こんにちは!ご無沙汰してます!
最近はオペオムで新婚旅行と称してサイファーとゼルの二人旅をしているにょるです。
サイファーもゼルも全体HP攻撃持ちなので以外と相性よくて、結構サクサク倒せてもういろんな意味でウフフ状態です。凄い楽しい。レベリングや共闘周回等の苦行が多いので、疲れたら2人に癒されてます。
私の直近の出来事では、他作品ですが声優イベントのチケが当たりまして、行って参りました~。
森川智之さんに会って?きましたよ~。楽しかった…。8もオペオムやキンハとかで声優付いたことだし、ナンバリングごとに声優イベントやればいいのに…。
サイファーとゼルの掛け合い聞きteeee!
子安さんとのんたんの掛け合いだけど笑
ゼルの声はまだちょっと違和感があるんですが、結構慣れてきて、格好良さもあっていいかなぁと思えてきました。
サイファーはもうどう聞いても子安さんですが、こっちも割と馴染んできていいかもと思えてきました。
リメイクってなったらきっと声も付くんでしょうけど、楽しみ半分、怖さ半分といった感じです。
そんなこんなで、MIAの小話書きましたので、お楽しみ下さいませ~!
※前回の最後の方に出てきたオリキャラが出張ります。OKな方のみご覧ください。
「いねぇ」
サイファーは部屋のドアを開けて固まっていた。
いや、固まっていたというより、怒りに震えていたと言った方が正しいかもしれない。
いつものように朝食を取ろうとゼルの部屋へと迎えに来たはいいものの、
開いた先の部屋はもぬけの殻だった。
これが初めてなら、そういう日もあるだろうと納得はできる。
だが、ここ1か月で5度目だ。
今までは、ほぼ毎日自分と朝食を取っていたにもかかわらず、である。
心の中から、ふつふつとゼルに対する不審が沸き起こる。
「どこに行きやがった」
サイファーはイラつきをぶるける様に近くの壁を思い切り殴ると、
コートを翻してその場を立ち去った。
■■■
「もう8時だぞ、そろそろ起きろよ!」
SeeDの寮部屋に、澄んだ声が響き渡る。
普段とは違い、前髪の立たない、寝癖をつけた頭を掻きまわしながら、ニヴァンがソファで眠るゼルを叩き起こした。
クッションでバフバフと顔を叩かれたゼルが、むくりと起き上って伸びをする。
「洗面所先使うからな。ったく2階上のお前の部屋に帰るのなんて直ぐなのによ」
洗面所で顔を洗いながら、ニヴァンがゼルに苦言をこぼす。
「そう言うなよ~。眠くなっちまったんだから、しょうがねえだろ~
減るもんじゃねえしよ!」
ゼルもソファから起きだして、部屋の冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを
一気に仰いだ。
「にしても昨日の試合すごかったな!最後の最後で大逆転の1点!痺れたぜ!」
昨日のTV観戦でのバスケの試合を思い出したゼルが、握った殻のペットボトルを
潰さんばかりにしながら、ニヴァンを見遣る。
「ああ、レンジャーズは最高のチームだ」
洗面所で前髪を整えていたニヴァンが、鏡越しにゼルにニカリと笑いかけた。
■■■
朝の支度を終えた二人は、一緒に朝食を取るべく食堂へと降りてきていた。
仲の良い友人との食事はうまい。
前も確か同じようなことを思ったとデジャヴを感じながら、
ゼルはニヴァンと賑やかなガーデンの食堂にいた。
ニヴァンに教えを乞うたあれから、二人の仲は友人と呼べるまでになっていた。
共にボーイフレンドを持つ者同士話もあったし、元々気性も似たり寄ったりだったようで、
好きな物も似通っていた。
ニヴァンもこういうことを話せる友人はいなかったそうで、俺にとっても同じだ。スコールたちには相談できないサイファーとのアレコレも、彼の名前こそ伏せていたが、夜の行為の事まで相談できる(しかも的確なアドバイスが来るときた)
兄貴分のような、素晴らしい友人だ。
昨晩も、二人とも応援するバスケチームの準決勝とあって、夜遅くまで部屋へと
入り浸ってそのまま泊まらせてもらった次第だ。
最近はそういったことが増えていたことが少し気がかりだったが、
久しぶりにできた新たな友人との付き合いが楽しくて仕方がなかった。
「朝からそんな量の肉が良く食えるな?」
「お前こそ、朝から揚げパンかよ」
お互いの食事をからかいながら、其々が勢いよく食事をかき込んでいる。
「あいつがさ、今日バラムに任務でくるんだよ」
ニヴァンが口いっぱいに肉を含みながらゼルに話しかける。
「あいつって?」
ゼルも負けず劣らず、頬にパンを詰め込みながら答えた。
「彼氏」
「ああ、そうか。泊まってくのか?」
「そ。だから今日は泊めねぇからな。部屋帰れよ?」
「しゃーねーな。遠慮してやるか!」
「えっらそうに」
ニヴァンが咀嚼し終わった肉を飲み込んで、嬉しそうに笑う。
どちらかというと普段ピリついた雰囲気を纏う彼だが、楽しみだと顔に浮かんでいる。
鈍感なゼルにも分かるくらいには浮かれてるのだ。
なんだかこちらまで嬉しくなって、相手の事をもっと知りたいと思う。
「そういえばさ、あんたの彼氏って何て言うんだっけ?」
新たなパンへと攻略を移したゼルが、ニヴァンへと顔を向ける。
図書室の書架で見たきり、今まで会った事も、ニヴァンに聞いたこともなかったのだ。
「リード」
そう言った顔は、完全に恋するそれだ。
「そうだ、リードだ!」
「なんで知ってんだよ」
「書架の睦言で聞いたから」
「そういやぁそうだったな」
この野郎覗きやがって!とニヴァンがゼルの首に腕をまわして、
ロックを掛けるふりをする。
こういうこと話せるってすげぇ楽しいとゼルが感じたその時だ。
突然、空気が震えて二人の鼓膜へと稲妻のような怒号が飛び込んできた。
「何のつもりだテメェ!!」
そう聞こえると同時に、座ってゼルに腕をまわしていたニヴァンの身体が
宙に浮きあがった。
いや、ニヴァンの後ろから、男がニヴァンの首に腕をまわして締め上げていたのだ。
先ほどニヴァンがゼルにからかいでやったものとは比較にならないほどの強さで
締め付け、そして強制的に立ち上がらされる。
そのはずみで蹴り倒した椅子が勢いよく転がって、派手な音を立てた。
食堂が、一瞬で静寂と緊張に包まれた。一気に視線がゼルたちへ集まる。
何が起こったのかと固まった刹那、その聞き覚えのある声に冷や汗がどっと噴き出る。
同時に声の主を確かめるために振り返って、それが確信に変わる。
「サイファー!!」
鬼のような形相のサイファーがニヴァンを締め上げていた。
「な、何やってんだよ!離せって!」
瞬時にニヴァンをロックするサイファーの腕にしがみついて、それを外そうと試みる。
が、本気で締め上げているその力はものすごいもので、とてもゼルの力では
外せそうもなかった。
「サイファー、どうしたんだよ!」
それでもなお取り縋るゼルに、サイファーがようやく視線を向けた。
「ずいぶんとお楽しみだったようだな、こいつと」
冷たい視線だった。最近のサイファーでは考えられないような、見下すような視線だ。
何を言われているのか分からないゼルは、何と言ってよいのか言葉に詰まってしまう。
それを肯定と捉えたのか、サイファーは刃のような言葉を続けた。
「昨日はお泊りか?こいつの部屋だろ。先週もあったよな?先々週もか?」
心当たりがあるそれに、バクバクと心臓が高鳴る。
「ケツが軽くなったなぁテメェ。最初はあんなに嫌がったくせによ」
そう吐き捨てるように言うと、怒りからかニヴァンを締める腕が更に締まったようで、
呻いて抵抗していたニヴァンから苦しそうな声がする。
周りから息をのむ音が聞こえる。だが、サイファーの剣幕とオーラに、助けに現れる者はいなかった。
ゼルもまた、周りの目と動揺のあまりサイファーに説明ができない。
声にならない、音のようなものが口からでるばかりで、
普段から自分よりも大きなこの男が、恐怖から尚一層大きく見える。
だが、サイファーとはこういう男だったと急速に今までの記憶が沸き上がってくる。
最近の彼が自分に対して少し丸くなっただけで、本来の彼の気性はこうだったはずだ。
風紀の名を借りた半分喧嘩まがいの校正や、命令違反、不遜な態度・・・。
なぜ、それを忘れていたのかと悔やんでも遅い。
その時、サイファーの目が嫌な感じに細められた。
とどめを指す気なのだと、ゼルは今までの経験からすぐに分かった。
「サイファー!よせっ!」
そう言い切るかどうかの刹那、自身の声よりも更に低く響く芯のある声が食堂に響いた。
「サイファー止めるんだ」
遠巻きに自分たちを囲んでいる生徒達が、その声の主の為に道をあける。
彼らの間から出てきたその救世主に、ゼルは思わずその名前を呼んだ。
「スコール!」
サイファーは心底嫌そうにそちらを見ると、その姿を確認するやいなや軽く舌打ちをした。
「そいつを離せ。話はそれからだ」
彼らの前にまったく臆せず近づいたスコールは、有無をいわさぬ勢いでサイファーに命令する。
以前のスコールならば、どこで何が起ころうが我関せずを貫いただろう。
だが、今のスコールは違うと知るサイファーは、ニヴァンに一瞥をくれると彼をほおりだすように解放した。
床に転がったニヴァンが、ゴホゴホとせき込む。
「これで満足か?あ?」
そうスコールに凄んだサイファーが、興が削がれたとばかりに肩をすくめる。
「勝手にしろ」
そう言い捨てると、出口に向かうサイファーに聴衆達はサッと道をあけた。
未だ床でせき込んでいるニヴァンに、スコールが近づいてしゃがみ込み容態を確認する。
「問題無さそうだ、落ち着いて呼吸をしろ」
そう言ってニヴァンを支えるスコールが、今度はゼルに向かって言い放つ。
「何があったか説明してもらうぞ」
ゼルは危機を脱した安堵と説明の難しさに頭を抱えてしゃがみ込むと、静かに頷いた。
■■■
念のためにニヴァンを保健室に運んで手当を受けたのを見届けると、スコールが人払いをして二人に向き直った。
「何があった」
たったその一言だったが、有無をいわさぬ力があった。
最近のサイファーは比較的穏やかだったにも関わらず、あのようなことが起こったのはなぜか?と問われたのだ。
ニヴァンもこちらを見ているのがゼルには分かった。
サイファーだから、という理由では誤魔化せないのは明白だった。
「俺と、こいつ…ニヴァンができてると、思ったんだと思う」
スコールがピクリと反応するのが分かった。
こんなこと、絶対に言えないと思ってたのに、こんな形で言うことになるなんてと運命を呪った。
「じ、実は俺、付き合ってんだ」
誰ととは言わなかった。いや、最後の羞恥心で言えなかった。
スコールの軽蔑の目が怖くて顔が上げられない。
「いや、薄々気づいてはいた」
彼から発せられたのは、意外な言葉だった。
「半年ぐらい前からサイファーのやつお前にべったりだったからな」
そうして上目でこちらを伺うゼルに、心配するなと口元に孤を作る。
「以来、食堂で一緒に食事を取りだしただろう?何かがあったとは思っていた」
そうしてニヴァンを見ると、納得がいったという顔をした。
「ニヴァン=アダムスだな。あんたに嫉妬したってわけだ
」
そうして災難だったな、と最後に付け加えた。
だが、驚いたのはスコールではなくむしろニヴァンの方だった。
「あんたが付き合ってたのってあのサイファー=アルマシーだったのかよ!」
元々大きな目を更に大きくして、ニヴァンがゼルを見やる。
「し、知ってんのか」
思わぬニヴァンの反応に動揺して、ゼルの声が少しどもった。
「このガーデンであいつを知らない奴なんていないだろ普通!マジかよ!」
そうして一瞬天を仰ぐと、今度は真剣な眼差しで続けた。
「あの激情家相手ならなおのこと、俺の部屋なんか泊まってたらやばいだろ」
その言葉に、今度はスコールが反応する。
「どういうことだ」
「つまり、恋人がいるのに他の奴の部屋に入り浸ってるから相手が怒ったってこと」
俺もサイファー相手って分かってたらもうちっと警戒したんだけどな、と続ける。
それを聞いて、スコールが額に手を当ててながーいため息を漏らす。
「ゼル」
呼ばれたゼルは、ビクリと肩を震わせた。
「俺もこの手の事は苦手だが」
そう前置きするとゼルに向き直った。
「暴力を振るったサイファーは確実に悪い。学園長にも相談するが、数日の謹慎になるだろう。
だが、お前も少し軽率だったんじゃないか。
きちんと自覚をもったほうがいい」
言われてみて、初めて自身の考えの甘さに気付かされる。
サイファーの気持ちを、全然考えてなかった。
「サイファーときちんと話すことだな」
そう言うと、スコールは腰掛けていたベッドから立ち上がった。
ニヴァンと目を合わせて頷き合うと、事情は分かったと部屋から引き上げていった。
ベッドに横たわるニヴァンも、「俺も暫くしたら部屋に戻る。
リードに慰めてもらうから気にすんな。
お前は行くべきところがあるだろ?」と笑いながら言った。
ゼルはすっくと立ち上がると、今度ちゃんと紹介するから!と言い残して、サイファーの所へと向かう。
後ろから、次は締め上げは無しだぞ!と声が響いた。
■■■
サイファーの居る場所はすぐに分かった。
ガーデンの生徒たちが、機嫌の悪いサイファーの噂をそこかしこでしていたからだ。
その声に導かれて、ゼルはガーデンの秘密の場所へとたどり着いた。
貯めたストレスをモンスターにぶつけるため、訓練場で暴れたらしい。
重い非常扉を開けた先に、その背中はあった。
季節はだいぶ寒くなり掛けて、一枚羽織が必要なくらいだ。
コートの裾が、ゆったりと吹く風に靡いている。
ゼルは急に怖くなった。
もう、振り向いてくれないんじゃないかと。
もう、俺に愛想が尽きたんじゃないかと。
そう思ったのだ。
一度そう思うと、なかなか口から声が出てこない。
相変わらず経験の乏しい彼は、こういう時なにを言えばいいかも分からない。
ただ、彼の背中を見つめるしかなかった。
「いつまでそうしているつもりだ?」
未だ後ろを向いたままのサイファーから、低い声が投げかけられた。
「サイファー」
名前を呼ぶのが精一杯だった。
だが、その声に答応するようにサイファーがゆっくりと振り返った。
いつもと同じ男の筈なのに、まるで知らない男のように感じられる。
ゼルがゴクリと唾を飲み込んだ時、サイファーが口を開いた。
「そんなにあいつがいいのか」
驚きと共にとっさに言葉が飛び出す。
「違う!」
そんなことを考えていたのかと愕然とする。
自分の甘い認識が、恋人としての自覚のなさが、この男にそう考えさせたのだ。
「あいつは、ただの友達だ。いや、只のってことはないか」
いったんそう区切ると、ゼルは続ける。
「俺に男との寝方を教えてくれた奴がいたっていっただろ。それがあいつだ。」
サイファーの目が少し見開かれる。驚いた、といった様子だ。
「あいつにはちゃんと恋人が居るから、俺たちは何にもないんだよ」
そう言って、ゼルはサイファーへとゆっくりと近づいていく。
目の前の知らない男が、次第に慣れ親しんだ男になっていくような気がした。
「スコールに言われたよ。恋人としての自覚を持てって」
目の前にしたサイファーに向かって、しっかりと言葉を紡ぐ。
「サイファーごめん。俺が悪かった。あんたに心配かけた」
そう言って、広い胸に頭を預けて抱きついた。
もうこの男は、拒否しないはずだ。
静かにゼルの言葉を聞いていたサイファーも、寄り添う体温を抱きしめ返した。
「俺で、男に目覚めたのかと思ったぜ」
末恐ろしいことを言う目の前の男を、弾けるような素早さで見やる。
「んなわけあるかよ!俺はこう見えても女の子が好きなんだよ」
それを聞いたサイファーの片眉がゆっくりと動いた。
「俺 以 外 は 、だろ?」
もう、いつもの自信にあふれたサイファーの顔だった。
ほっとした。自分の軽率な行為によって失ったかと思ったものが、ここにある。
「あんただってそうだろ!」
なぜか負けたような気になってそう言い返すと、
ああそうだ。なんて言葉が返ってくる。
たまらなく愛おしさが沸いてくる。
普段なら絶対に断られそうだけど、今なら聞いてくれそうな気がする。
そう思ったゼルは、思い切って口を開いた。
「なぁ、今度紹介させてくれよ、ニヴァンとその恋人のリードに」
end