Public Notes

  • ストライク

    好きな絵師さんが挿し絵とカバーを書いているライトノベルを買ったら,そこそこよかったです.タイトルは「桜色の春をこえて」なんですが,たまたま行きつけの文房具屋さんで見つけて,絵師衝動買いでした.
    内容は,女の子二人が同居してキャッキャウフフする話です.繰り返します.女の子がキャッキャウフフする話です.本筋は,それなんですが一応物語なので,わけありで,二人とも家庭環境でそれなりに問題を抱えていて,他人との関係に悩んでいる設定があります.
    一人は優等生,もう一人は問題児だそうで,二人ともわけあって,両親と暮らしていません.物語は,優等生の娘が管理人さんたちのミスで家を出ないといけなくなって,たまたま隣に住んでいた「不良」の娘のところに居候することから始まります.
    断っておくんですが,「不良」とよく形容される彼女ですが,損な役割でそうゆう役に当てはめられているだけで,けっこう普通です.ちょっとケバいとかそんなだけなようで,もう少し言葉を選んでもらった方が読む方としても安心できたかもしれません.「不良」という言葉けっこうな烙印なので.
    悪い人が出てこないのは,不幸ぶっている彼女たちにはとてもいいのかなーと,ほっこりします.彼女たちの両親は見方によっては,善悪別れてしまうので数えないとすると,二人くらいしか悪人らしい悪人は出て来ませんでした.本当の意味で「不良」と転勤してしまった教師なんですが,両方とも出番は少ないんですが,波紋だけはとても大きかったです.そうゆう「影響」の描写はとても丁寧な気がします.
    それから,いい大人がいっぱい出てくるのは,名作の証だと思います.実力の伴った口煩い教師,主人公達の母親とは対照的なご近所のママ,指導者として優秀であろう弓道部の顧問.みんなみんなかっこいいです.中でも「ガンジー」と呼ばれている柏崎先生は,作中で一番かっこいいので,最後までちゃんと見てあげるといいかと思います.
    ただ,不良っ娘の趣味は作者の趣味っぽいので,もっと相応しい趣味を与えられなかったのか,悔やまれます.
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