言葉を投げた。

    「ゼルを力で押さえつけるお主が、良いつがいになれるか不安だと言っておられる」

    そういうと、心当たりがあるというようにため息をついた。
    ゼルに深い挿入をしたときのことを言っているのか。
    サイファーはイラつきに眉間の皺を深くした。
    許可なんて馬鹿らしい、こいつは俺のもんだと証明してやると実力行使に出ようとしたその時、ゼルが開口部に当てられていたサイファーの亀頭部を、女性器へと押しつけた。
    狭いそこは張り詰めたその大きさに難儀しながらも、サイファーの先端をくぷりと飲み込んだ。
    ゼルのその意外な行動にサイファーは驚く。
    先ほどまでの羞恥に震えた受け身のゼルとは明らかに違った。

    「俺、すげえ入れて欲しい…」

    ゼルは顔を真っ赤に染めながら、そう彼らに訴えた。
    そうしてゆっくり腰を揺らして、入り口の浅い部分を、含んだ亀頭でかき回す。

    「ここに入れんのは、サイファーじゃなきゃ嫌だ」

    そう言って、とろんとした目で彼らに無理矢理ではないと主張したのだ。
    このままでは自分たちは認められない。
    迫るその事実が、ゼルの羞恥と緊張を吹き飛ばしたのだった。

    ゼル自身の申し出と、あのサイズを受け入れられるほどに開いたゼルの女性器を見て、反対を進言した2人はお互いに目配せした後に、バラムの長老とうなづきあった。

    「サイファー、ゼル。お主達をつがいと認める。子を成す行為を認めるものとする」

    バラムの長老がそう言うやいなや、サイファーは目の前のゼルを強く抱きしめた。
    ゼルは喜びとともに、自分の痴態を思い出して耳まで赤くした。


    ゼルの狭い膣口に、今にも弾けそうな弾力のあるペニスが押しつけられる。

    「サイファーっ…!痛っ…!」

    ゼルが痛みを訴える。
    だがサイファーはすくい上げたゼルの両足が強ばるのをそのままに、挿入の力を強めた。
    押し上げるペニスの先に感じるこの膜は、ゼルがまだ誰のものでもないという証拠なのだ。
    「ゼル、いくぜ…」
    サイファーはゼルの耳元でそう囁くと、勢いよく膜を突き上げた。
    「ああぁっ!!」
    ゼルが破瓜の痛みにきつく体を震わせた。

    目一杯にサイファーを咥えて、痛みにひくつくそこから、一筋血が流れた。
    サイファーはそれを彼らに見えるようにすると、ここに挿入したことは初めてなのだと証明する。
    そうして、長老達がそれを確認したとみるや、さきほどからずっと射精を我慢して赤く膨れるペニスをぐいと奥まで差し込んだ。
    初めての挿入に驚いた内膜がきつくサイファーを締め上げる。
    その刺激にサイファーは荒く息をつき、キツく目を瞑ると同時、勢いよく中に精子を吐き出した。
    ゼルのすくい上げた足に、快感に耐えるサイファーの爪が食い込む。
    ビクリビクリと吐き出す度に腰を震わせるサイファーの熱と、内部に叩きつけられる粘液にゼルは陶酔した。
    ゼルの中に思う存分吐き出したサイファーは、肩で息をしながら一瞬眉間に皺を寄せて、しまったという顔をした。
    長老達の方を見ると、ティンバーの魔女が怪訝そうな表情でこちらを見ている。

    彼らの間では受胎者に快感を与えるほど、強い子ができ、受胎率が上がるとされる為、自分のつがいに快楽を与えられない個体は歓迎されないのだ。
    そのため、彼らの村では夜這いが認められており、事前にお互いに高め合う術を学ぶ機会を設けているのだ。
    そのため、男はより長くつがいを喜ばせられる体力と持続力を求められる。

    ゼルから素早くペニスを引き抜いたサイファーは、荒い息のままゼルを抱えて体勢を変更した。
    引き抜かれたそこからはサイファーの精子がどろりとこぼれた。
    ゼルをそっと床に寝かすと、そのこぼれた精子を掬って、未だ緩く勃ちあがるペニスを何度かしごいた。
    射精後の敏感なそこを擦る快感にサイファーは奥歯を噛みしめる。
    すると若さも手伝ってか、真っ赤に充血し筋の浮くペニスへと再び変化していく。
    再度固く立ち上がったそこを、懐疑的な視線を向ける彼らに、これで終わりではないと見せる。
    ゼルも堪らないという目でそれを見つめた。
    その視線に気づくやいなや、サイファーはゼルに覆い被さった。
    足を持ち上げて肩に担ぐと、未だ自分の精子で濡れるゼルのそこに、ぬるりと進入を開始した。
    張り詰めた亀頭がゼルの内部のあちこちを押し上げる。
    「ぁあん!…ぁん!」
    アナルとの刺激の違いにゼルは悶えた。
    体がじんじんと痺れて熱くなる。
    サイファーが大きくグラインドする度に、擦りあげられる内壁が震える。
    「サイファー…っ!」
    思わずといった風にゼルがサイファーの背にしがみついた。
    何度も何度も突き上げられて追い立てられる。
    サイファーも、挿入する度に弾力のあるゼルの膣壁が自身を押し返そうとするその刺激に夢中になる。
    ゼルもサイファーも見届け人達のことなどもう頭にはなかった。
    何度も口を合わせて、舌を絡めながら頂上まで走っていく。
    「ぁぁぁああっ!!!」
    ゼルが最後の咆哮をあげた。そうしてサイファーの背に爪を立てながらビクビクと痙攣する。
    サイファーもこれ以上は我慢ならんとばかりに、全身の筋肉を使って腰を叩きつける。
    「はぁっ…っぅ…!!」
    堪えきれなかった喘ぎが口から漏れる。
    先ほどよりも大きく体全体をビクン!ビクン!と震わせながら、再びゼルの膣中へ噴き出すような射精を行った。
    鈴口から勢いよく精液が噴射される度に、今まで感じたことのない快感が何度も背筋を走り抜けた。
    ゼルもサイファーの脈動と射精を感じて、その度に注がれる下腹の奥が喜ぶのを感じた。

    2人はしばらく動くことができなかった。
    お互いに頭の芯がぼうっとして、ただ抱き合う格好で息が整うのを待つ。
    サイファーがゆっくりとゼルから体を引いた。同時に結合部から力を失った陰茎がずるりと引き出される。
    サイファーは未だ焦点の合わない瞳で遠くを見ているゼルの、額に浮かぶ汗を拭った。
    そうして隅に置いてあった羽織で力無いゼルをくるみ、さらさらとこぼれる髪を何度もすいて、今日の重責をやりとげたゼルを労った。
    それを見ていた長老達も、この一見粗暴な男の底根には分かりにくいだけで溢れるほどの愛情があると悟って、お互いに頷き合ったのだった。

    そうして2人は無事につがいとして認められたのだった。

    おわり



    間に合った~!
    明日から本格的に書けなくなるので書き切れて良かったです…!

    いつもと違って遠回しな表現は使わず直球表現でエロを書いてみようと思いやってみたんですがいかがでしょうか?
    パラレルやら両性具有やら視姦プレイやらと詰め込みすぎた感否めませんが、1本づつ書いてる時間無かったので丁度いいやと全部入れてみました。
    一回公開セックスみたいのを書いてみたかったんですよね笑
    ちなみにこの続きで新婚生活編(やっぱり視姦プレイ)なるものも考えているので、更新できる環境が戻ってきたら書きたいと思います!
    でもこの話で一番信じられないのは、この儀式をあのスコールが行ったという部分だと思います笑

    それでは一旦ブログも更新止まりますがまたきてやってください~!
    ではでは~!



    拍手押して下さった方ありがとうございます!
    早めに戻れるよう頑張ります!
    サイゼル好きな方がまだいると思うと心強いです!
    ありがとうございました~!!
Copyright © Textt / GreenSpace