チキン調教師の朝は早い。

  • オペオムゼル調整だって…!

    こんにちは!
    またまた久しぶりになっています汗
    先年はぼちぼちマンガも書けて良かったのですが、そろそろ2月になりまして家庭の事情で半年くらい更新が止まってしまうかと思います。
    今しばらくはぽつぽつと小話中心に更新できればなぁと思います。ゼルとサイファーを愛でつつしばらくは家庭の事情の方をがんばろうとおもいます。
    オペオムで2月ゼル調整と聞いてソワソワしています…!!

    以下サイファーの独白というか、小話です。
    ゼルは出てきませんのでサイゼルっぽさは低いと思いますが、ゼルのことをサイファーがどう受け止めるのかというのを一回書いてみたいなぁと思っていたのでいい経験になりました。
    よければご覧ください~!



    「ルール、守るようになったのね」
    キスティスが俺の後ろでぼそりとそう呟いた。
    俺がゆっくりと後ろを振り返ると、キスティスが腕を組みながら微笑んでいるのが見えた。
    更にその顔には『もう問題児とは呼べないわ』と書いてあるように見えた。
    俺たちは数人のSeeDとエスタにモンスター生態調査に来ているところだ。
    今回の任務は生態調査のため、モンスターを殺さずに各種サンプルの回収と観察、GPS取付等の指示が下されている。
    先ほど俺達に奇襲をかけてきたモンスターを殺さずに気絶させたんだが、どうもキスティスは俺が怒りにまかせて殺しちまうと思ったらしい。
    俺はそのキスティスの安堵の表情になんだか既視感を覚えた。
    ああ、リノアだ。
    先日ティンバーで久し振りに二人で飯を食った。
    あれは来月のゼルの誕生日に贈る予定のものを買いに行った際に、丁度リノアに会ったんだった。
    「へ~!意外!ゼル用?」
    俺が手に持った明らかに贈答用のショッピングバッグを見て、ピンときたらしい。
    その流れで飯を食うことになって、昔リノアと連んでいたときによく行った馴染みの店へと足を運んだ。
    古いパブのような店で、昔と全く変わっていない。
    そこで昔のようにリノアと飯を食っていたときだ。
    「サイファー、大人になったね」
    そういってリノアはキスティスのように微笑んだのだ。
    その時は俺の何が変わったのかと意味がわからなかった。
    何もかもが変わらない場所で、俺だけが変わったなんて不快感すら感じた。

    モンスター調査からガーデンへ帰ってきて、指揮官へと報告を入れるためにスコールの元へと向かう。
    すぐに調査票と報告書を提出して部屋へと帰るつもりだったが意に反してスコールには先客があった。
    委員会の後輩がなにやら相談にきているようでしばらく時間がかかるようだ。
    仕方がないので俺は司令室の前の待機室のソファへと背を預けた。
    小一時間した頃だろうか。スコールが後輩と共に部屋から出てきた。
    出てきた後輩は俺を見たとたんに恐怖の表情を浮かべて、すぐにスコールに頭を下げると小走りで走り去っていった。

    スコールはゆっくりと俺の方へと近づいてくる。

    「待たせて悪かった」

    スコールはそう言って、入ってくれと部屋へと促される。
    俺は特に何も言わず、すっくと立ち上がってスコールの後へと続いた。

    「あんた丸くなったな」

    報告の後、スコールが書類を整理しながらそう言った。
    俺は何を言われているのか分からず、スコールを見つめる。

    「ゼルのおかげだな」

    そう言うと、ご苦労だった、もう戻って構わない。と言ってほんの少し微笑んだのだ。(あのスコールが)

    俺は部屋へと続く廊下を歩きながら、あのスコールの笑みを思い出す。
    あいつも変わったと思う。以前は凍った心をもつ男だと思っていたが、リノアと付き合いだしてからは以前のスコールとは違ってきている。
    そうして、キスティスやリノアの発言を思い出す。
    俺も気付いてないだけで変わったってのか?
    言われてみれば、最近では以前のように衝動的に行動することが少なくなった気がする。
    精神的に安定しているのが自分でも分かる。
    スコールもそうだってのか。
    ゼルのせい・・・か。

    スコールのやつは、自らの内側で解決していた物が外側に向かうようになってきている。
    俺は逆だ。以前は外側に向かっていたもんが自らの内側で解決できるようになっているのだ。

    余裕ってやつなのか。
    こうやって自分をみつめることなんて以前はなかった。
    そもそもいつもガムシャラで見つめる余裕なんて無い。
    やりたいことをやるだけで精一杯だった。

    俺も変わったな。

    ふとそう思った。
    あいつらが言ってた意味がようやく分かった。
    だが、今度は不快な気持ちにはならなかった。
    むしろ胸のすくような思いだ。

    俺は自分の部屋に戻る足を止めて、踵を返した。
    この時間ならどうせ部屋で暇を持て余している頃だ。
    進路を変えて、俺はゆっくりと歩き出した。



    拍手ありがとうございます~!
    なかなか更新できずすみません汗
    また遊びに来てくださいね~!
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