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覚えのある感覚が俺を包んだ。未来に来た時と同じやつだ。
身体が一瞬宙に浮くような感覚がして、そうして元に戻った。
目の前の光が消えると同時に、俺はゆっくりと目を開いた。
はたして目の前には…サイファーがいた。
再び現れた俺に普段は鋭い眼を見開いて驚いている。
「もどって…きたのか…?」
辺りを見回すと、見覚えのあるバラムのホテルの景色がそこにあった。
ベッドの上からの景色に変わりはなかった。
違うのはベッドサイドのランプが点灯されていて、驚きの表情を見せるサイファーの顔が
淡いオレンジ色に照らされていたことぐらいか。
じっと彼の顔を見るが、先ほどのサイファーよりだいぶ若い。
「良かった、帰ってこれた…」
安堵からポロリと言葉をこぼすと、とたんに目の前のサイファーに抱きしめられた。
「焦らせやがって」
耳元で小さくこぼされたその言葉に、こいつも不安に思っていたことが窺いしれた。
「ごめん。未来に行ってたんだ」
そう言った途端、ゆっくりと離れたサイファーが口を開いた。
「知ってる。『おまえ』に聞いた」
「未来の俺って、どんなだった…?」
つい持ち前の好奇心が前に出てしまった。
「色々教えてくれたぜ?イロイロな。」
そう言って意味深にニヤリを笑うサイファーを見て、こいつはあんまり変わってないなと
なんだか嬉しい気持ちがこみ上げる。
「身体の方は大丈夫か?」
そうこうする間に、サイファーは俺の身体をチェックし始めた。
あちこちを触られて、痛みが無いかを確認される。
その熱い手と眼差しに、先ほどまで熱を持っていた俺の体が反応し始めてしまう。
俺の首元を確認していたサイファーが、偶然俺の下半身に目を遣った時、一瞬片眉を上げた
のを見てしまう。
だがそのすぐ後に20年後のサイファーと全く同じように意地の悪い笑みを浮かべた。
「こいつはなんだぁ?」
そう言って立ち上がった俺のソレを指の先でもてあそぶ。
「くぅっ…ぁ」
くりくりと指で先を弄られて、達しきれなかったあの感覚が蘇ってくる。
そっとサイファーを見ると、あいつのも固くなっていた。
そこに手を伸ばして、ゆっくりとさすってみる。
「ん…!」
俺からアクションを起こすことって殆ど無かったからな。
あいつは驚いて声を漏らすと、俺に対抗するように俺のモノを口に入れた。
「あぁ…」
じゅぷじゅぷと音を鳴らしてそこを刺激される。ぬるりとした感覚が気持ちいい。
俺も負けじとアイツのものをしごく。
何度も繰り返されて、次第に限界が近づく。
「なぁ…」
俺らしくない声だと分かってたけど、もう我慢できなかった。
未来のサイファーにされたようにされたかった。いや、もっと先まで知りたかった。
恐怖はもうなかった。
「どうして欲しいか言えよ」だとか「自分でしてみろ」だとかを言われるかと
身構えたが、サイファーはそのどちらも口にしなかった。
ただガバリと俺に伸し掛かって、熱いモノを俺の熱くなったそこに押し当てた。
先ほどまで同じ大きさのものを銜え込んでいていたそこは、殆ど抵抗なくサイファーを
飲み込んだ。
まだ湿り気のある内部はくぷりと音を立てて亀頭の侵入を受け入れる。
「ぁぁ…いい…っ」
固いそれが当たるだけで、じんじんと快感が広がる。
俺のいい場所を何度も引っ掻いて行き来するそれに声が止められない。
「ぁ、そこっ…ぁん」
「ああ分かってる」
最初は伺うような浅い抽挿が、次第に速度と体重を乗せた衝撃に変わっていく。
「あ!ああっ!ああん!」
叩きつけるような腰の動きに翻弄される。
サイファーに合わせて腰が揺れてしまう。
結合部で泡立つ体液が糸を引く。
その時激しいピストンの勢いに狙いを外したサイファーのそれが偶然俺の最奥をこじ開けた
。
「ぁあああんっ!!」
奥でサイファーを味わうあの感覚が体に走り抜ける。
折り曲げた足の先までピンと攣って、思わずサイファーにしがみついた。
サイファーはぬるりと熱塊を引き抜くと、今度は迷いなく最奥まで熱を突き入れた。
「んんぅううっ!」
「奥が感じるんだろ」
太い根元までいっぱいに咥えたおれのソコはまるで喜ぶように震えた。
俺が否定しないのを了承と捉えたらしいサイファーは、今度は狙いを俺の最奥へと定めたよ
うだった。
何度も強く奥を押し上げられる。その度に体中に震えと快感が走って声が止められない。
「ああぁ!あぁん!いいっ!」
サイファーにしがみつくのが精いっぱいで、口元からこぼれる唾液を拭えない。
奥を突き上げられるたびに快感にキュウと中がサイファーを締め上げるのが分かる。
その度にサイファーから声が漏れて、汗が伝い落ちる。
それでも何度でもソレは奥を貫きにくる。
目の前がチカチカする。頭も心も腰もジンジンと痺れて、
俺の固くなった先端へと覚えのある感覚が迫る。
「サイファっ!ああっ!イクっ!」
先ほどの走り抜けられなかったもどかしさが蘇る。
「ああっ!もっとぉ!サイファぁん!」
先をねだって自身も腰を揺らす。ゴクリと喉を鳴らしたサイファーがピストンを速めた。
肉のぶつかる衝撃に遅れて音が響く。
結合部から溢れた体液が身体と身体の間で水音を響かせる。
身体の奥から今まで感じたことのない快感が押し寄せる。
「ああ、あああ、ああああっ!!!」
叩きつけられる芯棒から溢れる快感が止められない。
「あああああイクぅうっ!」
しがみ付いたサイファーに爪を立てながら、全身を硬直させて絶頂を迎えた。
「ぁ…っ!……っっ!!」
腰から砕けるような快感が襲う度、先端から溢れるように精をこぼした。
うまく息が吸えなくてクラクラする。
その時自分の上にサイファーが倒れこんできた。
俺の横のシーツが皺になるぐらい強く握りしめて、達しているようだった。
同時に俺の奥にじんと熱いものが注がれるのが分かった。
何度か腰を痙攣させたサイファーは詰めていた息を吐いてハァハァと肩で息をしていた。
俺もベッドの上に倒れこんだままぼうっとした頭で呼吸を整える。
霞のかかった意識に段々と現実が戻ってくる。
「ずいぶんとよかったみたいだな」
サイファーがベッドに後ろ手を付ながら意地の悪いことを言う。
「う、うるせぇ!」
最中の自分の痴態を思い出して、頭を抱える。
こんな風になるなんて当初は全く思いもしなかった。
自分の中にあった感覚に驚きを隠せない。
指の隙間からサイファーを覗き見ると天井を見上げて薄らと微笑んでいるようだった。
未来の俺は無事に帰れただろうか。
今ならわかる。きっと大丈夫だ。
今頃サイファーから受け取ったミネラルウォーターで一息ついていることだろう。
「そういやあ」
未来の俺たちに思いを馳せているとサイファーが上を向いたまま口を開いた。
「なんで急に入れ替わったんだ?」
無事戻ってきたことで忘れていたが、今後ないとも限らない。
最近は何か普段と違う事をしただろうか?
うーんと頭を捻っていると、隣から急に笑い声が響いた。
そちらに目を向けると、サイファーが肩を震わせて小さく笑っていた。
「オダインだ」
核心を得たような声だった。
その名前を聞いて、俺も数日前の事を急速に思い出していく。
俺たちはオダイン研究所で『物体の転送』の手伝いをしていたんだ。
この技術が確立されれば輸送の常識が変わるとかで今エスタが本腰を入れている技術だ。
特に俺はオダインの近くで臨床実験に付き合っていて、実験台にされそうになったくらいだ
ったから(契約になかったし転送は断ったけどな!)影響が出たのかもしれない。
一時は何が起こったかと思ったが、今思えば20年後までこいつと一緒にいることも分かった
し、悪くなかったのかもしれない。
俺たちのベッドでの技術もまだまだだけど、先は長いって分かったし。
「これからもよろしくな」
唐突とは分かってたけどサイファーにどうしても言いたかった。
言われた瞬間不思議そうな顔をしてたけど、意味を悟ったのだろう。
「覚悟しとけよ?」
そう言ってサイファーはニカリと笑った。
終わり
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未来のサイゼルと交換するっていうお約束のアレがやりたかったやつです笑
あとエロに挑戦しようと思ってエロ多めにしてあります…!
普段私のエロ?は地の文が多いのですが、とにかくゼルにあんあん言わそう!!と頑張った結果こんな感じになりましたが如何でしょうか…?
調整が難しいです。