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  • グラハム・ベル空白の12日間の謎

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    - http://booklog.jp/asin/4822284395

    図書館で見つけて面白そうだったので読み終わりました。内容はけっこうしっかりしていたので、買ってもいいかなと思います。
    第一印象は、注意深く書かれているみたいなので、数学の「よって証明終了」的な読了感でした。世の中、いくらでもこんなのがあるので今更驚かないというか。
    ネタバレな内容を言ってしまうと、ベルは電話のアイデアは思いついてはいたけど、それの実現には程遠く、とある理由でイライシャ・グレイの発明を盗むことになってしまったといったところです。で、その理由なんですがベルのお嫁さんのパパ(弁護士)が当時電信を牛耳っていた企業の汚職が目にあまるものだったので、それに対抗するためにだとか。実際に可変抵抗という電話に必要だった部分をつくったイライシャ・グレイは、たまたま電信を牛耳っていた企業側に立っていたというのは、きっと不幸な偶然だったのでしょう。
    善悪の裁定はともかく弁護士の政治闘争は勝ったのは、かなり歴史を変えたのでそれはそれで意義のあったことだと思います。ベル研究所ではUnixが生まれましたし、敵対勢力は今ではかなり弱体化していました。
    ただ、この本で書かれているイライシャ・グレイは決して申請に遅れていない事実はもっと広がるべきです。グラハム・ベル自身もそれを望んでいる手記もありますし、間違った歴史は正されなければなりません。グラハム・ベルは電話を取り巻く人の予想を裏切り広めた立役者として、イライシャ・グレイは電話を発明した立役者として、それぞれ正しく発信されることを望みます。

    ここからちょっと傍道にそれた内容です。
    この本を読んで思ったんですが、科学史をちゃんとやってみるのも悪くないなと思いました。自分の探求力に限界を感じてしまうと、未練をどうにかしたくなってるだけだと自覚はしてるんですが、そんな一本道でできる自信はないので、別の道でもがんばってみます。
    ただ、アメリカの科学雑誌の編集者(Editor)は自身も超一流っていう話を思い出すと、「ひーーーー」と後退ってしまいます。orz
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